難攻不落の姫ytym

パチパチとホチキスでパンフレットを留める音が響く多目的室。今は最後のクラス、3年7組で、あと10部ほどで終わる。

裕翔「8時までに終わりそうでよかったね。」

涼介「うん。」

山田くんは、自販機から戻ってきた時から少し元気がない。無理やり巻き込んだ罪悪感もあって、スピードをあげて仕事を終わらせた。



薮「お、中島と山田!今行こうと思ってたんだよ。パンフレット終わったか?いやぁ助かったよ。」

山田くんが2人分のバッグを持ってくれて、全クラス分のパンフレットを台車に乗せて職員室まで運ぶ。入り口で薮先生と鉢合わせる。

薮「多目的室の戸締りもしてきてくれたか?」

裕翔「はい。戸締りもしてきました。」

涼介「あとこれ、ホチキスと多目的室の鍵です。」

薮「おお、ありがとうな!あ、これ持っていけよ。」

薮先生は台車を職員室の隅に寄せると、笑って俺たちの頭を撫でてお菓子を渡してきた。今回もやっぱり歌舞伎揚げだった。

裕翔「あははっ、また歌舞伎揚げ。」

薮「なんだよ、美味いだろ。歌舞伎揚げ。」

涼介「ありがとうございます!」

薮「暗いから気をつけて帰れよ。中島、山田のこと頼んだぞ。」

裕翔「はい、もちろん!先生さようなら!」

薮先生は俺の肩を叩くと、教師に似つかわない完璧なウインクをして職員室の出口まで見送ってくれた。
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