第5章【その武器の名はキーブレード】
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『43』~契約の力~
アーロンと剣を交えていた最中だった。
突然部屋の扉が開き、そこから見覚えの無い少年が中に飛び込んできた。
その手に不思議な形の武器を握り締めて。
一見、鍵の形にも見えるが、あれは何なのか理解できなかった。
だが、急に体に戦慄が走った。
この感覚は何と表現すればいいのだろう。
恐怖?
憎悪?
忌避?
それとも宿命?
言い知れぬ焦燥感のようなものが沸き上がった。
これが何でどんな意味を持つのかなんてわからない。
それでも、私達にとってその存在は驚異となるもの。
それを排除しなければならないと、強く感じた。
…それは一体なぜ?
アーロンが、姿を消した。
私との戦いを放棄して、逃げを選択した。
彼らしくもない。
あの少年が関係しているのだろうか。
アーロンはあの少年とどんな関係なのだろうか…?
この変態野郎のことをよく知っているようだった。
こいつもきっとそうなのだろう。
「あ゛あ゛あ゛あっっ!! ……うっ! …くっ…」
突然体中に走った激しい痛みと苦しみ。
体に力が入らなくなって、手にしていた小太刀が乾いた音を立てて床に落ちた。
直ぐに苦痛からは解放されたが、自分の体を支える力が入らない。
足をよろめかせながらも、なんとかその場に膝をつくことはこらえた。
「…はぁ、はぁ、はぁ………」
弾んでしまった息を飲み込んで、ゆっくりと顔を上げる。
たった今まで、私がその喉元に剣を突き立てていた変態野郎が一歩後退して私を睨み付ける。
その手に例の人形を持って。
「さて、ラフテル。 どういうつもりなのか説明して貰おうか」
「…それはこちらのセリフだ」
「なに?」
「今の子供は何だ?」
「あー、子供…? ふっ」
私は体勢を戻して床に落ちた武器を腰の鞘に収めた。
細長い指で器用に耳をほじくって、カスを息で吹き払ったその態度は私をバカにしてるとしか思えない。
「それ以前に、なぜここにアーロンがいる!?」
変態野郎は腕を組んで僅かに体を斜に構える。
そのまま冷ややかな目だけを私に向けた。
「あれ、言わなかった? さっきの穴、冥界の牢獄に繋がってんの。 ————である俺が罪人をどうしようと、自由!」
…やはり聞いても無駄か。
こいつからまともな返事が返って来るわけがない。
私が欲しい返答が返るわけはないと知りながら、それでも質問をぶつけてみる。
「それにあの子供が手にしてたあの武器…。 あれは何だ?」
「もしかして、感じた?」
「!?」
何だ、さっきとはまるで違う反応を示した。
最初の2つの質問のときとは打ってかわって、その体を私の方へずいと寄らせてきた。
こいつにとって、あの2人よりもあの不思議な形の武器のほうが重要なんだろうか。
だが、私が感じたおかしなあの感覚の正体と原因を、私も知りたかった。
→
15,jul,2015
アーロンと剣を交えていた最中だった。
突然部屋の扉が開き、そこから見覚えの無い少年が中に飛び込んできた。
その手に不思議な形の武器を握り締めて。
一見、鍵の形にも見えるが、あれは何なのか理解できなかった。
だが、急に体に戦慄が走った。
この感覚は何と表現すればいいのだろう。
恐怖?
憎悪?
忌避?
それとも宿命?
言い知れぬ焦燥感のようなものが沸き上がった。
これが何でどんな意味を持つのかなんてわからない。
それでも、私達にとってその存在は驚異となるもの。
それを排除しなければならないと、強く感じた。
…それは一体なぜ?
アーロンが、姿を消した。
私との戦いを放棄して、逃げを選択した。
彼らしくもない。
あの少年が関係しているのだろうか。
アーロンはあの少年とどんな関係なのだろうか…?
この変態野郎のことをよく知っているようだった。
こいつもきっとそうなのだろう。
「あ゛あ゛あ゛あっっ!! ……うっ! …くっ…」
突然体中に走った激しい痛みと苦しみ。
体に力が入らなくなって、手にしていた小太刀が乾いた音を立てて床に落ちた。
直ぐに苦痛からは解放されたが、自分の体を支える力が入らない。
足をよろめかせながらも、なんとかその場に膝をつくことはこらえた。
「…はぁ、はぁ、はぁ………」
弾んでしまった息を飲み込んで、ゆっくりと顔を上げる。
たった今まで、私がその喉元に剣を突き立てていた変態野郎が一歩後退して私を睨み付ける。
その手に例の人形を持って。
「さて、ラフテル。 どういうつもりなのか説明して貰おうか」
「…それはこちらのセリフだ」
「なに?」
「今の子供は何だ?」
「あー、子供…? ふっ」
私は体勢を戻して床に落ちた武器を腰の鞘に収めた。
細長い指で器用に耳をほじくって、カスを息で吹き払ったその態度は私をバカにしてるとしか思えない。
「それ以前に、なぜここにアーロンがいる!?」
変態野郎は腕を組んで僅かに体を斜に構える。
そのまま冷ややかな目だけを私に向けた。
「あれ、言わなかった? さっきの穴、冥界の牢獄に繋がってんの。 ————である俺が罪人をどうしようと、自由!」
…やはり聞いても無駄か。
こいつからまともな返事が返って来るわけがない。
私が欲しい返答が返るわけはないと知りながら、それでも質問をぶつけてみる。
「それにあの子供が手にしてたあの武器…。 あれは何だ?」
「もしかして、感じた?」
「!?」
何だ、さっきとはまるで違う反応を示した。
最初の2つの質問のときとは打ってかわって、その体を私の方へずいと寄らせてきた。
こいつにとって、あの2人よりもあの不思議な形の武器のほうが重要なんだろうか。
だが、私が感じたおかしなあの感覚の正体と原因を、私も知りたかった。
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15,jul,2015