第2章【ジョゼ~グアドサラム】
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平均年齢とパーティーの明るさは反比例
=19=
人と人との出会いって、運命だと思う。
偶然ではなく、必然。
こう言うと、嫌悪感を抱く人も多いかも知れないが、人間の一生ってもう予め決められていて、そのレールの上を走るだけ。
よく人生をそういうものに置き換えて例えたりするものを見るけど、そこから外れることは出来ないから、難しい。
足を踏み外した、とか、道を誤った、とか人生って本当に道のりそのものなんだろうなと思う。
決められた行き先を何とか変更してみたい、人生を変えてみたい、そんなことを言うけど、変える事すらも最初から決まってたら、
それはやっぱりレールの上だけの人生ってことな訳で。
そういう決められた一生の中で、自分はこの先この人と出会う、友達になる、恋人になる、家族になる、それも決まってること。
それは相手も同じで、お互い様。
自分にとって苦手な人と出会うときは、この決められた人生を恨むけど、いい人に出会えたら、運命って奴に感謝したくなる。
今、私は正にそんな気分。
「女子だけで話し合いです!男子は待ってて下さい!」
まだ幼い、あどけない高い声で小動物のようにぴょンぴょんと飛び跳ねながら歩く可愛い少女。
美しい金髪と、特徴のある渦巻き模様の入った翡翠色の瞳。一目でアルベド族だと分かる。
仲間達から、女性のみが少々離れて円陣を作るように小さく向かい合った。
「初めまして、アタシ、リュックっていいます」
「ルールーよ」
「ラフテルだ」
名乗らないユウナの顔を見つめる。ユウナはニコニコとして嬉しそうにリュックを見ている。
「本当に久しぶりだね、リュック」
「ホントホント!何年ぶりかな~」
「2人は知り合いなの?」
「従兄弟。なの」
「アタシの親父が、ユウナのお母さんのアニキなの」
「へ~、ブラスカに義理の兄貴がいたなんて、知らなかったな」
「ユウナのお父さんのこと、知ってんの~?」
「リュック、そんな口の利き方、失礼だよ」
「へっ?」
「あぁ、いいよ、こっちもそのほうが楽だ。 10年前、一緒に旅したんだ」
大げさに驚いてみせるリュックの勢いに少々たじろぐ。
若さのパワーって凄いな、なんて、歳とった証拠だろうか。
というか、このまま放っておいたら何時間でもここで話し続ける事になりそうだ。
なんとか話題を軌道修正する。
ユウナはリュックをガードとして迎える気なのだろう。
「ラフテルさん、構わないですか?」
上目遣いで必死に縋るように私にユウナは問う。
「…私は別に意見できる立場ではないが…。ちょっと問題が…」
ワッカのほうをチラリと仰ぎ見て、ユウナとルールーと顔を合わせる。
ルールーは小さく嘆息して呟いた。
「ワッカにはなるべく出身のことは伏せましょう」
「そうだね」
「一応、アーロンにも聞いてみよう」
「…眼を開けろ」
アーロンもそれで確信を持った。
エボンの教えに反する機械を使うアルベド族が、エボンの教えの名の下旅に出る召喚士のガードになどなり得ない。
正体が露見すれば、当人は勿論、それを承知の上で旅に同行させた召喚士までもが罰を受けることになりかねない。
「覚悟はいいのか」
召喚士の持つ覚悟と同様の覚悟を、この幼い少女に課するのは酷なことだろう。
それでも、ユウナもリュックも、望んだことだ。
私が口出すべきことではない。
「じゃ、アタシは賑やか担当ってことで!」
仲間が増えるのは嬉しいことだ。ましてや若いというよりは私から見ればまだまだ幼い、明るい少女。
旅の終着点がドンドン近付いてくる中で、チームが明るい雰囲気を保っていられるには必要な人材だろう。
リュックは早速ユウナとぴったり寄り添うように歩き出した。
この幻光河の北岸を過ぎると、深い森に入る。
その奥には、グアドという森の民が変わった集落を形成している。
「ねぇねぇユウナ、ラフテルって、ユウナのお父さんと一緒に旅したんでしょ? ってことは、伝説のガードってやつ?」
「うん、そうだよ。隣のアーロンさんと一緒に、10年前にシンを倒したの」
「へ~!」
2人の会話がこちらにまで聞こえてくる。
ユウナも、リュックと会えたことが嬉しいのだろうか、声も表情もいつになく明るい。
見ているこちらまで楽しい気分になってくる。
幻光河を過ぎて、匂いが薄まり、少し気分が戻って来たせいもあるのかもしれない。
だが、これから向かうグアドサラムのことを考えると、気分は落ち込んでくる。
それまでこちらにまで聞こえるような甲高い声で話していた2人の少女は、急に顔を近付けこちらにチラチラと視線を向けながら何やら囁き合っている。
歳若い少女の向く興味など高が知れているが、なんとなく何を話しているのか雰囲気は伝わってきて、微笑ましくなる。
「………」
呆れたような溜息が零れる。
私の左隣を歩く人物は、前方の2人の様子が気に障るらしい。
「気になる?」
「…何がだ」
「あの2人、こっち見ながら何を話してるんだ? って顔してる」
「そんなことはない。…気を抜きすぎだとは思ってるがな」
「フフ…」
小さな笑みを零し、2人に声を掛ける。
「ほら、2人とも、行くよ! ティーダ達が魔物と遭遇したみたいだ」
「ええっ! アタシのお宝絶対渡さないんだから~!」
→
