世界の終わりに
太陽がゆっくりと沈んでいく。
燃えるように赤い日差しが俺達を包んでいた。
「世界って、こんな風に終わっちゃうのかな。」
「……瑞貴。まだ世界に終わってほしい?」
「……もうどうでもいいかな。」
二人でフェンスにもたれて話している。
こんな風に二人で話せるのはいつまでだろうか。
いつか二人も離れていくのだろうか。
「ねぇ、朔。」
「なに?」
でも、俺は知っていた。
「最後の質問。いい?」
「どうぞ。」
同じ高校を選んだ理由も、昼休み毎に一緒にご飯を食べたがる理由も。
「例えば私達が生きている間に世界の終わりが来るとしてさ。
世界が終わるときに、私と一緒に居てくれる?」
瑞貴の顔が赤いのは、夕日のせいじゃない事も。
「OKしてやるから、素直に付き合ってくださいって言えよ。」
でも、俺の顔が赤いのは、夕日のせいに決まってる。
end