第10章【冥界コロシアム】
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≪ 93 ≫
あっと声を上げた時は、もう遅かった。
闘技場の端から、まるで吊るされた人形の糸が切れたみたいに落ちてしまった。
縛られたままだった。
「メグーーーーっっ!!」
下に身を乗り出そうとするヘラクレスを必死に押し留めて、ハデスを睨み付ける。
奴も丁度身を起こして立ち上がるところだ。
一体何が起こったのか、すぐに理解できなかった。
俺達に向かってきたお姉さんを止めたアーロンは、お互いにすごい攻防を繰り広げて、その間、俺達とヘラクレスはハデスと戦ってた。
でもあいつは、数で俺達に敵わないと知ると、メグを闘技場の外まで移動させたんだ。
いつでも落とせるって位置で。
ヘラクレスは手が出せなくなって、睨み合いだったんだけど、突然横から黒い塊が飛んできて、ハデスを押し潰しちゃった。
メグを操っていたんだろうけど、その瞬間にその力が切られたんだと思う。
メグは闘技場の下の暗い穴の中に落ちてしまった。
飛んできてハデスにぶつかったのは、なんとアーロンと戦ってたお姉さんだった。
あの黒い闇、俺達と戦った時も出てたけど、あの時よりももっと多くなってたみたいだ。
「…ひ、ひひひひ、ひひ、計画とは少々違ったが、ラフテル、なんてことしてくれたんだ!?」
お姉さんはハデスの言葉を無視してまたアーロンに向かっていった。
「メグ!!」
「ああっ!!」
俺達が手を離した瞬間だった。
ヘラクレスは自分から穴に飛び込んだ!
穴の下のほうに向かって彼の名を叫んだけど、気味の悪い呻き声みたいなものが聞こえるだけ。
奥のほうは、見ているだけで背中に寒気を感じちゃう。
「へ~っへっへっへっへっ…。 冥界の牢獄に落ちればもう助からん。 あいつらが再び日の光を浴びるなんてことは、もう二度とないのだ。」
「くっそ~…」
「これで目障りだった奴が消えた。 あとは、更に目障りで邪魔なそのキーブレードを消すとしようか。 …ラフテル~は、手が離せないか」
「他の人にやらせないで自分がやれよ! …それとも、自分独りじゃ何もできないのか?」
「なんだと!? 言わせておけば!」
少し挑発してやったら、頭の炎を真っ赤にして声を荒げた。
単純な奴。
…でも、どうしよう、ヘラクレスとメグが穴に…。
助けに行きたいけど、今俺達がここを離れるわけにはいかない。
アーロンとお姉さんの戦いは凄すぎて、もう何をやってるのかさえよくわかんないよ。
アーロンの力を借りることはできない。
だからと言ってここをドナルド達に任せて俺だけ俺一人で助けに行く、なんてことはもっとできない。
もし今あいつから目を離したら、それを考えるだけで恐ろしい。
冥界の怪物をたくさん呼び出して、地上はメチャクチャにされちゃう。
ヘラクレスを倒した!ってさも自慢気にたくさんの人達を困らせるんだろうな。
その場面を思い浮かべてしまって、慌てて振り払うように頭をブンブンと振るった。
やっぱり、今ここでこいつを倒してそれからヘラクレスを助けに行く。
彼がそう簡単に倒れるはずはないと信じてる。
ハデスは、こんな奴だけど一応は冥界の王って言うだけあって、実は強い。
変な不気味な闇攻撃で俺達を苦しめる。
俺のキーブレードが、当たらない。
当たっても大したダメージは与えられない。
どうしたらいいんだ…?
ハデスが、人をバカにしたように気味の悪い笑い声を上げる。
やっぱり、俺達じゃ敵わない。
息が上がって、心臓がバクバク音を立ててるのが伝わってくる。
力が、出なくなってくる。
あいつは、人を見下した目で俺達を見てた。
何か、何かきっとあるはずなんだ、あいつの弱点が!
