第1章【何が起きたのか理解不能】
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唯一の出入り口であろう扉の傍らに背を預けて、外の気配に神経を張り巡らせる。
丁度タイミングがよかったのか、誰かが近づいてくるようだ。
同時に耳に届く足音。2人だ。
何か言葉を発しているようだが、時折下卑た笑い声も混じるところから碌な会話はしていないだろうと推察した。
部屋の前で足音は止まり、鍵を開ける音が耳を澄ます必要もなく部屋の中に響く。
「………」
じっと息を潜めて、開いたドアから部屋の中に入り込んできた人物の動きを見つめた。
ベベルの僧兵の姿をした男が、私が寝ていた寝台に近づいていく。
そこに私の姿がないことに気付いたのだろう、突然踵を返してもう一人を呼ぶべく声を出そうとした。
「…っっ!!!」
振り返ったその瞬間、背後に立った私は男の首に手刀を落とした。
倒れこむ瞬間、奇妙な声を発した男に小さく舌打ちをしながら、音を立てないように支える。
すぐに、もう一人の男が部屋に入ってきた。
私の背後に銃を構えながらも近づいてくる。
ある程度の距離まで近づいてくるのを見越して、背後への回し蹴りを1撃。
声を上げることもなく壁まで吹き飛んだ男は、そこにあった花瓶やら机やらを巻き込んでくれた。
結構な派手な音がした。
私はまた舌打ちをひとつ。
すばやく男の服を剥いで身に着ける。銃は寝台の下に隠し、彼らが腰に下げていた量産型の細身の剣を手にする。
「何があった?」
「こっちだ!早くしろ!」
部屋の外から男たちの声と足音が近づいてきた。
再び開いたままの扉の側の壁に背を預けて息を潜めた。
先程と同じような格好の男が2人、あわてた様子で部屋に入ってくる。
その瞬間、私は部屋を飛び出した。
廊下の右側から、また男たちがこちらに走ってくる。
考える間もなく、左の廊下へ。
窓の外の景色から、ここはベベル寺院の西館らしい。
ということは、この先にもう一つ昇降台があるはず。
「おいっ!!」
「待て!!」
後ろから男たちの声だけが私に追いついてくる。
先程部屋に入った2人の男たちも合流したようだ。
1度後ろを振り返って確認した後は、ひたすら走った。
ふいに前方の部屋の扉が開く。
「おい、何の騒……っっ!!」
「『サンダラ!』」
「ぐわぁっ!!」
咄嗟のことで思わず魔法を使ってしまったが、大丈夫だっただろうか…
心の中で小さく謝罪の言葉だけを呟いて、未だにピリピリと青白い放電を繰り返す男を飛び越えた。
ついでとばかりに、振り向きざまに天井に向かって魔法を1発。
無駄にでかい悪趣味なシャンデリアが派手な音を立てて崩れ落ちた。
更に廊下を進んでいく。
目の前には観音開きの扉。
この扉を抜ければ、昇降台はすぐそこだ。
扉の取っ手に手をかけるが、鍵が閉められていて開かない。
扉の取っ手同士を鎖で結んだ簡易な鍵だったが、それでも時間を取られることに苛ついた。
手にしていた剣を鎖の間に差し込んで、梃子の原理を使い、力任せにこじ開ける。
すばやく身を潜し、後ろを振り返って扉を閉めようとして、こちらに走ってくる数人の僧兵の姿を確認した。
「くっ!!」
焦りを覚えつつも、両手で扉を閉じる。
取っ手に剣を通すと、魔法で剣身を溶かしておいた。
これで少しは時間を稼ぐことができるだろう。
再び進行方向に向き直り、この先の角を曲がったところにある昇降台まではあと少し。
→
4,jun,2015
唯一の出入り口であろう扉の傍らに背を預けて、外の気配に神経を張り巡らせる。
丁度タイミングがよかったのか、誰かが近づいてくるようだ。
同時に耳に届く足音。2人だ。
何か言葉を発しているようだが、時折下卑た笑い声も混じるところから碌な会話はしていないだろうと推察した。
部屋の前で足音は止まり、鍵を開ける音が耳を澄ます必要もなく部屋の中に響く。
「………」
じっと息を潜めて、開いたドアから部屋の中に入り込んできた人物の動きを見つめた。
ベベルの僧兵の姿をした男が、私が寝ていた寝台に近づいていく。
そこに私の姿がないことに気付いたのだろう、突然踵を返してもう一人を呼ぶべく声を出そうとした。
「…っっ!!!」
振り返ったその瞬間、背後に立った私は男の首に手刀を落とした。
倒れこむ瞬間、奇妙な声を発した男に小さく舌打ちをしながら、音を立てないように支える。
すぐに、もう一人の男が部屋に入ってきた。
私の背後に銃を構えながらも近づいてくる。
ある程度の距離まで近づいてくるのを見越して、背後への回し蹴りを1撃。
声を上げることもなく壁まで吹き飛んだ男は、そこにあった花瓶やら机やらを巻き込んでくれた。
結構な派手な音がした。
私はまた舌打ちをひとつ。
すばやく男の服を剥いで身に着ける。銃は寝台の下に隠し、彼らが腰に下げていた量産型の細身の剣を手にする。
「何があった?」
「こっちだ!早くしろ!」
部屋の外から男たちの声と足音が近づいてきた。
再び開いたままの扉の側の壁に背を預けて息を潜めた。
先程と同じような格好の男が2人、あわてた様子で部屋に入ってくる。
その瞬間、私は部屋を飛び出した。
廊下の右側から、また男たちがこちらに走ってくる。
考える間もなく、左の廊下へ。
窓の外の景色から、ここはベベル寺院の西館らしい。
ということは、この先にもう一つ昇降台があるはず。
「おいっ!!」
「待て!!」
後ろから男たちの声だけが私に追いついてくる。
先程部屋に入った2人の男たちも合流したようだ。
1度後ろを振り返って確認した後は、ひたすら走った。
ふいに前方の部屋の扉が開く。
「おい、何の騒……っっ!!」
「『サンダラ!』」
「ぐわぁっ!!」
咄嗟のことで思わず魔法を使ってしまったが、大丈夫だっただろうか…
心の中で小さく謝罪の言葉だけを呟いて、未だにピリピリと青白い放電を繰り返す男を飛び越えた。
ついでとばかりに、振り向きざまに天井に向かって魔法を1発。
無駄にでかい悪趣味なシャンデリアが派手な音を立てて崩れ落ちた。
更に廊下を進んでいく。
目の前には観音開きの扉。
この扉を抜ければ、昇降台はすぐそこだ。
扉の取っ手に手をかけるが、鍵が閉められていて開かない。
扉の取っ手同士を鎖で結んだ簡易な鍵だったが、それでも時間を取られることに苛ついた。
手にしていた剣を鎖の間に差し込んで、梃子の原理を使い、力任せにこじ開ける。
すばやく身を潜し、後ろを振り返って扉を閉めようとして、こちらに走ってくる数人の僧兵の姿を確認した。
「くっ!!」
焦りを覚えつつも、両手で扉を閉じる。
取っ手に剣を通すと、魔法で剣身を溶かしておいた。
これで少しは時間を稼ぐことができるだろう。
再び進行方向に向き直り、この先の角を曲がったところにある昇降台まではあと少し。
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4,jun,2015