第2章【別世界へトリップ】
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『15』~私の魂の半分~
「…ふう」
最後の最後に吐き出した溜め息で、ようやく荒れた気が抜けたようだ。
ピクリとも動かなくなった丸い変な奴の腹に腰掛けて、改めて私に襲い掛かってきた愚か者達を見つめる。
これ、何だ?
魔物かとも思ったがどこか違うようだし、…人間、ではないな、明らかに。
動物、でもないな。
こんな爪や牙で襲うにしても、ヒトのように手足がある動物がいて堪るか。
一番気になったのは、こいつらにも私の首元にあるような黒いマークがあること。
場所や大きさは個体によってバラバラだが、皆一様に同じ印がついている。
こいつは一体何を表しているのかさっぱりわからん。
ただ歩いていただけだというのに、突然地面から沸き上がった黒い靄の中から現れて襲われた。
…まあ、結果はこの通りだけど。
今、苛ついている私の前に立ち塞がるなんてバカな奴等だ。
この変な生き物?化け物?みたいなのは、すぐにまた黒い靄に包まれて地面の中に消えていった。
私が腰掛けていた丸い奴も例外ではなく、私は突然失ったバランスを取り戻す間もなく無様に尻餅をついてしまった。
到底、女性が出さないであろう、恥じらいも控え目も感じられないおかしな声を上げて床に尻をつけ、その瞬間をすぐ側にいた人物に見られたような気がしてはっと顔を上げた。
『…フッ』
なんて、意地の悪そうな薄い笑みで私の失敗を笑う人物。
勿論、そこには私以外の誰がいるわけでもないのだが、なぜかそんな気がしていた。
……ただの気のせいだ、うん。
あの変態野郎のせいでおかしな幻想が浮かんだんだ。
変態野郎の部屋から黒い靄の扉を開いて、部屋の外へ出たところで、体をぎゅっと抱え込まれるような感覚がしたと思ったら変態野郎の部屋に戻ってた。
別の所へ行っても、しばらくするとまた体を抱え込まれる感覚がして、また奴の部屋に。
さっき行ったコロシアムに行っても、結果は同じ。
私はこいつから逃げられない。
どこに行ってもすぐに居場所はバレるようだ。
これにはかなり頭にきた。
私にはプライベートな時間もないのか。
あいつのあの気持ち悪い変態笑いで、私はますます怒りが込み上げた。
ユウナ風に言うなら、「ムカつく!」
あまりに頭にきたので、奴の燃えてる頭を冷やしてやろうと、頭上に魔法を一発。
『ブリザガ!』
変態野郎はものっ凄い驚いたようで、体を震わせて(ホントにガタガタと)有り得ないようなおかしな悲鳴を上げた。
ついでになぜ私の居場所がわかったのか聞いてみた。
信じられないことにあいつは魔法の効力がきれるや、また変態笑いをして私に見せびらかすようにあの小さな人形を取り出した。
だからどこからどうやって取り出したんだ?
前のようにボフンなんて効果音付きで突然奴の掌に現れた人形はやっぱり私と同じ姿をしていて、気持ちのいいものじゃない。
奴が手にしている人形。
それはまさしく私の半身だそうで。
私をこの世界へ呼び出したときに(どうやったのかわからないが)2つに分けた、らしい。
私は何度かこの世界に足を踏み入れていたらしい。
…まぁ、身に覚えは無いとは言えないが。
当然、突然異世界から迷い込んだ私の存在をいち早く勘付いた奴が、私に興味を持った。
魂が半分しかない、おかしな元人間。
そんな奴がこの闇の世界の————とか言ってる変態野郎に捕まり、長らく別れていた自分の半分の魂が戻って安心して気が緩んでた隙に、またその半分を奪われた、と。
なんとも間の抜けた話だ……
自分で自分自身がアホらしく思えてくる。
だが、そんな訳で奴は私がどこにいようとすぐに分かってしまうらしい。
しかも人形と私自身の肉体は連動しているので、私が衣装を変えれば人形も変わる。
人形に苦痛を与えれば私にも苦痛が伝わる、ということだそうだ。
…考えれば考えるほど悔しいが、こうなってしまったのは私自身に責任があるわけだし、誰を恨むこともできない。
せいぜい、この変態野郎を罵ってみるしかない。
さらに契約なんてうっかり結んでしまったからには、私は元の世界にいつ帰れるのかさえままならない。
さっさと、例の—————とか言う奴を倒してしまいたいとも思った。
しかし、この変態野郎に異様にムカついて頭に魔法を落としてからここら辺をうろうろしているが、この世界でもおかしな生物は蔓延しているようで、戦いに休みは無い。
これまで見たことも無い魔物?のような変な生き物?は、予想が付かない攻撃をしてきたり様々な技を持っていたりで、密かにこの戦闘を楽しんでいたりする。
—————とかいう奴は、一体どれほど強いのだろうか?
先程コロシアムでその姿は見たが、実際に戦っているところを見たわけではない。
まずはここら辺のおかしな生物で自分の力がどの程度通じるものなのか把握したいし、—————という奴はどんな技を持っていてどれだけの力や能力があるのかも知りたい。
戦うのはそれからでもいいだろう。
あの変態野郎の言いなりになるのは癪だが、早いうちに契約を完了させてとっとと人形を取り返して元の世界に帰ることにしよう。
→
17,jun,2015
「…ふう」
最後の最後に吐き出した溜め息で、ようやく荒れた気が抜けたようだ。
ピクリとも動かなくなった丸い変な奴の腹に腰掛けて、改めて私に襲い掛かってきた愚か者達を見つめる。
これ、何だ?
