第12章【全ての物語の結末】
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= 115 =
ユウナが甲板の中央に進み出る。
そこで深々と頭を下げた。
「アーロンさん、ラフテルさん、 今日まで、ありがとうございました」
「ユウナ、それにみんな、みんなが作るこれからのスピラの姿、楽しみにしてるよ。 私のほうこそ、ありがとう。 世界を救った大召喚士に送ってもらえるなんて、幸せ者だ」
ユウナが静かに舞い始める。
あの時と同じように。
体が温かくなってくるのを感じる。
体から零れ落ちる小さな幻光虫の光が、1つ、また1つと数を増していく。
「ラフテル~、おっちゃんと、仲良くね~! また、いつか会おうね~~~っ!!」
舞い続けるユウナの向こうから、リュックの明るい声が響いた。
最後まで賑やか担当だった彼女のお陰で、ユウナも私もどれだけ救われたか、彼女自身にはわかっていないだろう。
ユウナが舞い、その度に目元にキラリと小さな滴が飛び散っていた。
それでもユウナは舞い続けている。
もう二度と、舞うことはないかもしれない、最後の、異界送り。
あの時は、アーロンが私を導いてくれた。
今度は、私がアーロンを連れていく。
真っ青に広がった大空に近付いていくほど、体は軽くなって解放感に包まれる。
空の青さが白い雲に次第に変わってゆく。
異界の入り口がもうすぐそこだ。
「ラフテル…」
力強い、彼らしい抱擁に身を任せる。
もう、こうして触れ合えることはできないかもしれないから。
素直に、私もアーロンの腕に抱かれて胸に顔を埋めた。
「もう、二度と離さん。 言ったはずだ、お前の時間は、俺のものだと」
「……うん、…アーロン、 …ありがとう」
真っ白な雲の中を、温かい光に包まれて、解放された魂は弾けて溶けていった。
= epilogue =
あの後、力を使い果たしたみたいにしゃがみこんじゃったユウナを着替えさせて、ラフテルやおっちゃんと旅をした頃のこととかを思い出してたんだ。
ベベルの上にいると、まーたアニキとダチが喧嘩しちゃうから、とりあえずどっか別の所に移動することにしたんだよね。
で、どこいこー?って言ってたら、ユウナの通信スフィアにあいつから連絡きたんだけど、なんか、タイミング良すぎじゃない?
でも、ヘコんじゃったユウナを元気づけるには一番かもね。
そりゃあ、あたしだってラフテルと別れるのは辛かったし悲しかったけど、ラフテル、ありがとうって言ってくれたし、何よりもおっちゃんと一緒だったからね。
ラフテルの望み、叶えてあげられたのかな~って。
それが嬉しいんだよね。
なんかパインは貰ったおっちゃんの剣をずっと眺めてニヤニヤしてるし、シンラはモンスターを育てる研究だかなんだかに没頭してるし、アニキとダチはまだ口喧嘩してるし。
…あたしも、ラフテルに剣を貰った。
前に使ってたのとは違う奴。
前のはユウナがビサイドの祠に飾ってる。
なんか、剣術の腕が上達するとか言われて、わざわざ参拝に来る人もいるとか。…笑える。
あれとは違う、黒い小太刀って言うんだっけ?これ。
ちっちゃいくせに、あたしのダガーよりずっと重くて禍々しい感じ。
あたしはこれを使うことはないと思う。
これは言ってみれば、ラフテルの形見だもんね。
あたしのダガーと同じで2本で1対。
もう1本はユウナが持ってる。
あたしの年の頃、ラフテルは毎日必死に訓練してた。
…おっちゃんも、かな?
だから、あんなに強いんだよね。
パインが憧れるのも、わかるな~。
そうしてたら、いつの間にかルカに着いたみたい。
早速ユウナとパインのいつものメンバーでスタジアムに向かうところ。
ユウナは振り返りも立ち止まりもしないで、真っ直ぐ控え室に走ってった。
丁度試合が終わったばっかのオーラカの選手達が、思い思いに休んでる。
ユウナは一直線にあいつに飛び込んでった。
あいつは変な声を一声上げてぶっ飛んじゃった。
ユウナの勢いが強すぎなんだよね。
んで、ユウナってば人目も気にすることなくティーダに甘えるように抱きついてる。
オーラカのみんなが冷やかしの声をかけてるのに、聞こえてないみたい。
あ~あ、お熱いこと。
「…そっか、アーロンとラフテル、行っちまったのか」
いつもなら、ユウナを諌めるところだけど、今は、仕方ない、かな。
ユウナを残して、あたしはパインと外に出た。
「リュック、もう一度ベベルに戻ってくれないか?」
「ん? なんかあったの?」
「あ、…いや、別に、…無理なら、いいんだ」
「……あ!わかった! おっちゃんの剣、使って見たいんでしょ!?」
「っ!! …バレたか」
ユウナはもう少しあいつといさせたほうがいいみたいだし、パインはまた剣を眺めてニヤニヤしてる。
アニキ達の喧嘩を止めるのもバカらしく思えて、あたしはサブシートで天を仰いで思わず溜め息が出ちゃった。
「あたしも、命をかけられるような恋、したいな~」
「ハシッ、ホンハヨソマヲウラン!(なにっ、そんなことはゆるさん)」
「おっ、いいねえ、燃える恋、青春だね」
そしてまたアニキとダチは喧嘩になる。
こんなに意見が合わないのに、なあんで友達やってられるんだろ?
