第2章【ジョゼ~グアドサラム】
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聞きたいことたくさんあるはずなのに…
=12=
きのこ岩街道を抜けると、ジョゼ街道に入る。
特徴的なきのこ岩ではないが、ミヘンのときのような長閑さは微塵も感じられない。
相変わらずゴツゴツとした岩肌が海沿いに続いている。
ここも多くの魔物が出没する。
この街道で志半ばに倒れた者たちの無念が集まって形になったもの。
それを表すかのように、凶暴な魔物たちが生者たちを羨む。
少年がやたら元気だ。
どこか無理してユウナを笑わせようとしているように見える。
先程のキマリとの遣り取りで、何か言われたのだろうか?
キマリと少年とワッカが先頭を歩く。
出てくる魔物を片っ端から幻光虫に変えていく。
お陰でコッチは楽でいいけど。
私はユウナの隣に並んだ。
「ユウナ」
「…ラフテルさん」
「それ、やめてくれない?敬語もいらないから」
「え、でも…。…努力、します」
「…まぁ、いいか。あのさ、ちゃんと言っておこうと思って」
「何をですか?」
「お礼。 …ありがとう、ユウナ」
「?」
何のことを言っているのか分からないと、首を傾げるユウナの姿に、妹と思っているワッカとルールーの気持ちが理解できた気がした。
「キーリカで、異界送り、してくれたんだよな」
「…はい。初めてだったので、上手くできたかどうか分かりませんが」
「ううん、きっと、大丈夫。ちゃんと異界に行けたと思う」
「キーリカにラフテルさんの、大切な誰かがいらっしゃったんですか?」
すでに過去形での問いに、少し胸が締め付けられた。
「…ちょっと、ね」
「…ラフテルさん、村に来てくれる度にたくさん10年前の旅のこと、お話ししてくれましたよね。…でも」
「?」
「でもそれは全部、父さんのことばかりだった。ラフテルさん自身の事は、私、何も知らないんです。だからっ!」
足を止めてしまったユウナを置き去りにして、私は歩き続けた。
私は、私自身のことなんて話しても仕方が無いと思っている。
これまで1人で旅を続けてきて、多くの村や町に行って、大召喚士のガードを勤めた義務の1つとして、交した約束の1つとして、ブラスカのことを話した。
エボンなんて信じない。
教えなんて何の役にも立たない。
本当にキズを負って、血を流して、力を尽くして世界を一時でも平和にしたのは、命を投げ出したブラスカなのだから。
スピラに住む人間たちには、それがどんな旅でどんな闘いだったのか、知る権利があると思ったから。
…でも、私の存在は関係ない。
私の生い立ちも性格も、シンを倒したという大召喚士の偉業の前では意味のないもの。
ユウナが小走りに追いついてきた。
「ユウナ」
「はい!」
「私のことより、ユウナにはブラスカのことを…」
「私は、今、ラフテルさんと旅をしているんです!」
「!!」
「ここには、父さんはいない。確かに、父さんは大召喚士として名を残した人物かもしれない。私は父さんの娘としてスピラの人たちから期待を受けている。 …でも、今シンを倒したいと願いながら旅をしているのは、私なんです。 大召喚士ブラスカの娘、なんかじゃなく、召喚士ユウナとして!」
「…ユウナ」
「だから、…だから、私を守ってくれるガードの方のことも、知りたいんです。」
「…私はまだ、信用されきれてなかった、ってことか…。ゴメンな」
「そんなこと!!」
私たちの後ろを歩いていたアーロンが追いついてきて、ユウナに声を掛けた。
「ユウナ、俺たちはガードだ。ガードでしかない。ガードとは、召喚士を守るのが役目。お前はガードを手足として使えばいい」
「そんな…。手足だなんて…」
足を止め、俯いてしまったユウナにルールーが優しく寄り添う。
「立ち止まっている時間は無い。行くぞ」
アーロンは歩みを進める。
先を歩いていた少年たちも、事態を察知したのかユウナの元に戻ってくる。
「行きましょう、ユウナ」
ルールーの言葉に、ユウナは小さく頷くと歩みを再開した。
「なーにイジメテルッスか?」
後頭部で両腕を組みながら少年がアーロンに食らい付く。
少年のほうを見向きもしないまま、アーロンは小さく笑みを零した。
「…フッ、お前の出番はまだまだ先のようだな」
「?」
アーロンの言葉の意味が理解できなかったのか、疑問符を浮かべた少年に声を掛ける。
「次は、ルールーじゃなくて君があの位置にいられるようにならないとね」
私の言葉に、少年はユウナをほうを振り返り、そして理解したようだ。
顔を赤らめながら、行き場の無い腕がブンブンと振られる。
「なに踊ってんだ、お前は?」
ワッカのバカにしたようなセリフを受け、少年はそれを誤魔化すように魔物に向かって走っていった。
「…わざと?」
「…フッ、できればユウナに話す前に、俺に話してもらいたいものだな」
「…バカ」
→
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きのこ岩街道を抜けると、ジョゼ街道に入る。
特徴的なきのこ岩ではないが、ミヘンのときのような長閑さは微塵も感じられない。
相変わらずゴツゴツとした岩肌が海沿いに続いている。
ここも多くの魔物が出没する。
この街道で志半ばに倒れた者たちの無念が集まって形になったもの。
それを表すかのように、凶暴な魔物たちが生者たちを羨む。
少年がやたら元気だ。
どこか無理してユウナを笑わせようとしているように見える。
先程のキマリとの遣り取りで、何か言われたのだろうか?
