【OVA版】誕生編:第1章
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◆はじめに
・公式小説沿いですが、オリ展開もあります。
・夢主と真上の慣れ始めの話なので、真上(無自覚)→夢主、程度です。
・原作の流れは最低限の要約にして、似た台詞に変えてます。
・第1章は由木とスカーレットとの交流多め。真上の出番は少な目です(2章から増えます)
・海動は2章から出ます。
***
霜月誠を救助し、共に『紅の爪』と戦い、壊滅させてから、早半年。
ウィルヘルムからの依頼を受け続けてはいたが、真上の心の中では、ある不満が大きくなっていた。
――物足りない。
前から『潰し屋』としての戦いに、歯ごたえの無さを感じてはいたが、あの霜月との共闘の後からは、その不満は、一層強まった。
自分に匹敵する――いや、それ以上でも構わない。強敵と戦いたい。
――生きている事を、実感できる戦いがしたい。
その渇望は、時が経つごとに、増していった。
それと同時に、ブリューナクの戦いも、ずっと見続けてきた。
ある時は200体のロボットを、たった一体で倒した。
ある時は、戦場に到着してから、僅か5分で、敵を全て鎮圧した。
真上から見ても、霜月とブリューナクは、着実に強さを増していった。
そんな日々を送っているうちに、ある考えが浮かんできた。
――霜月が乗るブリューナクと、戦ってみたい。
見る限り、霜月の実力は、まだ自分より弱いが、迫ってはきている。
――しかし。白兵戦はともかく、問題はロボットの方だった。
軍部で流通している、世界一性能がいい2丁拳銃型ロボットでも、ブリューナクより性能が2,3段階落ちる。
(せめて、ブリューナクより一段階劣る、程度のロボットがあればな……)
弘法筆を選ばず、とはいう。実際真上も、ごく普通の性能のロボットで、高い性能のロボットを撃破してきた事は、数多くあった。
なんならオンボロ機体でも、成功した事は何度もある。
とはいえ、一流のパイロット同士の戦い、それも実力にあまり差が無い場合は、機体性能が有無を言うのは、当然の事だった。
――と、そこまで考え、
(……何を、馬鹿けた事を……)
霜月とブリューナクに執着している自分に気づき、真上は自嘲した。
――いや、自分の心境が以前と違うことに、もう気づいていた。
「また、霜月に会いたい」と思っていることを、認めざるを得なかった。
これまでの真上の人生で、「もう一度会いたい」という人間がいた事は、一度も無かった。
仕事関係の人間は別だが、あくまで損得勘定によるものだ。
真上に依頼する客は「結果」を求め、こちらは「スリリングな戦い」を求める。
そうして互いの利益だけを満たせれば、それで十分だったのだ。……今までは。
ふと視線を反らすと、たまたま映っていたニュース番組に、ブリューナクが映し出されていた。
(……もう霜月とは、会う機会は無い。それは分かり切っている事だろう……)
霜月は正規軍のエースパイロットで、真上は『潰し屋』だ。
『潰し屋』は身元がハッキリしないケースも多く、敵に情報が流れる可能性も0ではないため、正規軍の兵士と潰し屋は、あまり接触させないようにするのが、軍の方針だった。
(今後、霜月が俺の元へ来る可能性があるとすれば、俺を粛清しにくる時くらいか……。
そうなれば、面白い戦いになりそうだか……。可能性が高い話かというとな……)
――そうして、フラストレーションが溜まり続けていたある日。
コーラル・ステーションから、僥倖となる連絡が入った。
***
巨大ロボットによるテロ対策の切り札として、復元された、魔神「カイザー」。
カイザーは、たったの1体と、2人のパイロットだけで、数多の敵を葬り去っていった。
……のだが、この話は、その世界と少し違う、別の世界線の物語である。
元となった世界線をAとする。今回は、Aとよく似た、世界線Bの話だ。
B世界ではA世界より、テロ被害が深刻化するのが、数年早くなってしまった。
ただ幸い、カイザーが発する放射線が、完全に無くなるより早く、テロ対策の主戦力になりそうなロボットが、発掘された。
それが、槍術型戦闘ロボット『ブリューナク』だった。
騎士と天使が合わさったような見た目で、目にも止まらぬ神速と、恐ろしい貫通力を誇るロボットだった。
ただし、搭乗のための条件は厳しかった。槍術の秀でた腕だけではなく、神速についていける動体視力と、凄まじい重力に耐えうる、強靭な体が必要だった。
そのため、機体の持ち味を100%生かせるのは、スカーレット・ヒビキ大尉だけしかいなかった。だが、彼女も少し相性が悪かった。
そこで、2年前に「とある事情」で海兵隊を休職していた、槍術道場の師範代、霜月誠をスカウトした。
――結果は大成功だった。霜月が操縦するブリューナクは、秋田エリアで起きた巨大ロボットによるテロを、たった10分で鎮圧した。
その後、霜月は正式に採用されたが、まだ盤石の布陣とは言えなかった。
――そしてその頃、ようやく「カイザー」の復活プロジェクトが始まった。
