難攻不落の姫ytym

裕翔「大ちゃん!お昼食べに行こ!」

大貴「俺はいいよ。」

裕翔「え、なんで?具合悪い?」

大貴「そうじゃなくて。」

週末に行われた文化祭が成功して次の週。山田と裕翔は無事に付き合えたらしい。それなら弁当は2人で食べたいだろうな。幼なじみがいるとはいえ、カップルの中に割り込んでまで食べたいと思わないので、今日は教室で他の奴らと食べようと思っていた。

涼介「大ちゃーん、裕翔くーん?まだ?遅いから迎えに来ちゃったよ。」

裕翔「ほらほら、涼介も来たし行こ?」

この新米カップルは強引に俺を席から離そうと必死だ。山田、お前そんなに力強かったっけ?

大貴「わかったよ。」






渋々2人について行くと、裕翔が手ぶらなことに気づいた。

大貴「あれ、裕翔弁当は?」

裕翔「え、あ、それがさ…」

涼介「俺が作ってきたの♡裕翔くんの大好きなグラタンも入ってるよ!」

鼻の下を伸ばす裕翔と、目尻が床に届きそうなほど下がっている山田。んだよ、やっぱり俺いらないじゃん。

大貴「やっぱ俺、教室で食べる!」

裕翔「待って待って待って!」

涼介「ダメだよ大ちゃん!大ちゃんには居てもらわないと!」

大貴「なんでだよ、カップルで食べたいだろ?」

涼介「だって、裕翔くんかっこよすぎて、大ちゃんいないとどこ見ていいか分からないし…」

裕翔「山田くんとの共通点まだ大ちゃんしかないんだもん!話題なくなったら困るじゃん!」

2人して腕を掴んでうるうると見つめてくる様子が、子犬と大型犬に見えて、小さくため息がこぼれる。

大貴「仕方ねぇな。」

涼介「やった!」

裕翔「やっぱり昼ご飯は3人じゃないとね!」

大貴「言ったな!俺抜きで食ったら怒るからな!」

涼介「大丈夫だよ!高校生のうちは♡」

るんるんな2人に腕を組まれて旧校舎の階段を目指す。何回目かのため息がこぼれたけど、不思議と嫌じゃなくなっていた。
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