第4章【再会、だけど…】
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『34』~再会~
「へ~っへっへっへっへっへっ! さて罪人、さっそく契約といこうか」
変態野郎があの不気味な笑い声と共に、アーロンの顔を吟味するかのように下から不気味に見つめ上げる。
あぁ、どうしてこいつの笑い声はこうも気持ち悪いんだ。
もう笑うな。
喋るな。
いや、いっそのこと消えてくれ。
もう、さっさと解放されたい。
「報酬は牢獄からの解放。 つまりお前は自由の身だ。 仕事はと~っても簡単!
コロシアムの試合で英雄—————を倒すんだ」
あの変態野郎、アーロンにまでこんな契約を結ばせるつもりなのか。
まったく、どうしようもないな。
どうして自分でやろうとしないんだ。
そんなにゲームにしたいんだったら尚更自分でやるべきだろうに。
今すぐこの変態野郎の頭に魔法を叩き落としてやりたくなった。
「…これは俺の物語だ。お前の出番など無い」
「!!」
「俺をコケにするのか。俺は—————だぞ!!」
思わず踏み出しそうになった足をそこで踏み留めた。
…アーロンらしいな。
体勢を元に戻して、深い嘆息を溢す。
口端が僅かに持ち上がったのが自分でもわかった。
何も心配することなんてなかった。
「なるほど、死者が嘆く理由がわかる」
「お前はクビだ~~~!!」
アーロンがすばやく後方に飛んで太刀を構えた。
変態野郎も、普段からは想像もつかないような覇気を剥き出しにして身構える。
いきなりこんな展開になるなんて!
アーロンの強さはよくわかっていても、この変態野郎は普段が普段なだけに、強いのかどうかもわからない。
変わった術?を使うのは知っている、というか、それしか知らない。
アーロンが躊躇いもなく太刀の一振りを浴びせる。
重いその一撃は魔物を一刀両断にしてしまう。
これで変態野郎も…、と思った私が愚かだった。
この私の力を封じ、姑息とはいえ私を下僕として側近くに控えさせている奴なのだ。
アーロンの横凪ぎの一撃を片手の掌だけで軽く受け止めてしまう。
「ま~ったく、誰が牢獄から救い上げてやったと思ってるんだ!」
「…頼んではいない」
「ラフテル!こいつを殺せ!」
「!!」
変態野郎が口にした名前に、アーロンは驚愕と動揺を浮かべて太刀を引いた。
驚いたのはこちらも同じだ。
まさかこちらにお鉢が回ってくるとは思ってもいなかった。
アーロンが再び一歩下がった。
だが、太刀を構えることもせず、ダラリと下げた手で柄を握っていた。
「…その名前…」
「んん~、なんだ知っているのか? そうか、共に牢獄から来た者。 罪人同士だからな~。 ん~ふふふん、じゃ、罪人同士 戦って貰うとしようか!
…ラフテル!来い! さぁ、こいつを殺せ!」
「…殺すことなんてできるわけないだろ。 なんせ、もう死んでる」
「ラフテル!!」
変態野郎の背後に近づくようにゆっくりと歩を進める。
私と違って、いつまでも驚愕の顔を浮かべていることはない。
魔物と、敵と対峙した時のような厳しい眼差しを私に向けている。
私は彼から目を離すことなく変態野郎の隣に立った。
「ラフテル、ここに、いたのか…」
「? 私を探していたのか?」
「なぜ、こんなところにいる?」
「そんなのこっちが知りたい」
→
6,jul,2015
「へ~っへっへっへっへっへっ! さて罪人、さっそく契約といこうか」
変態野郎があの不気味な笑い声と共に、アーロンの顔を吟味するかのように下から不気味に見つめ上げる。
あぁ、どうしてこいつの笑い声はこうも気持ち悪いんだ。
もう笑うな。
喋るな。
いや、いっそのこと消えてくれ。
もう、さっさと解放されたい。
「報酬は牢獄からの解放。 つまりお前は自由の身だ。 仕事はと~っても簡単!
コロシアムの試合で英雄—————を倒すんだ」
あの変態野郎、アーロンにまでこんな契約を結ばせるつもりなのか。
まったく、どうしようもないな。
どうして自分でやろうとしないんだ。
そんなにゲームにしたいんだったら尚更自分でやるべきだろうに。
今すぐこの変態野郎の頭に魔法を叩き落としてやりたくなった。
「…これは俺の物語だ。お前の出番など無い」
「!!」
「俺をコケにするのか。俺は—————だぞ!!」
思わず踏み出しそうになった足をそこで踏み留めた。
…アーロンらしいな。
体勢を元に戻して、深い嘆息を溢す。
口端が僅かに持ち上がったのが自分でもわかった。
何も心配することなんてなかった。
「なるほど、死者が嘆く理由がわかる」
「お前はクビだ~~~!!」
アーロンがすばやく後方に飛んで太刀を構えた。
変態野郎も、普段からは想像もつかないような覇気を剥き出しにして身構える。
いきなりこんな展開になるなんて!
アーロンの強さはよくわかっていても、この変態野郎は普段が普段なだけに、強いのかどうかもわからない。
変わった術?を使うのは知っている、というか、それしか知らない。
アーロンが躊躇いもなく太刀の一振りを浴びせる。
重いその一撃は魔物を一刀両断にしてしまう。
これで変態野郎も…、と思った私が愚かだった。
この私の力を封じ、姑息とはいえ私を下僕として側近くに控えさせている奴なのだ。
アーロンの横凪ぎの一撃を片手の掌だけで軽く受け止めてしまう。
「ま~ったく、誰が牢獄から救い上げてやったと思ってるんだ!」
「…頼んではいない」
「ラフテル!こいつを殺せ!」
「!!」
変態野郎が口にした名前に、アーロンは驚愕と動揺を浮かべて太刀を引いた。
驚いたのはこちらも同じだ。
まさかこちらにお鉢が回ってくるとは思ってもいなかった。
アーロンが再び一歩下がった。
だが、太刀を構えることもせず、ダラリと下げた手で柄を握っていた。
「…その名前…」
「んん~、なんだ知っているのか? そうか、共に牢獄から来た者。 罪人同士だからな~。 ん~ふふふん、じゃ、罪人同士 戦って貰うとしようか!
…ラフテル!来い! さぁ、こいつを殺せ!」
「…殺すことなんてできるわけないだろ。 なんせ、もう死んでる」
「ラフテル!!」
変態野郎の背後に近づくようにゆっくりと歩を進める。
私と違って、いつまでも驚愕の顔を浮かべていることはない。
魔物と、敵と対峙した時のような厳しい眼差しを私に向けている。
私は彼から目を離すことなく変態野郎の隣に立った。
「ラフテル、ここに、いたのか…」
「? 私を探していたのか?」
「なぜ、こんなところにいる?」
「そんなのこっちが知りたい」
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6,jul,2015