第2章【別世界へトリップ】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『12』~結んでしまった契約~
「まずぅ、単刀直入に言うとお前は—————だ。この私が作り出した、最強の—————!!」
・・・・・・・・は?
なんと言った、コイツ今?
なんか、聞きなれないというか初めて耳にする単語を言ったような?
—————…?
「その証拠に、……ほうら!」
何の前触れも無く、突然男は何も無い空間からこれまた禍々しい装飾の施された手鏡を煙と共にどっかから出した。
ボフンなんて、有り得ない効果音付きで、まさに出したのだ。
ビクリと僅かに肩が震えてしまった自分の動きに自分で平静を装ってみる。
男が私にそれを向けてきたので、私は素直にその鏡の中に写る自分の姿を見た。
「…!?」
寝て起きたばかりの酷い顔の私が、長い髪を纏めることも無くそこに写っていたのだが、そこで私はもっと驚いた。
喉の下、首の付け根の窪んだ部分に何かの印があるのを見つけた。
赤い縁取りのされた、黒いマークのような模様。
…刺青?
こんなところに?
指でその部分をなぞりながら、うわぁ、こんな刺青いやだなぁなんて思っていた。
私がソレを確認したのを悟ったのか、また鏡はボフンという有り得ない効果音と煙を上げて手の中から消えてしまった。
「ん~フフ、ここがどこだか、知りたいって顔してる」
「…当然だ」
「お、やっと口聞いてくれる気になった?」
人をどこか小馬鹿にしたような態度も表情も仕草も言葉も、気に入らない。
私はこいつを知りもしないのに、こいつは私を知っている。
それだけでも癪に障るというのに、いちいち取る言動が一層気味の悪さを増長させる。
「ここは!」
突然、天に向かって両手を振り上げ、大声を出した。
本当に突然のことで、私はビクリと肩を揺らした。
と思ったら今度はその顔を私に近付け、内緒話でもするかのように耳元でひそひそと言葉を紡ぐ。
「君たちがいた」
何をしたいのか、また身を離して両手を振り上げた。
「異界とは似て非なる世界!」
「!!」
「そして俺はこの世界の———!! お前はこの—————が自ら作り出した—————!
お前の役目はと~っても簡単? —————を倒すだけ~! …理解できた?」
最後の言葉はまた私に顔を近付けて囁いた。
…役目? 倒す? —————とかいう奴を?
…何を言ってんだ、こいつは。
いきなり訳のわからないことばかり口にして、肝心なことは何1つわからない。
…さて困った。
話の通じないタイプの奴のようだ。
こういう奴は無視するに限る。
関わるとろくなことにならない。
自分の力で何とかここを出る方法を探すことにしよう。
未だに言い終えたままの姿勢を保ったまま、私の動きを目だけで追っていたこの変な男の横を通り抜けた。
付き合ってられん!
さっき、この変な奴がここを開けて入ってきたので、私もここから出ようと思ったのだ。
………どうやって開けるんだ?
ノブも取手もない。
扉の前でしばし思案していると、背後から奴がニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべているであろう姿が見えてくるほどの気配を感じた。
「あらら、出られるとか、思ってるわけじゃあ、ないよね~」
「………」
ホントにいちいち気に障る変態野郎だな、おい。
それでも仕方なく後ろを振り向いた。
相変わらず気味の悪いムカつく顔をした変態野郎が、手に小さな人形を持っていたのに気が付いた。
「さて、契約といこうか」
人形は、今の私と同じような白い服を着た長い髪の小さなものだった。
変態男はやっぱり変態なんだな。
人形遊びが趣味なのか。
……だが、その人形が私と同じ姿をしているってのが気に食わない。
「お前をここから解放してやろう。自由の身にしてやる」
「………」
「その代わり~! —————を倒せ」
「!!」
また出た、その名前。
それが誰なのかもわからないままで、いきなり倒せとか言われてもできるわけがない。
「その—————とかいうやつは、何をしたんだ」
「ん~ へっへっへっへ~ んん~、いいね~ 会話ができるって」
あーもう、気色悪いったらない。
本当に、—————とかいうやつよりも、まずこいつを倒したい。
それに、妙に気になる。
奴の手に乗ったあの小さな人形が。
「奴のことなんざ、話したくないね。とにかく、お前は俺の僕。俺の—————なんだからな」
「………契約を交わした覚えはない」
「ん~~? そ~んなこと言っていいのかな~~?」
そう言って、また下卑た笑いを上げる。
それと同時に、奴の掌に乗せられた人形にパチパチと青白い火花が纏わり付いた。
その瞬間だった!
体中を雷でも走ったかのような激しい痛みに襲われた。
「ぐっ! ……あ、あぁ……、う、あ…、ぐっ!!」
酷い苦痛に耐え切れなくて、思わず自分の両腕を抱え込むようにして身を捩った。
その痛みから解放された瞬間、目の前の変態男がそれまでの倍以上ももっと厭らしい顔をして私を見つめていた。
今のは、こいつがやった、のか?
「いい声で啼くじゃないか~」
「…だ、黙れ!」
「で? もっとやって欲しい? それともここから解放されたい?」
「………」
「ん~?」
「……わかった」
「契約成立~~!!!」
→
14,jun,2015
「まずぅ、単刀直入に言うとお前は—————だ。この私が作り出した、最強の—————!!」
・・・・・・・・は?
