第4章【再会、だけど…】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『39』~冥界の呪い~
地面に叩きつけられて、体を強打した。
宙を舞った己の体と共に手を離れた私の武器が2本とも、すぐ近くに落ちて地に突き刺さった。
武器同士がぶつかり合うのとも、魔物を斬り裂くのとも違う、嫌な音が耳のすぐ近くで鳴り響いた。
部屋に木霊することもなく、直接自分の耳に入ってきた音は、私をすぐに覚醒させる。
「ひ~っひっひっひっひ、んん~、なかなかやるね」
変態野郎の気持ちの悪い声が聞こえる。
私に与えた罰で、私が苦しむ姿を見て喜んでいるのだろうか。
本当に嫌な奴だ。
意識を飛ばすまではいかない。
すぐに身を起こして再び剣を取らなくては。
「……くっ…」
みしみしと軋むような体に力を込める。
まだ、こんなものはあの時に比べたらどうということはない。
体を起こし、辺りを確認する。
私を吹き飛ばしたアーロンが、剣を肩に担いだ姿勢のままこちらを見ている。
そして、我関せずといった態度を取っていたはずの変態野郎が私達の間に立っていた。
例の気味の悪い笑みを浮かべた表情で。
アーロンも、警戒の色を隠すことなくじっと成り行きを見つめているようだ。
変態野郎が両腕を大きく振り上げる。
空中に何かを描くかのように細く尖った指先を動かしている。
今度は何を始める気なのだ?
その怪しい儀式?が一通り終わったのか、腕を下ろした変態野郎が私のほうに向き直る。
「さ~て、ラフテル。いつまでも遊んでないで早いとこやっちゃって」
「……?」
何も起こらない?
今こいつがやったことは何だったんだ?
何の意味があったんだ?
てっきりまた何か出すのかと思っていたんだが、特に変わったところはないように見える。
だがそれを気にしている場合ではない。
すぐに立ち上がって、傍らに突き刺さったままの2本の小太刀を手に取った。
殺気剥き出しにしたアーロンが変態野郎の向こう側に見えたから。
「はあああっっ!!」
気合いの声と共にアーロンの一撃を受け止める。
またあの重い一撃が体全部にのし掛かる。
…だが。
「……?」
軽い…!?
簡単にはね除けて、こちらから攻撃を繰り出す。
先程までは簡単にかわしていたというのに、今は辛うじて回避しているように見える。
「(…こんなに余裕のないアーロンなんて…)」
私のほうが余裕が出てきてしまって、口元に笑みさえ浮かんできてしまう。
その変化は私だけでなく、当然アーロンも感じているだろう。
繰り出す剣技に動揺が浮かんでいる。
低い掛け声と共に、大きく振りかぶった太刀を受け止めた。
鍔迫り合いをしながら、互いの顔を見つめ合う。
「………」
「………」
→
11,jul,2015
地面に叩きつけられて、体を強打した。
宙を舞った己の体と共に手を離れた私の武器が2本とも、すぐ近くに落ちて地に突き刺さった。
武器同士がぶつかり合うのとも、魔物を斬り裂くのとも違う、嫌な音が耳のすぐ近くで鳴り響いた。
部屋に木霊することもなく、直接自分の耳に入ってきた音は、私をすぐに覚醒させる。
「ひ~っひっひっひっひ、んん~、なかなかやるね」
変態野郎の気持ちの悪い声が聞こえる。
私に与えた罰で、私が苦しむ姿を見て喜んでいるのだろうか。
本当に嫌な奴だ。
意識を飛ばすまではいかない。
すぐに身を起こして再び剣を取らなくては。
「……くっ…」
みしみしと軋むような体に力を込める。
まだ、こんなものはあの時に比べたらどうということはない。
体を起こし、辺りを確認する。
私を吹き飛ばしたアーロンが、剣を肩に担いだ姿勢のままこちらを見ている。
そして、我関せずといった態度を取っていたはずの変態野郎が私達の間に立っていた。
例の気味の悪い笑みを浮かべた表情で。
アーロンも、警戒の色を隠すことなくじっと成り行きを見つめているようだ。
変態野郎が両腕を大きく振り上げる。
空中に何かを描くかのように細く尖った指先を動かしている。
今度は何を始める気なのだ?
その怪しい儀式?が一通り終わったのか、腕を下ろした変態野郎が私のほうに向き直る。
「さ~て、ラフテル。いつまでも遊んでないで早いとこやっちゃって」
「……?」
何も起こらない?
今こいつがやったことは何だったんだ?
何の意味があったんだ?
てっきりまた何か出すのかと思っていたんだが、特に変わったところはないように見える。
だがそれを気にしている場合ではない。
すぐに立ち上がって、傍らに突き刺さったままの2本の小太刀を手に取った。
殺気剥き出しにしたアーロンが変態野郎の向こう側に見えたから。
「はあああっっ!!」
気合いの声と共にアーロンの一撃を受け止める。
またあの重い一撃が体全部にのし掛かる。
…だが。
「……?」
軽い…!?
簡単にはね除けて、こちらから攻撃を繰り出す。
先程までは簡単にかわしていたというのに、今は辛うじて回避しているように見える。
「(…こんなに余裕のないアーロンなんて…)」
私のほうが余裕が出てきてしまって、口元に笑みさえ浮かんできてしまう。
その変化は私だけでなく、当然アーロンも感じているだろう。
繰り出す剣技に動揺が浮かんでいる。
低い掛け声と共に、大きく振りかぶった太刀を受け止めた。
鍔迫り合いをしながら、互いの顔を見つめ合う。
「………」
「………」
→
11,jul,2015