「グワッ、ソラ、このままじゃやられるぞ!」
「わかってる、だけど、あいつの弱点がわからなくて…」
「ハデスが使うのは、闇の力だよねぇ~」
「!! そうか、それだ!グーフィーありがとう!」
「?」
「闇は光で照らせば消える。光の力を使おう!」
「でも、本物の光の英雄は…」
「ボク達まだ卵だしねぇ~」
「俺は信じてる。 ヒーローはきっと大丈夫だ。 だから、まずはこいつを倒す。 俺達だって負けていられない。 ドナルド、グーフィー、行くよ!」
ハデスの闇の力を使った攻撃をグーフィーが盾で防いでくれる。
すかさずドナルドが魔法で仕掛けたら、隙をついて俺のキーブレードを叩き込む。
俺達の三位一体の連携プレーはいい感じにハデスにダメージを与えたみたいだ。
元の位置に戻って3人でハイタッチだ。
そうしてたら、背中に大きなものが当たった。
アーロンだ。
大分辛そう。酷いダメージを受けてるし、足から大量の血が流れてるってことが、黒い服の上からでもわかる。
「アーロン! 平気なの!?」
「…あ、ああ、大丈夫だ」
どこがっ!?って叱ってやりたくなった。
この強いアーロンをここまで苦しめるなんて。
チラリとそちらに目を向けた。
アーロンと戦っているのはお姉さんの筈だけど、そこにいたのは黒い魔物。
金色の目だけをギラギラ光らせた、まるでそう、あれはハートレスみたいだ。
前に戦った時と同じ、両手に武器を持ってこちらに向かって歩いてくる。
背後からはハデスが放ったハートレス達がうじゃうじゃ迫ってきてる。
アーロンと目で合図をして、背中合わせになる。
2人で声を合わせて、一緒に飛び上がる。
アーロンとの合体技だ!
物凄い勢いの竜巻を発生させて、そこに俺の剣捌きを乗っける。
四方八方の敵を一掃できる。
これでハートレスの雑魚はいなくなった。
「こんなことしても無駄だ!」
「…どうやらその通りだな」
奴の悔しそうな顔!
悔し紛れなのか、やけくそなのか、手から黒い闇の塊みたいなものを次々と撃ちこんでくる。
それを切り裂いて奴の前まで飛び込んだ。
俺の渾身の一撃をお見舞いしてやる!
→
20,sep,2015
あっと声を上げた時は、もう遅かった。
闘技場の端から、まるで吊るされた人形の糸が切れたみたいに落ちてしまった。
縛られたままだった。
「メグーーーーっっ!!」
下に身を乗り出そうとするヘラクレスを必死に押し留めて、ハデスを睨み付ける。
奴も丁度身を起こして立ち上がるところだ。
一体何が起こったのか、すぐに理解できなかった。
俺達に向かってきたお姉さんを止めたアーロンは、お互いにすごい攻防を繰り広げて、その間、俺達とヘラクレスはハデスと戦ってた。
でもあいつは、数で俺達に敵わないと知ると、メグを闘技場の外まで移動させたんだ。
いつでも落とせるって位置で。
ヘラクレスは手が出せなくなって、睨み合いだったんだけど、突然横から黒い塊が飛んできて、ハデスを押し潰しちゃった。
メグを操っていたんだろうけど、その瞬間にその力が切られたんだと思う。
メグは闘技場の下の暗い穴の中に落ちてしまった。
飛んできてハデスにぶつかったのは、なんとアーロンと戦ってたお姉さんだった。
あの黒い闇、俺達と戦った時も出てたけど、あの時よりももっと多くなってたみたいだ。
「…ひ、ひひひひ、ひひ、計画とは少々違ったが、ラフテル、なんてことしてくれたんだ!?」
お姉さんはハデスの言葉を無視してまたアーロンに向かっていった。
「メグ!!」
「ああっ!!」
俺達が手を離した瞬間だった。
ヘラクレスは自分から穴に飛び込んだ!
