難攻不落の姫ytym

八乙女「山田、この書類職員室まで運んでくれないか。」

裕翔「あ、それなら俺がやります。」

八乙女「まじ?助かるわー。さすがリーダー。」

委員会のあと山田くんたちと別れて廊下を歩いていると、薮先生と八乙女先生が話し始めた。

薮「いやー、今年の1年は優秀だな。」

裕翔「と、言うと?」

八乙女「毎年リーダー決めは揉めるんだよね。」

薮「決まるならじゃんけんでもあみだくじでもいいんだけどさ。生活委員になるのは責任感が強い子が多いから。」

八乙女「秋の生徒会の選挙のためにやりたがる人が多い年もあるし、逆に部活を優先させようとして押し付けあう年もある。」

薮「だから今年みたいに20分以内に決まるのは珍しいよな。」

そんなものなのか。俺は生徒会と部活の両立は中学で経験済みだからあまり気にならなかったけど、年によっては上級生が先に解散することもあるらしい。

裕翔「大変なんですね。」

薮「仕事自体は上級生達を見ていればできるものばかりなんだけどな。」

八乙女「部活が潰れることもあるから参加したくない気持ちもわかるけどね。」

職員室まで書類を運ぶと、薮先生からお菓子を渡された。

裕翔「あ、ありがとうございます。」

八乙女「薮がお菓子持ってるなんて珍しい。」

薮「まぁ、たまにはな。頑張れよ。」

裕翔「?はい。」

なんのことかわからずにいると、薮先生が肩を組んできた。

薮「山田は手強いぞー、光と同じ匂いがする。」

裕翔「に、匂い?て、手強いって…」

薮「山田のこと狙ってるんだろ?鈍感なやつは外堀を埋めるのが一番手っ取り早い。急がば回れってことだな。」

裕翔「なるほど。」

薮「糖分でも摂って頑張れよ。人生の先輩からのアドバイス。」

裕翔「ありがとうございます?」

せっかくかっこつけてるところ悪いけど、薮先生から渡されたのは歌舞伎揚げだった。
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