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矢避けの林檎

7(END)2.そのまま消える→現実世界で急いで首輪をはめる→少し麻痺が残る

スッと意識が遠のいたかと思うと、ずん、とジェットコースターのような重力を感じる。
気がつくと探索者は、阿形刑務所の3番の部屋にいた。
その場にはたまたま刑務官がいたが、あなたたちを見た途端、「?面会の方ですか?ここの部屋は3番です。今は利用予定はありませんので、他の部屋とお間違いではないですか?」と声をかけたことから、もうあなた方が指名手配などされていないことがわかる。

(ここから病院まで走っても20分程かかる)

急いで滑り込んだ病室、そこには青白い顔で病院のベッドに横たわる少女がいた。
その周りでは、医師や看護師が懸命に処置を行う医師が複数人。
ピーーーという電子音が、辺りに響く。

探索者が近づくと、医師と看護師は血相を変えて怒鳴る。それほど彼女は危険な状態なのだ。
「な、なんだね君たちは!」
「何してるの!どきなさい!」
(首輪を取り付ける)

首輪を取り付けた瞬間、締め切った窓のカーテンがぶわりとはためき、花瓶の花が巻き上げられ、少女の枕元へと花弁が落ちた。
ピ、ピ、ピと徐々に電子音はゆっくりと時を刻み出し、医師たちが顔を見合わせる。
「ば、バイタル…安定しています…」
「な、なんだ?と、ともかくこのまま緊急処置室へ!」
乱暴に探索者たちをかきわけ、医師は少女を処置室へと運んだ。
(やりたいことがなければエンディング)

病院関係者に一体彼女に何をしたのかと、いろいろ問い詰められながら数日間病院に通うことになる探索者。
少女はその後、多少麻痺は残るものの命に別状はないことも、その時に聞けるだろう。
そして、病院に訪れた探索者たちは、車椅子に座る少女に声をかけられる。
彼女は、探索者にボールを投げる。
右手がうまく上がらないのだろう、左手で放たれたそれは、探索者の足元を転がった。
ゴールの少し遠く、3ポイントシュートラインのところまでよたよたと車椅子を動かすと、「ヘイパス!」と叫んだ。

探索者のパスを体を捻り左手でキャッチした彼女は、些かゴールより遠いはずのその場所から、シュートを放つ。
音もなく、板や枠にかすることすらなく、そのボールはゴールの手前に落ちた。

「私ね、バスケ、好きなんだ。でも、いくら自分がバスケが得意でも、バスケってさ、チームと、みんなと一緒にやるものなんだってこと、ちょっぴり忘れてたよ。…ごめんね、ありがとう」
彼女の顔は晴れ晴れとしていた。

END:A


報酬
SAN回復 1d6
笹世生還 1d4

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数日後あなたたちのもとに、ローブを目深に被り、白衣を着たなにものかが訪ねてきます。
顔がよく見えないそれは、首に包帯が巻かれているようです。
「先日は途中棄権を果たしてしまい、ろくにお手伝いすることもできず…不肖わたくし、なんとお詫び申し上げればよいものか…。アイス……買って参りましたのでよかったらどうぞ。こちら、お好きなようでしたので、大納言小豆」
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