第2章【別世界へトリップ】
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『 11 』~気色悪い変態野郎~
ふと意識を戻したとき、自分がいる場所がどこなのかわからなくて、しばらく間抜け顔のままで辺りを見回した。
体勢も、寝てたわけでもなければ、座ってたわけでもなく、ぼけっと突っ立ったままの姿勢で覚醒したようだ。
あれ、私今何やってたっけ?
などと、軽い物忘れを起こした瞬間のような台詞を思い浮かべながら、一番新しい記憶を探し始めた。
異界でジェクトと別れてから、私が仕事と称して集めた欠片を1つにして、そして、あの少年が笑ってくれたのを見たような…?
はて、それからどうしただろうか?
私はなぜいきなりこんな場所にいるんだ?
そもそもここはどこだ?
あの後、突然気を失うか何かしたのか?
それで誰かがここに運んでくれたとか?
…そう言えば酷く頭が痛かったのを覚えているな。
…いや、だったら横になってた筈だ。
目が覚めて気が付いたら立ってたなんて、まさか夢遊病の気でもあったのか?私…。
と言うか、なんで私はこんなものを着てるんだ?
真っ白なフリフリのついた薄い1枚布の、…これもしかしなくても夜着だよな。
こんな悪趣味なもん着せた馬鹿はどこのどいつだ。
ベベルの変態神官くらいしか思い浮かばんぞ。
それにしても、と改めて自分が今いる部屋の中を見渡す。
随分と殺風景な部屋だな。
まるで岩肌をくり貫いたかのような四方を全て岩肌に囲まれた四角い部屋。
そう狭いわけでもなく、天井は高いし寝台やテーブルに椅子、大きな穴にしか見えない恐らく窓には無造作だが布がかけられていた。
監獄ではないだろうと予測してみる。
もし投獄されたのなら、例え意識があろうがなかろうが拘束のひとつもしないのはおかしい。
それに、この部屋の造りは監獄には見えない。
窓辺に近付いて、徐にそのボロ布を剥ぎ取った。
大きな窓は外の世界を一望できる。
部屋の中もそうだったが、日の光の射さない薄暗い世界。
ごつごつとした岩肌の巨大な空洞の中のようだった。
遥か遠くのほうに道らしきものが見え、その先は岩の陰になってしまっていてどこにつながっているのかは分からない。
この空間の中央部分は大きく窪んでいて、そこには不気味な色の瘴気が渦を巻いているのが見えた。
辺りを取り巻く空気が酷く重く感じられる。
鼻に付く匂いが不快感を増長させていた。
なんだ、ここは…!
ふと何かの気配を感じて、視線を部屋の中に戻した。
岩と同化しているかのような禍々しい模様の入った扉(…てか扉だったんだ)が酷い軋みを立てながらゆっくりと開く。
そこに現れた人物にまず警戒する。
というか、ヒトなのかこれ?
なんでこんなに青いんだ…?
それに、
・・・・・燃えてるじゃん
なんだ、コイツ。
自分の今の姿を省みて、はっとする。
薄い夜着1枚で素手に素足。
武器らしきものはここには無い。
たっぷりと寝てたようだから魔力だけは満杯だ。
それは感じることができる。
こいつの正体がわかるまでは迂闊なことはできない。
話して通じる相手なのか?
まずは状況を理解したい。
「…フフン、お目覚め?ご気分は?」
開いた口からは自分の想像もしなかった言葉が飛び出してくる。
しかもこのどこかおかしな言葉の使いかたは、こいつ独特なんだろうか?
思わず眉根を寄せて眉間に皺を刻んでしまう。
「…あんたは?」
青とも灰色とも見えるローブのような長い衣装を揺らして、男は部屋に入ってくる。
薄気味の悪い下心のたっぷりとつまったような目をしながら、ゆっくりと私に近づいてきた。
「ん~~、フフン、ラフテル、冥界の戦士」
「!!」
私を知ってる!?
名を、呼んだ…
それにしても気味の悪い野郎だな。
気安く私の名を呼ぶな。
…メイカイノセンシ…?
なんだそれ?
「なぜ自分がここにいるのか、知りたくな~い?」
「………」
そりゃ知りたい。
何がどうなって私はここにいるんだ?
ここはどこなんだ?