・公式小説沿いですが、オリ展開もあります。
・夢主と真上の慣れ始めの話なので、真上(無自覚)→夢主、程度です。
・原作の流れは最低限の要約にして、似た台詞に変えてます。
・第1章は由木とスカーレットとの交流多め。真上の出番は少な目です(2章から増えます)
・海動は2章から出ます。
***
霜月誠を救助し、共に『紅の爪』と戦い、壊滅させてから、早半年。
ウィルヘルムからの依頼を受け続けてはいたが、真上の心の中では、ある不満が大きくなっていた。
――物足りない。
前から『潰し屋』としての戦いに、歯ごたえの無さを感じてはいたが、あの霜月との共闘の後からは、その不満は、一層強まった。
自分に匹敵する――いや、それ以上でも構わない。強敵と戦いたい。
――生きている事を、実感できる戦いがしたい。
その渇望は、時が経つごとに、増していった。
それと同時に、ブリューナクの戦いも、ずっと見続けてきた。
ある時は200体のロボットを、たった一体で倒した。
ある時は、戦場に到着してから、僅か5分で、敵を全て鎮圧した。
真上から見ても、霜月とブリューナクは、着実に強さを増していった。
そんな日々を送っているうちに、ある考えが浮かんできた。
――霜月が乗るブリューナクと、戦ってみたい。
見る限り、霜月の実力は、まだ自分より弱いが、迫ってはきている。
――しかし。白兵戦はともかく、問題はロボットの方だった。
軍部で流通している、世界一性能がいい2丁拳銃型ロボットでも、ブリューナクより性能が2,3段階落ちる。
(せめて、ブリューナクより一段階劣る、程度のロボットがあればな……)
弘法筆を選ばず、とはいう。実際真上も、ごく普通の性能のロボットで、高い性能のロボットを撃破してきた事は、数多くあった。
なんならオンボロ機体でも、成功した事は何度もある。
とはいえ、一流のパイロット同士の戦い、それも実力にあまり差が無い場合は、機体性能が有無を言うのは、当然の事だった。
――と、そこまで考え、
(……何を、馬鹿けた事を……)
霜月とブリューナクに執着している自分に気づき、真上は自嘲した。
――いや、自分の心境が以前と違うことに、もう気づいていた。
「また、霜月に会いたい」と思っていることを、認めざるを得なかった。
これまでの真上の人生で、「もう一度会いたい」という人間がいた事は、一度も無かった。
仕事関係の人間は別だが、あくまで損得勘定によるものだ。
真上に依頼する客は「結果」を求め、こちらは「スリリングな戦い」を求める。
そうして互いの利益だけを満たせれば、それで十分だったのだ。……今までは。
ふと視線を反らすと、たまたま映っていたニュース番組に、ブリューナクが映し出されていた。
(……もう霜月とは、会う機会は無い。それは分かり切っている事だろう……)
霜月は正規軍のエースパイロットで、真上は『潰し屋』だ。
『潰し屋』は身元がハッキリしないケースも多く、敵に情報が流れる可能性も0ではないため、正規軍の兵士と潰し屋は、あまり接触させないようにするのが、軍の方針だった。
(今後、霜月が俺の元へ来る可能性があるとすれば、俺を粛清しにくる時くらいか……。
そうなれば、面白い戦いになりそうだか……。可能性が高い話かというとな……)
――そうして、フラストレーションが溜まり続けていたある日。
コーラル・ステーションから、僥倖となる連絡が入った。
***
巨大ロボットによるテロ対策の切り札として、復元された、魔神「カイザー」。
カイザーは、たったの1体と、2人のパイロットだけで、数多の敵を葬り去っていった。
……のだが、この話は、その世界と少し違う、別の世界線の物語である。
元となった世界線をAとする。今回は、Aとよく似た、世界線Bの話だ。
B世界ではA世界より、テロ被害が深刻化するのが、数年早くなってしまった。
ただ幸い、カイザーが発する放射線が、完全に無くなるより早く、テロ対策の主戦力になりそうなロボットが、発掘された。
それが、槍術型戦闘ロボット『ブリューナク』だった。
騎士と天使が合わさったような見た目で、目にも止まらぬ神速と、恐ろしい貫通力を誇るロボットだった。
ただし、搭乗のための条件は厳しかった。槍術の秀でた腕だけではなく、神速についていける動体視力と、凄まじい重力に耐えうる、強靭な体が必要だった。
そのため、機体の持ち味を100%生かせるのは、スカーレット・ヒビキ大尉だけしかいなかった。だが、彼女も少し相性が悪かった。
そこで、2年前に「とある事情」で海兵隊を休職していた、槍術道場の師範代、霜月誠をスカウトした。
――結果は大成功だった。霜月が操縦するブリューナクは、秋田エリアで起きた巨大ロボットによるテロを、たった10分で鎮圧した。
その後、霜月は正式に採用されたが、まだ盤石の布陣とは言えなかった。
――そしてその頃、ようやく「カイザー」の復活プロジェクトが始まった。
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