魔物かとも思ったがどこか違うようだし、…人間、ではないな、明らかに。
動物、でもないな。
こんな爪や牙で襲うにしても、ヒトのように手足がある動物がいて堪るか。
一番気になったのは、こいつらにも私の首元にあるような黒いマークがあること。
場所や大きさは個体によってバラバラだが、皆一様に同じ印がついている。
こいつは一体何を表しているのかさっぱりわからん。
ただ歩いていただけだというのに、突然地面から沸き上がった黒い靄の中から現れて襲われた。
…まあ、結果はこの通りだけど。
今、苛ついている私の前に立ち塞がるなんてバカな奴等だ。
この変な生き物?化け物?みたいなのは、すぐにまた黒い靄に包まれて地面の中に消えていった。
私が腰掛けていた丸い奴も例外ではなく、私は突然失ったバランスを取り戻す間もなく無様に尻餅をついてしまった。
到底、女性が出さないであろう、恥じらいも控え目も感じられないおかしな声を上げて床に尻をつけ、その瞬間をすぐ側にいた人物に見られたような気がしてはっと顔を上げた。
『…フッ』
なんて、意地の悪そうな薄い笑みで私の失敗を笑う人物。
勿論、そこには私以外の誰がいるわけでもないのだが、なぜかそんな気がしていた。
……ただの気のせいだ、うん。
あの変態野郎のせいでおかしな幻想が浮かんだんだ。
変態野郎の部屋から黒い靄の扉を開いて、部屋の外へ出たところで、体をぎゅっと抱え込まれるような感覚がしたと思ったら変態野郎の部屋に戻ってた。
別の所へ行っても、しばらくするとまた体を抱え込まれる感覚がして、また奴の部屋に。
さっき行ったコロシアムに行っても、結果は同じ。
私はこいつから逃げられない。
どこに行ってもすぐに居場所はバレるようだ。
これにはかなり頭にきた。
私にはプライベートな時間もないのか。
あいつのあの気持ち悪い変態笑いで、私はますます怒りが込み上げた。
ユウナ風に言うなら、「ムカつく!」
あまりに頭にきたので、奴の燃えてる頭を冷やしてやろうと、頭上に魔法を一発。
『ブリザガ!』
変態野郎はものっ凄い驚いたようで、体を震わせて(ホントにガタガタと)有り得ないようなおかしな悲鳴を上げた。
ついでになぜ私の居場所がわかったのか聞いてみた。
信じられないことにあいつは魔法の効力がきれるや、また変態笑いをして私に見せびらかすようにあの小さな人形を取り出した。
だからどこからどうやって取り出したんだ?
前のようにボフンなんて効果音付きで突然奴の掌に現れた人形はやっぱり私と同じ姿をしていて、気持ちのいいものじゃない。
奴が手にしている人形。
それはまさしく私の半身だそうで。
私をこの世界へ呼び出したときに(どうやったのかわからないが)2つに分けた、らしい。
私は何度かこの世界に足を踏み入れていたらしい。
…まぁ、身に覚えは無いとは言えないが。
当然、突然異世界から迷い込んだ私の存在をいち早く勘付いた奴が、私に興味を持った。
魂が半分しかない、おかしな元人間。
そんな奴がこの闇の世界の————とか言ってる変態野郎に捕まり、長らく別れていた自分の半分の魂が戻って安心して気が緩んでた隙に、またその半分を奪われた、と。
なんとも間の抜けた話だ……
自分で自分自身がアホらしく思えてくる。
だが、そんな訳で奴は私がどこにいようとすぐに分かってしまうらしい。
しかも人形と私自身の肉体は連動しているので、私が衣装を変えれば人形も変わる。
人形に苦痛を与えれば私にも苦痛が伝わる、ということだそうだ。
…考えれば考えるほど悔しいが、こうなってしまったのは私自身に責任があるわけだし、誰を恨むこともできない。
せいぜい、この変態野郎を罵ってみるしかない。
さらに契約なんてうっかり結んでしまったからには、私は元の世界にいつ帰れるのかさえままならない。
さっさと、例の—————とか言う奴を倒してしまいたいとも思った。
しかし、この変態野郎に異様にムカついて頭に魔法を落としてからここら辺をうろうろしているが、この世界でもおかしな生物は蔓延しているようで、戦いに休みは無い。
これまで見たことも無い魔物?のような変な生き物?は、予想が付かない攻撃をしてきたり様々な技を持っていたりで、密かにこの戦闘を楽しんでいたりする。
—————とかいう奴は、一体どれほど強いのだろうか?
先程コロシアムでその姿は見たが、実際に戦っているところを見たわけではない。
まずはここら辺のおかしな生物で自分の力がどの程度通じるものなのか把握したいし、—————という奴はどんな技を持っていてどれだけの力や能力があるのかも知りたい。
戦うのはそれからでもいいだろう。
あの変態野郎の言いなりになるのは癪だが、早いうちに契約を完了させてとっとと人形を取り返して元の世界に帰ることにしよう。
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17,jun,2015