第5章【その武器の名はキーブレード】
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『45』~私の正体~
「お前がアレに何らかの感情を持ったのは、お前が—————だからだ。
普通の人間には決して浮かぶことのない感情が、お前が—————であることを決定付けている」
「…で、なぜそんな感情が浮かぶ?」
「説明した通りだ。 お前はあの武器とその使い手を潰したいという本能が疼いているのだ。
お前はそこら辺にいる下級な—————とは違う。 この俺自らが生み出した特別な存在。
他の—————は心の闇に惹かれ、奪うという宿命に縛られている。
だが、お前はそれに縛られることもなく、姿も記憶も残した私の最高傑作! …ただ、—————であるという本能が僅かに反応しているだけなのだ。
だから意味もわからずその感覚の正体も理解できないまま……」
「わかった、もういい」
話の途中で遮られたことが意外だったのか、話をしていた口と持ち上げた手もそのまま固まった変態野郎は、目だけをこちらに向けて押し黙った。
「まだ話の途中だけど?」
遮られたことが悔しいのか、話を聞いて欲しかったのか、わざとふざけた物言いで絡んでこようとする。
この態度が苛つく。
だがまず、あのおかしな不思議な感情の理由は知れた。
この感情の名はわからないが…。
「…もうこれ以上私に契約以外で命令するな」
まだまだ疑問は残っている。
聞きたいこともたくさんある。
それでも、この変態野郎の顔を見て、このまま側にいることには耐えられなかった。
すぐに踵を返し、奴に背を向けて闇の扉を開いた。
暗い回廊を進み、抜けた先はもう見慣れた自分の部屋。
寝台の上に腰かけて、先程あの変態野郎から説明された内容を頭の中で繰り返した。
そして結論を出す。
闇の世界に生きるあいつにとっては、全ての世界をなくしてしまったほうが都合がいいのだろう。
“それぞれの世界”と言った。
つまり、私が今いるこの世界はそんな中の1つにしか過ぎない。
他にも数多くの世界が、どんな形なのかはわからないが、確かに存在している。
そのたくさんの世界の心を奪おうとしている—————。
世界を崩壊させた後に残っているものは何だろうか?
闇の世界を造り出す為に、世界の心を奪う。
世界の心を守る扉を固く閉ざし、守るものがキーブレードとその使い手。
キーブレードによって倒された—————は、闇に染まった心を解き放つ。
その心は元の持ち主に還るというが、真相は定かではない。
より大きな、世界の心を手に入れる為にはたくさんの—————が必要になる。
その多くは光の世界に還ってしまうから。
……そうか、だからか。
よりリスクの少ない確実な方法が、私というわけだ。
“心を奪うという宿命に縛られない”その意味がやっと理解できた。
アーロンも、きっと私と同じ目的でこの世界に呼ばれたのだろう。
弱い私と違って契約を結ぶことはできなかったようだが…。
私への罰として…(尤も、罰というのは私一人の勝手な思い込みだが…)私の記憶の中から知ったのだろう、彼を私の目の前に呼び出した。
だからあの時、あえて私をあの場に置いた。
…本当に、嫌味な野郎だ。
→
16,jul,2015
「お前がアレに何らかの感情を持ったのは、お前が—————だからだ。
普通の人間には決して浮かぶことのない感情が、お前が—————であることを決定付けている」
「…で、なぜそんな感情が浮かぶ?」
「説明した通りだ。 お前はあの武器とその使い手を潰したいという本能が疼いているのだ。
お前はそこら辺にいる下級な—————とは違う。 この俺自らが生み出した特別な存在。
他の—————は心の闇に惹かれ、奪うという宿命に縛られている。
だが、お前はそれに縛られることもなく、姿も記憶も残した私の最高傑作! …ただ、—————であるという本能が僅かに反応しているだけなのだ。
だから意味もわからずその感覚の正体も理解できないまま……」
「わかった、もういい」
話の途中で遮られたことが意外だったのか、話をしていた口と持ち上げた手もそのまま固まった変態野郎は、目だけをこちらに向けて押し黙った。
「まだ話の途中だけど?」
遮られたことが悔しいのか、話を聞いて欲しかったのか、わざとふざけた物言いで絡んでこようとする。
この態度が苛つく。
だがまず、あのおかしな不思議な感情の理由は知れた。
この感情の名はわからないが…。
「…もうこれ以上私に契約以外で命令するな」
まだまだ疑問は残っている。
聞きたいこともたくさんある。
それでも、この変態野郎の顔を見て、このまま側にいることには耐えられなかった。
すぐに踵を返し、奴に背を向けて闇の扉を開いた。
暗い回廊を進み、抜けた先はもう見慣れた自分の部屋。
寝台の上に腰かけて、先程あの変態野郎から説明された内容を頭の中で繰り返した。
そして結論を出す。
闇の世界に生きるあいつにとっては、全ての世界をなくしてしまったほうが都合がいいのだろう。
“それぞれの世界”と言った。
つまり、私が今いるこの世界はそんな中の1つにしか過ぎない。
他にも数多くの世界が、どんな形なのかはわからないが、確かに存在している。
そのたくさんの世界の心を奪おうとしている—————。
世界を崩壊させた後に残っているものは何だろうか?
闇の世界を造り出す為に、世界の心を奪う。
世界の心を守る扉を固く閉ざし、守るものがキーブレードとその使い手。
キーブレードによって倒された—————は、闇に染まった心を解き放つ。
その心は元の持ち主に還るというが、真相は定かではない。
より大きな、世界の心を手に入れる為にはたくさんの—————が必要になる。
その多くは光の世界に還ってしまうから。
……そうか、だからか。
よりリスクの少ない確実な方法が、私というわけだ。
“心を奪うという宿命に縛られない”その意味がやっと理解できた。
アーロンも、きっと私と同じ目的でこの世界に呼ばれたのだろう。
弱い私と違って契約を結ぶことはできなかったようだが…。
私への罰として…(尤も、罰というのは私一人の勝手な思い込みだが…)私の記憶の中から知ったのだろう、彼を私の目の前に呼び出した。
だからあの時、あえて私をあの場に置いた。
…本当に、嫌味な野郎だ。
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16,jul,2015