難攻不落の姫ytym

裕翔「や、やぁ。俺は中島裕翔。」

大貴「おぅ、俺は有岡大貴。新入生代表挨拶良かったよ。これからよろしくな。」

緊張して、変な話しかけ方になってしまったけど、彼は気にする素振りもなく、人懐っこそうな表情で笑った。

裕翔「うん、よろしく。ところでさっき話していた5組の子なんだけど。」

大貴「んだよ、お前も山田に気があるのかよ。」

裕翔「俺も?」

有岡くんは彼の名前を出すと、嫌そうに眉を顰めた。5組の彼の名前は山田くんと言うらしい。彼の口ぶりだと俺の他にも彼のことを聞いてきた人がいるようだ。

裕翔「いやー、すごく綺麗な子だなと思ってさ。」

大貴「はいはい、そうですね。悪いけど、新入生代表だったからって簡単に山田に会わせる訳にはいかねぇぞ。」

裕翔「と、言うと?」

有岡くんと山田くんは家も近所で幼稚園の頃からの幼なじみだそうだ。幼稚園の頃から老若男女にモテる山田くんをずっと守ってきたらしい。なるほど、山田くんを攻略するにはまず彼から堕とす必要があるってことか。

大貴「山田を紹介するにはお前の情報が足りないし、俺にはお前と同じように山田に近づこうとする連中を捌かなきゃいけない。この意味が分かるか?」

裕翔「クラスメートってことを利用して、山田くんにふさわしい男だと証明しろってこと?」

大貴「よくわかってんじゃん。」

裕翔「それじゃあ、明日の委員決めで俺がクラス委員に立候補するから、有岡くん好きな委員に立候補しなよ。」

大貴「手始めにしちゃ悪くないな。俺、体育委員やりたい。よろしくな。」

裕翔「体育委員ね。」

山田くんとお近付きになれるならこんなの苦でもなんでもない。

有岡「よし、交渉成立だ。頼んだぞ。」

裕翔「うん。」

今日が初対面の俺たちは、がっちりと肩を組んで友情を確かめ合った。
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