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人と人との出会いって、運命だと思う。
偶然ではなく、必然。
こう言うと、嫌悪感を抱く人も多いかも知れないが、人間の一生ってもう予め決められていて、そのレールの上を走るだけ。
よく人生をそういうものに置き換えて例えたりするものを見るけど、そこから外れることは出来ないから、難しい。
足を踏み外した、とか、道を誤った、とか人生って本当に道のりそのものなんだろうなと思う。
決められた行き先を何とか変更してみたい、人生を変えてみたい、そんなことを言うけど、変える事すらも最初から決まってたら、
それはやっぱりレールの上だけの人生ってことな訳で。
そういう決められた一生の中で、自分はこの先この人と出会う、友達になる、恋人になる、家族になる、それも決まってること。
それは相手も同じで、お互い様。
自分にとって苦手な人と出会うときは、この決められた人生を恨むけど、いい人に出会えたら、運命って奴に感謝したくなる。
今、私は正にそんな気分。
「女子だけで話し合いです!男子は待ってて下さい!」
まだ幼い、あどけない高い声で小動物のようにぴょンぴょんと飛び跳ねながら歩く可愛い少女。
美しい金髪と、特徴のある渦巻き模様の入った翡翠色の瞳。一目でアルベド族だと分かる。
仲間達から、女性のみが少々離れて円陣を作るように小さく向かい合った。
「初めまして、アタシ、リュックっていいます」
「ルールーよ」
「ラフテルだ」
名乗らないユウナの顔を見つめる。ユウナはニコニコとして嬉しそうにリュックを見ている。
「本当に久しぶりだね、リュック」
「ホントホント!何年ぶりかな~」
「2人は知り合いなの?」
「従兄弟。なの」
「アタシの親父が、ユウナのお母さんのアニキなの」
「へ~、ブラスカに義理の兄貴がいたなんて、知らなかったな」
「ユウナのお父さんのこと、知ってんの~?」
「リュック、そんな口の利き方、失礼だよ」
「へっ?」
「あぁ、いいよ、こっちもそのほうが楽だ。 10年前、一緒に旅したんだ」
大げさに驚いてみせるリュックの勢いに少々たじろぐ。
若さのパワーって凄いな、なんて、歳とった証拠だろうか。
というか、このまま放っておいたら何時間でもここで話し続ける事になりそうだ。
なんとか話題を軌道修正する。
ユウナはリュックをガードとして迎える気なのだろう。
「ラフテルさん、構わないですか?」
上目遣いで必死に縋るように私にユウナは問う。
「…私は別に意見できる立場ではないが…。ちょっと問題が…」
ワッカのほうをチラリと仰ぎ見て、ユウナとルールーと顔を合わせる。
ルールーは小さく嘆息して呟いた。
「ワッカにはなるべく出身のことは伏せましょう」
「そうだね」
「一応、アーロンにも聞いてみよう」
「…眼を開けろ」
アーロンもそれで確信を持った。
エボンの教えに反する機械を使うアルベド族が、エボンの教えの名の下旅に出る召喚士のガードになどなり得ない。
正体が露見すれば、当人は勿論、それを承知の上で旅に同行させた召喚士までもが罰を受けることになりかねない。
「覚悟はいいのか」
召喚士の持つ覚悟と同様の覚悟を、この幼い少女に課するのは酷なことだろう。
それでも、ユウナもリュックも、望んだことだ。
私が口出すべきことではない。
「じゃ、アタシは賑やか担当ってことで!」
仲間が増えるのは嬉しいことだ。ましてや若いというよりは私から見ればまだまだ幼い、明るい少女。
旅の終着点がドンドン近付いてくる中で、チームが明るい雰囲気を保っていられるには必要な人材だろう。
リュックは早速ユウナとぴったり寄り添うように歩き出した。
この幻光河の北岸を過ぎると、深い森に入る。
その奥には、グアドという森の民が変わった集落を形成している。
「ねぇねぇユウナ、ラフテルって、ユウナのお父さんと一緒に旅したんでしょ? ってことは、伝説のガードってやつ?」
「うん、そうだよ。隣のアーロンさんと一緒に、10年前にシンを倒したの」
「へ~!」
2人の会話がこちらにまで聞こえてくる。
ユウナも、リュックと会えたことが嬉しいのだろうか、声も表情もいつになく明るい。
見ているこちらまで楽しい気分になってくる。
幻光河を過ぎて、匂いが薄まり、少し気分が戻って来たせいもあるのかもしれない。
だが、これから向かうグアドサラムのことを考えると、気分は落ち込んでくる。
それまでこちらにまで聞こえるような甲高い声で話していた2人の少女は、急に顔を近付けこちらにチラチラと視線を向けながら何やら囁き合っている。
歳若い少女の向く興味など高が知れているが、なんとなく何を話しているのか雰囲気は伝わってきて、微笑ましくなる。
「………」
呆れたような溜息が零れる。
私の左隣を歩く人物は、前方の2人の様子が気に障るらしい。
「気になる?」
「…何がだ」
「あの2人、こっち見ながら何を話してるんだ? って顔してる」
「そんなことはない。…気を抜きすぎだとは思ってるがな」
「フフ…」
小さな笑みを零し、2人に声を掛ける。
「ほら、2人とも、行くよ! ティーダ達が魔物と遭遇したみたいだ」
「ええっ! アタシのお宝絶対渡さないんだから~!」
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