なんと言った、コイツ今?
なんか、聞きなれないというか初めて耳にする単語を言ったような?
—————…?
「その証拠に、……ほうら!」
何の前触れも無く、突然男は何も無い空間からこれまた禍々しい装飾の施された手鏡を煙と共にどっかから出した。
ボフンなんて、有り得ない効果音付きで、まさに出したのだ。
ビクリと僅かに肩が震えてしまった自分の動きに自分で平静を装ってみる。
男が私にそれを向けてきたので、私は素直にその鏡の中に写る自分の姿を見た。
「…!?」
寝て起きたばかりの酷い顔の私が、長い髪を纏めることも無くそこに写っていたのだが、そこで私はもっと驚いた。
喉の下、首の付け根の窪んだ部分に何かの印があるのを見つけた。
赤い縁取りのされた、黒いマークのような模様。
…刺青?
こんなところに?
指でその部分をなぞりながら、うわぁ、こんな刺青いやだなぁなんて思っていた。
私がソレを確認したのを悟ったのか、また鏡はボフンという有り得ない効果音と煙を上げて手の中から消えてしまった。
「ん~フフ、ここがどこだか、知りたいって顔してる」
「…当然だ」
「お、やっと口聞いてくれる気になった?」
人をどこか小馬鹿にしたような態度も表情も仕草も言葉も、気に入らない。
私はこいつを知りもしないのに、こいつは私を知っている。
それだけでも癪に障るというのに、いちいち取る言動が一層気味の悪さを増長させる。
「ここは!」
突然、天に向かって両手を振り上げ、大声を出した。
本当に突然のことで、私はビクリと肩を揺らした。
と思ったら今度はその顔を私に近付け、内緒話でもするかのように耳元でひそひそと言葉を紡ぐ。
「君たちがいた」
何をしたいのか、また身を離して両手を振り上げた。
「異界とは似て非なる世界!」
「!!」
「そして俺はこの世界の———!! お前はこの—————が自ら作り出した—————!
お前の役目はと~っても簡単? —————を倒すだけ~! …理解できた?」
最後の言葉はまた私に顔を近付けて囁いた。
…役目? 倒す? —————とかいう奴を?
…何を言ってんだ、こいつは。
いきなり訳のわからないことばかり口にして、肝心なことは何1つわからない。
…さて困った。
話の通じないタイプの奴のようだ。
こういう奴は無視するに限る。
関わるとろくなことにならない。
自分の力で何とかここを出る方法を探すことにしよう。
未だに言い終えたままの姿勢を保ったまま、私の動きを目だけで追っていたこの変な男の横を通り抜けた。
付き合ってられん!
さっき、この変な奴がここを開けて入ってきたので、私もここから出ようと思ったのだ。
………どうやって開けるんだ?
ノブも取手もない。
扉の前でしばし思案していると、背後から奴がニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべているであろう姿が見えてくるほどの気配を感じた。
「あらら、出られるとか、思ってるわけじゃあ、ないよね~」
「………」
ホントにいちいち気に障る変態野郎だな、おい。
それでも仕方なく後ろを振り向いた。
相変わらず気味の悪いムカつく顔をした変態野郎が、手に小さな人形を持っていたのに気が付いた。
「さて、契約といこうか」
人形は、今の私と同じような白い服を着た長い髪の小さなものだった。
変態男はやっぱり変態なんだな。
人形遊びが趣味なのか。
……だが、その人形が私と同じ姿をしているってのが気に食わない。
「お前をここから解放してやろう。自由の身にしてやる」
「………」
「その代わり~! —————を倒せ」
「!!」
また出た、その名前。
それが誰なのかもわからないままで、いきなり倒せとか言われてもできるわけがない。
「その—————とかいうやつは、何をしたんだ」
「ん~ へっへっへっへ~ んん~、いいね~ 会話ができるって」
あーもう、気色悪いったらない。
本当に、—————とかいうやつよりも、まずこいつを倒したい。
それに、妙に気になる。
奴の手に乗ったあの小さな人形が。
「奴のことなんざ、話したくないね。とにかく、お前は俺の僕。俺の—————なんだからな」
「………契約を交わした覚えはない」
「ん~~? そ~んなこと言っていいのかな~~?」
そう言って、また下卑た笑いを上げる。
それと同時に、奴の掌に乗せられた人形にパチパチと青白い火花が纏わり付いた。
その瞬間だった!
体中を雷でも走ったかのような激しい痛みに襲われた。
「ぐっ! ……あ、あぁ……、う、あ…、ぐっ!!」
酷い苦痛に耐え切れなくて、思わず自分の両腕を抱え込むようにして身を捩った。
その痛みから解放された瞬間、目の前の変態男がそれまでの倍以上ももっと厭らしい顔をして私を見つめていた。
今のは、こいつがやった、のか?
「いい声で啼くじゃないか~」
「…だ、黙れ!」
「で? もっとやって欲しい? それともここから解放されたい?」
「………」
「ん~?」
「……わかった」
「契約成立~~!!!」
→
14,jun,2015