穴の下のほうに向かって彼の名を叫んだけど、気味の悪い呻き声みたいなものが聞こえるだけ。
奥のほうは、見ているだけで背中に寒気を感じちゃう。
「へ~っへっへっへっへっ…。 冥界の牢獄に落ちればもう助からん。 あいつらが再び日の光を浴びるなんてことは、もう二度とないのだ。」
「くっそ~…」
「これで目障りだった奴が消えた。 あとは、更に目障りで邪魔なそのキーブレードを消すとしようか。 …ラフテル~は、手が離せないか」
「他の人にやらせないで自分がやれよ! …それとも、自分独りじゃ何もできないのか?」
「なんだと!? 言わせておけば!」
少し挑発してやったら、頭の炎を真っ赤にして声を荒げた。
単純な奴。
…でも、どうしよう、ヘラクレスとメグが穴に…。
助けに行きたいけど、今俺達がここを離れるわけにはいかない。
アーロンとお姉さんの戦いは凄すぎて、もう何をやってるのかさえよくわかんないよ。
アーロンの力を借りることはできない。
だからと言ってここをドナルド達に任せて俺だけ俺一人で助けに行く、なんてことはもっとできない。
もし今あいつから目を離したら、それを考えるだけで恐ろしい。
冥界の怪物をたくさん呼び出して、地上はメチャクチャにされちゃう。
ヘラクレスを倒した!ってさも自慢気にたくさんの人達を困らせるんだろうな。
その場面を思い浮かべてしまって、慌てて振り払うように頭をブンブンと振るった。
やっぱり、今ここでこいつを倒してそれからヘラクレスを助けに行く。
彼がそう簡単に倒れるはずはないと信じてる。
ハデスは、こんな奴だけど一応は冥界の王って言うだけあって、実は強い。
変な不気味な闇攻撃で俺達を苦しめる。
俺のキーブレードが、当たらない。
当たっても大したダメージは与えられない。
どうしたらいいんだ…?
ハデスが、人をバカにしたように気味の悪い笑い声を上げる。
やっぱり、俺達じゃ敵わない。
息が上がって、心臓がバクバク音を立ててるのが伝わってくる。
力が、出なくなってくる。
あいつは、人を見下した目で俺達を見てた。
何か、何かきっとあるはずなんだ、あいつの弱点が!
「グワッ、ソラ、このままじゃやられるぞ!」
「わかってる、だけど、あいつの弱点がわからなくて…」
「ハデスが使うのは、闇の力だよねぇ~」
「!! そうか、それだ!グーフィーありがとう!」
「?」
「闇は光で照らせば消える。光の力を使おう!」
「でも、本物の光の英雄は…」
「ボク達まだ卵だしねぇ~」
「俺は信じてる。 ヒーローはきっと大丈夫だ。 だから、まずはこいつを倒す。 俺達だって負けていられない。 ドナルド、グーフィー、行くよ!」
ハデスの闇の力を使った攻撃をグーフィーが盾で防いでくれる。
すかさずドナルドが魔法で仕掛けたら、隙をついて俺のキーブレードを叩き込む。
俺達の三位一体の連携プレーはいい感じにハデスにダメージを与えたみたいだ。
元の位置に戻って3人でハイタッチだ。
そうしてたら、背中に大きなものが当たった。
アーロンだ。
大分辛そう。酷いダメージを受けてるし、足から大量の血が流れてるってことが、黒い服の上からでもわかる。
「アーロン! 平気なの!?」
「…あ、ああ、大丈夫だ」
どこがっ!?って叱ってやりたくなった。
この強いアーロンをここまで苦しめるなんて。
チラリとそちらに目を向けた。
アーロンと戦っているのはお姉さんの筈だけど、そこにいたのは黒い魔物。
金色の目だけをギラギラ光らせた、まるでそう、あれはハートレスみたいだ。
前に戦った時と同じ、両手に武器を持ってこちらに向かって歩いてくる。
背後からはハデスが放ったハートレス達がうじゃうじゃ迫ってきてる。
アーロンと目で合図をして、背中合わせになる。
2人で声を合わせて、一緒に飛び上がる。
アーロンとの合体技だ!
物凄い勢いの竜巻を発生させて、そこに俺の剣捌きを乗っける。
四方八方の敵を一掃できる。
これでハートレスの雑魚はいなくなった。
「こんなことしても無駄だ!」
「…どうやらその通りだな」
奴の悔しそうな顔!
悔し紛れなのか、やけくそなのか、手から黒い闇の塊みたいなものを次々と撃ちこんでくる。
それを切り裂いて奴の前まで飛び込んだ。
俺の渾身の一撃をお見舞いしてやる!
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