キマリと少年とワッカが先頭を歩く。
出てくる魔物を片っ端から幻光虫に変えていく。
お陰でコッチは楽でいいけど。
私はユウナの隣に並んだ。
「ユウナ」
「…ラフテルさん」
「それ、やめてくれない?敬語もいらないから」
「え、でも…。…努力、します」
「…まぁ、いいか。あのさ、ちゃんと言っておこうと思って」
「何をですか?」
「お礼。 …ありがとう、ユウナ」
「?」
何のことを言っているのか分からないと、首を傾げるユウナの姿に、妹と思っているワッカとルールーの気持ちが理解できた気がした。
「キーリカで、異界送り、してくれたんだよな」
「…はい。初めてだったので、上手くできたかどうか分かりませんが」
「ううん、きっと、大丈夫。ちゃんと異界に行けたと思う」
「キーリカにラフテルさんの、大切な誰かがいらっしゃったんですか?」
すでに過去形での問いに、少し胸が締め付けられた。
「…ちょっと、ね」
「…ラフテルさん、村に来てくれる度にたくさん10年前の旅のこと、お話ししてくれましたよね。…でも」
「?」
「でもそれは全部、父さんのことばかりだった。ラフテルさん自身の事は、私、何も知らないんです。だからっ!」
足を止めてしまったユウナを置き去りにして、私は歩き続けた。
私は、私自身のことなんて話しても仕方が無いと思っている。
これまで1人で旅を続けてきて、多くの村や町に行って、大召喚士のガードを勤めた義務の1つとして、交した約束の1つとして、ブラスカのことを話した。
エボンなんて信じない。
教えなんて何の役にも立たない。
本当にキズを負って、血を流して、力を尽くして世界を一時でも平和にしたのは、命を投げ出したブラスカなのだから。
スピラに住む人間たちには、それがどんな旅でどんな闘いだったのか、知る権利があると思ったから。
…でも、私の存在は関係ない。
私の生い立ちも性格も、シンを倒したという大召喚士の偉業の前では意味のないもの。
ユウナが小走りに追いついてきた。
「ユウナ」
「はい!」
「私のことより、ユウナにはブラスカのことを…」
「私は、今、ラフテルさんと旅をしているんです!」
「!!」
「ここには、父さんはいない。確かに、父さんは大召喚士として名を残した人物かもしれない。私は父さんの娘としてスピラの人たちから期待を受けている。 …でも、今シンを倒したいと願いながら旅をしているのは、私なんです。 大召喚士ブラスカの娘、なんかじゃなく、召喚士ユウナとして!」
「…ユウナ」
「だから、…だから、私を守ってくれるガードの方のことも、知りたいんです。」
「…私はまだ、信用されきれてなかった、ってことか…。ゴメンな」
「そんなこと!!」
私たちの後ろを歩いていたアーロンが追いついてきて、ユウナに声を掛けた。
「ユウナ、俺たちはガードだ。ガードでしかない。ガードとは、召喚士を守るのが役目。お前はガードを手足として使えばいい」
「そんな…。手足だなんて…」
足を止め、俯いてしまったユウナにルールーが優しく寄り添う。
「立ち止まっている時間は無い。行くぞ」
アーロンは歩みを進める。
先を歩いていた少年たちも、事態を察知したのかユウナの元に戻ってくる。
「行きましょう、ユウナ」
ルールーの言葉に、ユウナは小さく頷くと歩みを再開した。
「なーにイジメテルッスか?」
後頭部で両腕を組みながら少年がアーロンに食らい付く。
少年のほうを見向きもしないまま、アーロンは小さく笑みを零した。
「…フッ、お前の出番はまだまだ先のようだな」
「?」
アーロンの言葉の意味が理解できなかったのか、疑問符を浮かべた少年に声を掛ける。
「次は、ルールーじゃなくて君があの位置にいられるようにならないとね」
私の言葉に、少年はユウナをほうを振り返り、そして理解したようだ。
顔を赤らめながら、行き場の無い腕がブンブンと振られる。
「なに踊ってんだ、お前は?」
ワッカのバカにしたようなセリフを受け、少年はそれを誤魔化すように魔物に向かって走っていった。
「…わざと?」
「…フッ、できればユウナに話す前に、俺に話してもらいたいものだな」
「…バカ」
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