でも、ちゃんとお互いを信頼しあってるんだよね。
ちょっとそんな関係が羨ましいな。
前にユウナが話してた冒険、ホントに始めちゃおうかな。
~ END ~
→あとがき
16,oct,2015
ユウナが甲板の中央に進み出る。
そこで深々と頭を下げた。
「アーロンさん、ラフテルさん、 今日まで、ありがとうございました」
「ユウナ、それにみんな、みんなが作るこれからのスピラの姿、楽しみにしてるよ。 私のほうこそ、ありがとう。 世界を救った大召喚士に送ってもらえるなんて、幸せ者だ」
ユウナが静かに舞い始める。
あの時と同じように。
体が温かくなってくるのを感じる。
体から零れ落ちる小さな幻光虫の光が、1つ、また1つと数を増していく。
「ラフテル~、おっちゃんと、仲良くね~! また、いつか会おうね~~~っ!!」
舞い続けるユウナの向こうから、リュックの明るい声が響いた。
最後まで賑やか担当だった彼女のお陰で、ユウナも私もどれだけ救われたか、彼女自身にはわかっていないだろう。
ユウナが舞い、その度に目元にキラリと小さな滴が飛び散っていた。
それでもユウナは舞い続けている。
もう二度と、舞うことはないかもしれない、最後の、異界送り。
あの時は、アーロンが私を導いてくれた。
今度は、私がアーロンを連れていく。
真っ青に広がった大空に近付いていくほど、体は軽くなって解放感に包まれる。
空の青さが白い雲に次第に変わってゆく。
異界の入り口がもうすぐそこだ。
「ラフテル…」
力強い、彼らしい抱擁に身を任せる。
もう、こうして触れ合えることはできないかもしれないから。
素直に、私もアーロンの腕に抱かれて胸に顔を埋めた。
「もう、二度と離さん。 言ったはずだ、お前の時間は、俺のものだと」
「……うん、…アーロン、 …ありがとう」
真っ白な雲の中を、温かい光に包まれて、解放された魂は弾けて溶けていった。
= epilogue =
あの後、力を使い果たしたみたいにしゃがみこんじゃったユウナを着替えさせて、ラフテルやおっちゃんと旅をした頃のこととかを思い出してたんだ。
ベベルの上にいると、まーたアニキとダチが喧嘩しちゃうから、とりあえずどっか別の所に移動することにしたんだよね。
で、どこいこー?って言ってたら、ユウナの通信スフィアにあいつから連絡きたんだけど、なんか、タイミング良すぎじゃない?
でも、ヘコんじゃったユウナを元気づけるには一番かもね。
そりゃあ、あたしだってラフテルと別れるのは辛かったし悲しかったけど、ラフテル、ありがとうって言ってくれたし、何よりもおっちゃんと一緒だったからね。
ラフテルの望み、叶えてあげられたのかな~って。
それが嬉しいんだよね。
なんかパインは貰ったおっちゃんの剣をずっと眺めてニヤニヤしてるし、シンラはモンスターを育てる研究だかなんだかに没頭してるし、アニキとダチはまだ口喧嘩してるし。
…あたしも、ラフテルに剣を貰った。
前に使ってたのとは違う奴。
前のはユウナがビサイドの祠に飾ってる。
なんか、剣術の腕が上達するとか言われて、わざわざ参拝に来る人もいるとか。…笑える。
あれとは違う、黒い小太刀って言うんだっけ?これ。
ちっちゃいくせに、あたしのダガーよりずっと重くて禍々しい感じ。
あたしはこれを使うことはないと思う。
これは言ってみれば、ラフテルの形見だもんね。
あたしのダガーと同じで2本で1対。
もう1本はユウナが持ってる。
あたしの年の頃、ラフテルは毎日必死に訓練してた。
…おっちゃんも、かな?
だから、あんなに強いんだよね。
パインが憧れるのも、わかるな~。
そうしてたら、いつの間にかルカに着いたみたい。
早速ユウナとパインのいつものメンバーでスタジアムに向かうところ。
ユウナは振り返りも立ち止まりもしないで、真っ直ぐ控え室に走ってった。
丁度試合が終わったばっかのオーラカの選手達が、思い思いに休んでる。
ユウナは一直線にあいつに飛び込んでった。
あいつは変な声を一声上げてぶっ飛んじゃった。
ユウナの勢いが強すぎなんだよね。
んで、ユウナってば人目も気にすることなくティーダに甘えるように抱きついてる。
オーラカのみんなが冷やかしの声をかけてるのに、聞こえてないみたい。
あ~あ、お熱いこと。
「…そっか、アーロンとラフテル、行っちまったのか」
いつもなら、ユウナを諌めるところだけど、今は、仕方ない、かな。
ユウナを残して、あたしはパインと外に出た。
「リュック、もう一度ベベルに戻ってくれないか?」
「ん? なんかあったの?」
「あ、…いや、別に、…無理なら、いいんだ」
「……あ!わかった! おっちゃんの剣、使って見たいんでしょ!?」
「っ!! …バレたか」
ユウナはもう少しあいつといさせたほうがいいみたいだし、パインはまた剣を眺めてニヤニヤしてる。
アニキ達の喧嘩を止めるのもバカらしく思えて、あたしはサブシートで天を仰いで思わず溜め息が出ちゃった。
「あたしも、命をかけられるような恋、したいな~」
「ハシッ、ホンハヨソマヲウラン!(なにっ、そんなことはゆるさん)」
「おっ、いいねえ、燃える恋、青春だね」
そしてまたアニキとダチは喧嘩になる。
こんなに意見が合わないのに、なあんで友達やってられるんだろ?
でも、ちゃんとお互いを信頼しあってるんだよね。
ちょっとそんな関係が羨ましいな。
前にユウナが話してた冒険、ホントに始めちゃおうかな。
~ END ~
→あとがき
16,oct,2015