第8章【感情は心より生まれる】
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『72』~止められた戦い~
こちらは戦うつもりも意思も何もなかった。
こいつの刺さるような視線と圧迫されるような殺気の中、一気に武器を振りかぶって迫ってきた攻撃に対し、まともに防御することすらできないまま弾き飛ばされた。
「!?」
だがその一撃は牽制だったのか思ったほどの威力はなかった。
空中で身を捻って体勢を立て直し、着地と同時に後ろ腰の小太刀を引き抜いた。
「ラフテル、なぜだ、訳を言え」
「…………」
次は本気の攻撃が来るだろうと身構えた。
予想通りに左上から振り下ろす。
自身に防御魔法をかけて受け止める。
すぐに次の動作に移行する動きは滑らかで隙がない。 流石だ。
だが、どの攻撃もいつもの威力や重みがない。
防御魔法などかける必要もなかったようだ。
私もアーロンも、互いに違和感を感じていた。
…やはりまだ傷が完治していないのか…?
「ラフテル!」
一際強い口調で怒鳴るように名を呼ばれる。
それに合わせるような力強い一太刀を浴びせられる。
眼前でそれを受け止め、ギリギリと刃が擦れる音を耳にする。
「やめろ!」
ふいに別のところから掛けられた声で互いに剣を引いた。
「アーロン!」
その場から飛び退いて距離を取る。
洞窟の奥から姿を現したのは、あの少年達だった。
その手にはしっかりとキーブレードが握られていた。
「何やってんだよ、どうして2人が戦ってんだ!」
「邪魔をするなソラ」
「でも!」
「『グラビジャ!』『サンダガ!』」
「ぐっ…!」
「うわあっ!」
少年に気を取られていたアーロンに向かって容赦なく魔法をぶつけた。
傍にいた少年たちも巻き込んでいく。
まともに食らったらしいアーロンは飛ばされた位置で膝をついた。
「アーロン!!」
素早く体勢を戻したソラが駆け寄って声を掛ける。
その様子を私は静かに見つめていた。
「大丈夫か!?」
「……くそ」
「ソラ、もしかして、アーロンはまだ呪いが解けてないんじゃないかな?」
「オリンポス・ストーンを使おう!」
ソラと一緒に居た動物達の会話に反応してしまう。
そうだ、あの変態野郎の呪いがかけられていた筈。
…オリンポス・ストーン?
それが何なのかはわからないが、呪いを打ち消す効果のあるアイテムか何かなのだろう。
ということは、今のソラ達は本来の力を出すことができる、というわけか。
ソラが手にしているキーブレード、そして少年達の光に溢れた強い心。
それらは私を激しく刺激する。
→
27,aug,2015
こちらは戦うつもりも意思も何もなかった。
こいつの刺さるような視線と圧迫されるような殺気の中、一気に武器を振りかぶって迫ってきた攻撃に対し、まともに防御することすらできないまま弾き飛ばされた。
「!?」
だがその一撃は牽制だったのか思ったほどの威力はなかった。
空中で身を捻って体勢を立て直し、着地と同時に後ろ腰の小太刀を引き抜いた。
「ラフテル、なぜだ、訳を言え」
「…………」
次は本気の攻撃が来るだろうと身構えた。
予想通りに左上から振り下ろす。
自身に防御魔法をかけて受け止める。
すぐに次の動作に移行する動きは滑らかで隙がない。 流石だ。
だが、どの攻撃もいつもの威力や重みがない。
防御魔法などかける必要もなかったようだ。
私もアーロンも、互いに違和感を感じていた。
…やはりまだ傷が完治していないのか…?
「ラフテル!」
一際強い口調で怒鳴るように名を呼ばれる。
それに合わせるような力強い一太刀を浴びせられる。
眼前でそれを受け止め、ギリギリと刃が擦れる音を耳にする。
「やめろ!」
ふいに別のところから掛けられた声で互いに剣を引いた。
「アーロン!」
その場から飛び退いて距離を取る。
洞窟の奥から姿を現したのは、あの少年達だった。
その手にはしっかりとキーブレードが握られていた。
「何やってんだよ、どうして2人が戦ってんだ!」
「邪魔をするなソラ」
「でも!」
「『グラビジャ!』『サンダガ!』」
「ぐっ…!」
「うわあっ!」
少年に気を取られていたアーロンに向かって容赦なく魔法をぶつけた。
傍にいた少年たちも巻き込んでいく。
まともに食らったらしいアーロンは飛ばされた位置で膝をついた。
「アーロン!!」
素早く体勢を戻したソラが駆け寄って声を掛ける。
その様子を私は静かに見つめていた。
「大丈夫か!?」
「……くそ」
「ソラ、もしかして、アーロンはまだ呪いが解けてないんじゃないかな?」
「オリンポス・ストーンを使おう!」
ソラと一緒に居た動物達の会話に反応してしまう。
そうだ、あの変態野郎の呪いがかけられていた筈。
…オリンポス・ストーン?
それが何なのかはわからないが、呪いを打ち消す効果のあるアイテムか何かなのだろう。
ということは、今のソラ達は本来の力を出すことができる、というわけか。
ソラが手にしているキーブレード、そして少年達の光に溢れた強い心。
それらは私を激しく刺激する。
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27,aug,2015