それにこの気持ちの悪い男は一体誰なんだ。
湧き上がる疑問は切りが無い。
→
13,jun,2015
ふと意識を戻したとき、自分がいる場所がどこなのかわからなくて、しばらく間抜け顔のままで辺りを見回した。
体勢も、寝てたわけでもなければ、座ってたわけでもなく、ぼけっと突っ立ったままの姿勢で覚醒したようだ。
あれ、私今何やってたっけ?
などと、軽い物忘れを起こした瞬間のような台詞を思い浮かべながら、一番新しい記憶を探し始めた。
異界でジェクトと別れてから、私が仕事と称して集めた欠片を1つにして、そして、あの少年が笑ってくれたのを見たような…?
はて、それからどうしただろうか?
私はなぜいきなりこんな場所にいるんだ?
そもそもここはどこだ?
あの後、突然気を失うか何かしたのか?
それで誰かがここに運んでくれたとか?
…そう言えば酷く頭が痛かったのを覚えているな。
…いや、だったら横になってた筈だ。
目が覚めて気が付いたら立ってたなんて、まさか夢遊病の気でもあったのか?私…。
と言うか、なんで私はこんなものを着てるんだ?
真っ白なフリフリのついた薄い1枚布の、…これもしかしなくても夜着だよな。
こんな悪趣味なもん着せた馬鹿はどこのどいつだ。
ベベルの変態神官くらいしか思い浮かばんぞ。
それにしても、と改めて自分が今いる部屋の中を見渡す。
随分と殺風景な部屋だな。
まるで岩肌をくり貫いたかのような四方を全て岩肌に囲まれた四角い部屋。
そう狭いわけでもなく、天井は高いし寝台やテーブルに椅子、大きな穴にしか見えない恐らく窓には無造作だが布がかけられていた。
監獄ではないだろうと予測してみる。
もし投獄されたのなら、例え意識があろうがなかろうが拘束のひとつもしないのはおかしい。
それに、この部屋の造りは監獄には見えない。
窓辺に近付いて、徐にそのボロ布を剥ぎ取った。
大きな窓は外の世界を一望できる。
部屋の中もそうだったが、日の光の射さない薄暗い世界。
ごつごつとした岩肌の巨大な空洞の中のようだった。
遥か遠くのほうに道らしきものが見え、その先は岩の陰になってしまっていてどこにつながっているのかは分からない。
この空間の中央部分は大きく窪んでいて、そこには不気味な色の瘴気が渦を巻いているのが見えた。
辺りを取り巻く空気が酷く重く感じられる。
鼻に付く匂いが不快感を増長させていた。
なんだ、ここは…!
ふと何かの気配を感じて、視線を部屋の中に戻した。
岩と同化しているかのような禍々しい模様の入った扉(…てか扉だったんだ)が酷い軋みを立てながらゆっくりと開く。
そこに現れた人物にまず警戒する。
というか、ヒトなのかこれ?
なんでこんなに青いんだ…?
それに、
・・・・・燃えてるじゃん
なんだ、コイツ。
自分の今の姿を省みて、はっとする。
薄い夜着1枚で素手に素足。
武器らしきものはここには無い。
たっぷりと寝てたようだから魔力だけは満杯だ。
それは感じることができる。
こいつの正体がわかるまでは迂闊なことはできない。
話して通じる相手なのか?
まずは状況を理解したい。
「…フフン、お目覚め?ご気分は?」
開いた口からは自分の想像もしなかった言葉が飛び出してくる。
しかもこのどこかおかしな言葉の使いかたは、こいつ独特なんだろうか?
思わず眉根を寄せて眉間に皺を刻んでしまう。
「…あんたは?」
青とも灰色とも見えるローブのような長い衣装を揺らして、男は部屋に入ってくる。
薄気味の悪い下心のたっぷりとつまったような目をしながら、ゆっくりと私に近づいてきた。
「ん~~、フフン、ラフテル、冥界の戦士」
「!!」
私を知ってる!?
名を、呼んだ…
それにしても気味の悪い野郎だな。
気安く私の名を呼ぶな。
…メイカイノセンシ…?
なんだそれ?
「なぜ自分がここにいるのか、知りたくな~い?」
「………」
そりゃ知りたい。
何がどうなって私はここにいるんだ?
ここはどこなんだ?
それにこの気持ちの悪い男は一体誰なんだ。
湧き上がる疑問は切りが無い。
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13,jun,2015