第7章【闇の私とは真逆の存在】
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『66』~少年は敵じゃない~
冥界の呪い。
確か、初めてこの子供達を目にしたときに、あの変態野郎がかけたものだったな…
私とアーロンとの戦いの最中だった。
私は、ゆっくりと剣を下ろした。
あの変態野郎の力を借りているような気がしたのだ。
「!?」
「どうしたんだ?」
「……やめた」
「えっ!?」
少年が露骨に不思議そうな表情を浮かべている。
私は手にしていた小太刀を後ろ腰の鞘に収めた。
「どういうこと? お姉さんは、誰?」
「………」
「ⅩⅢ機関…?」
「でも、服がちょっと違うよ」
「今のお前達と戦っても意味はない。それよりも、その武器をしまってくれないか。
キーブレードは私の気持ちを高ぶらせる」
「これが…?」
「どういう意味だろ」
「さあ?」
少年が持つ武器もそうだが、少年が纏う純粋な光の気配が眩しくて、思わず目を背けてしまった。
素直に武器を収めて構えを解いた少年だったが、やはり私への警戒は無くせないのだろう。
少年の発するピリピリとした雰囲気がこちらまで伝わってきた。
私も、この少年に聞きたいことはたくさんある。
少年達の問いには一切応える気はないのに、自分の疑問に答えを求めるなんて、身勝手が過ぎる。
その場でくるりと踵を返し、少年達に背を向けた。
キーブレードを持つ者とその仲間を倒せと、変態野郎に言われた。
だが、なぜだろうか。
確かにその武器に対しては酷い嫌悪感の様な、微かな恐怖とも取れるような感覚が沸いてくる。
だがこの少年は違う。
武器を手にしていない時の少年は、本当にまだ子供なのだ。
世の中の暗い黒い闇に染められていない、純粋な瞳を持った、幼い子供。
「お前達は、あの女を救いに来たのか」
「…メグを攫ったのは、まさか、お姉さん…?」
「ハデスじゃなかったの?」
「でも、そしたらこの人も悪者、かな?」
「彼女は、この扉の向こうだ」
「え…」
少年と動物達が後ろで話しているのを聞き流して、私は歩き出した。
「ねえ!」
少年が私に声を掛けたのと、またあの感覚を覚えたのは同時だった。
私は立ち止って少年のほうを振り返った。
背後から黒い闇が触手のように私の体に纏わりついてくる。
また、あの変態野郎に連れ戻されるのだろう。
「アーロンが言ってた。 お姉さんの心を取り戻したいって、一緒に帰りたいって!」
「!!」
→
21,aug,2015
冥界の呪い。
確か、初めてこの子供達を目にしたときに、あの変態野郎がかけたものだったな…
私とアーロンとの戦いの最中だった。
私は、ゆっくりと剣を下ろした。
あの変態野郎の力を借りているような気がしたのだ。
「!?」
「どうしたんだ?」
「……やめた」
「えっ!?」
少年が露骨に不思議そうな表情を浮かべている。
私は手にしていた小太刀を後ろ腰の鞘に収めた。
「どういうこと? お姉さんは、誰?」
「………」
「ⅩⅢ機関…?」
「でも、服がちょっと違うよ」
「今のお前達と戦っても意味はない。それよりも、その武器をしまってくれないか。
キーブレードは私の気持ちを高ぶらせる」
「これが…?」
「どういう意味だろ」
「さあ?」
少年が持つ武器もそうだが、少年が纏う純粋な光の気配が眩しくて、思わず目を背けてしまった。
素直に武器を収めて構えを解いた少年だったが、やはり私への警戒は無くせないのだろう。
少年の発するピリピリとした雰囲気がこちらまで伝わってきた。
私も、この少年に聞きたいことはたくさんある。
少年達の問いには一切応える気はないのに、自分の疑問に答えを求めるなんて、身勝手が過ぎる。
その場でくるりと踵を返し、少年達に背を向けた。
キーブレードを持つ者とその仲間を倒せと、変態野郎に言われた。
だが、なぜだろうか。
確かにその武器に対しては酷い嫌悪感の様な、微かな恐怖とも取れるような感覚が沸いてくる。
だがこの少年は違う。
武器を手にしていない時の少年は、本当にまだ子供なのだ。
世の中の暗い黒い闇に染められていない、純粋な瞳を持った、幼い子供。
「お前達は、あの女を救いに来たのか」
「…メグを攫ったのは、まさか、お姉さん…?」
「ハデスじゃなかったの?」
「でも、そしたらこの人も悪者、かな?」
「彼女は、この扉の向こうだ」
「え…」
少年と動物達が後ろで話しているのを聞き流して、私は歩き出した。
「ねえ!」
少年が私に声を掛けたのと、またあの感覚を覚えたのは同時だった。
私は立ち止って少年のほうを振り返った。
背後から黒い闇が触手のように私の体に纏わりついてくる。
また、あの変態野郎に連れ戻されるのだろう。
「アーロンが言ってた。 お姉さんの心を取り戻したいって、一緒に帰りたいって!」
「!!」
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21,aug,2015