冬の体育はなぜか、十中八九ランニングからスタートする。走るのが面倒臭かったので、僕は少し遅れて授業に出た。
　しかし、そんな小細工は通用せずに、結局走る羽目になった。残念。



　今日の授業は体を動かすことを目的にして、ドッジボールだった。……小学生かよ。

　僕は外野からスタートすることにした。

　ジャンプボールで奪ったボールを投げるのはクラスの人気者、福沢だった。真っ先に少し動きが鈍い丸山を狙って投げたのだが、丸山は紙一重で避けた。福沢の爽やかな顔が少し歪む。
　ボールを拾ったもう一人の外野、水内がまた丸山を狙う。再びなんとか避けた丸山。
　ボールを受け取った内野の加納がまた丸山を狙う。またギリギリで避ける。


　しかしそこで、敵の内野の井上がボールを拾ってしまった。井上は拾った場所から、全力でボールを投げる。



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