第9章【覚悟を決めよう】
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≪ 82 ≫
「大会名は———……、そう、ハデ~スカップ!」
また大袈裟な身振り手振りで自分の名を冠した大会名を自慢げに発表して見せた。
絶対にそんな試合になんか出たくない。
…でも、どうしても英雄は出場させたいらしい。
負ける所を見たくて仕方がないんだ。
それに、もっと頭に来ることは、またメグを利用しようとしてるから。
英雄が試合に出ないと、メグと二度と会えなくする、なんて。
それじゃあ英雄は断れないじゃないか!
「汚いぞ!」
『そりゃ光栄なこって…』
俺の言葉で、ボフンと姿を消してから微かにあいつの捨て台詞が響いた。
がくんと頭を落として力なく項垂れている英雄のそばで、メグは心配そうに俺達を見つめていた。
「お願いよ、彼と一緒に戦ってあげて」
メグのお願いを聞くまでもない!
俺達は英雄の卵なんだ。
英雄の力になってあげるのは当然さ!
「任せて!」
俺の言葉に、英雄もメグも微かに笑顔を浮かべたけど、どこか寂しそうにも感じた。
……俺達じゃ、やっぱり頼りないのかな。
「ヘラクレスは本調子じゃないから、その分、僕達が頑張らないとね」
ドナルドの言葉に力強く頷いた。
出場を決めたにあたって、どんな相手がいるのか確かめておく必要がある。
トーナメントだから、勝てば次の試合に進めるけど、負けたらそこで終わり。
出場するからには、どうせなら優勝を狙いたいな。
「僕達の最初の相手は?」
やっぱり英雄も対戦相手が気になるみたいだ。
こんな状態の英雄に無理させるわけにはいかないから、俺達が頑張らなきゃ。
「あれ、アーロンも出るんだ!」
「本当だ。決勝まで進めば対戦だ」
いち早くその名前を見つけたドナルドとグーフィーが声を高くして教えてくれた。
俺と英雄もその声に反応して目がそちらを向いてしまう。
「英雄にふさわしい男かい?」
「悪い人じゃないと思うけど……」
実はこのアーロンという人がどんな人なのか、俺には未だによくわかっていない。
一緒に戦ったし、話もした。
すごく強いってことは知ってる。
大切な人を助けたいと言っていた。
でも、本当の彼はどんな人なんだろう?
俺は結局、アーロンという人のことを何も知らないんだ。
さっき会ったアーロンは一人だった。
ずっと助けたいと言っていた、あの人…
あのラフテルという人はどうなったんだろう?
ちゃんと助けられたのかな?
「おい、貴様ら!」
「!? うわっ!!」
「ぐわっ」
「わ——っ」
「おい、乱暴じゃないか!」
「いいからさっさと船に乗れってんだよ!」
「だからって、こんな乱暴しなくてもいいだろ!」
「つべこべ言ってんじゃねえよ。 もう第一試合が始まる。 ハデス様がお待ちかねなんだよ!」
下っ端の悪魔みたいな奴が、俺達の背中を船目掛けて蹴りつけた。
それを見て、周りにいた冥界の奴らが人を馬鹿にしたように笑っている。
このトーナメントに出場する奴や、観戦に来た奴らだろう。
まったく、頭にくるよ。
→
7,sep,2015
「大会名は———……、そう、ハデ~スカップ!」
また大袈裟な身振り手振りで自分の名を冠した大会名を自慢げに発表して見せた。
絶対にそんな試合になんか出たくない。
…でも、どうしても英雄は出場させたいらしい。
負ける所を見たくて仕方がないんだ。
それに、もっと頭に来ることは、またメグを利用しようとしてるから。
英雄が試合に出ないと、メグと二度と会えなくする、なんて。
それじゃあ英雄は断れないじゃないか!
「汚いぞ!」
『そりゃ光栄なこって…』
俺の言葉で、ボフンと姿を消してから微かにあいつの捨て台詞が響いた。
がくんと頭を落として力なく項垂れている英雄のそばで、メグは心配そうに俺達を見つめていた。
「お願いよ、彼と一緒に戦ってあげて」
メグのお願いを聞くまでもない!
俺達は英雄の卵なんだ。
英雄の力になってあげるのは当然さ!
「任せて!」
俺の言葉に、英雄もメグも微かに笑顔を浮かべたけど、どこか寂しそうにも感じた。
……俺達じゃ、やっぱり頼りないのかな。
「ヘラクレスは本調子じゃないから、その分、僕達が頑張らないとね」
ドナルドの言葉に力強く頷いた。
出場を決めたにあたって、どんな相手がいるのか確かめておく必要がある。
トーナメントだから、勝てば次の試合に進めるけど、負けたらそこで終わり。
出場するからには、どうせなら優勝を狙いたいな。
「僕達の最初の相手は?」
やっぱり英雄も対戦相手が気になるみたいだ。
こんな状態の英雄に無理させるわけにはいかないから、俺達が頑張らなきゃ。
「あれ、アーロンも出るんだ!」
「本当だ。決勝まで進めば対戦だ」
いち早くその名前を見つけたドナルドとグーフィーが声を高くして教えてくれた。
俺と英雄もその声に反応して目がそちらを向いてしまう。
「英雄にふさわしい男かい?」
「悪い人じゃないと思うけど……」
実はこのアーロンという人がどんな人なのか、俺には未だによくわかっていない。
一緒に戦ったし、話もした。
すごく強いってことは知ってる。
大切な人を助けたいと言っていた。
でも、本当の彼はどんな人なんだろう?
俺は結局、アーロンという人のことを何も知らないんだ。
さっき会ったアーロンは一人だった。
ずっと助けたいと言っていた、あの人…
あのラフテルという人はどうなったんだろう?
ちゃんと助けられたのかな?
「おい、貴様ら!」
「!? うわっ!!」
「ぐわっ」
「わ——っ」
「おい、乱暴じゃないか!」
「いいからさっさと船に乗れってんだよ!」
「だからって、こんな乱暴しなくてもいいだろ!」
「つべこべ言ってんじゃねえよ。 もう第一試合が始まる。 ハデス様がお待ちかねなんだよ!」
下っ端の悪魔みたいな奴が、俺達の背中を船目掛けて蹴りつけた。
それを見て、周りにいた冥界の奴らが人を馬鹿にしたように笑っている。
このトーナメントに出場する奴や、観戦に来た奴らだろう。
まったく、頭にくるよ。
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7,sep,2015