白月の君といつまでも2

これまでのあらすじ


 葵花梨は、江古田高校二年生。
 白い髪と金色の瞳を持つ、少しばかり儚げな美少女。
 人の過去や未来を垣間見る不思議な力を持つ、普通ではない女の子。

 彼女は工藤新一と毛利蘭、鈴木園子と幼なじみ。
 幼い頃の花梨は、ある事情から男装し、男として育てられていた。

 五歳のときに母を亡くし、一時期工藤家で過ごすも、父とともに各都道府県を転々とすることに。
 父と各地を転々とした末、父の姉である伯母のもとで暮らしていた十二歳のある日、父も帰らぬ人となった。
 その後、花梨は母方の実家(長野県)に預けられることになったが、その家は特殊な家だった。

 資産家として知られるその旧家では、すでに次期当主候補の少女が寵愛されており、花梨は冷遇された。
 中学校では集団によるいじめ、家でも嫌がらせは日々エスカレートしていき、ついには中学三年生の秋に、追い出されることになった。

 家を追われた花梨は東京に戻り、一人暮らしを始める。
 かつて可愛がってくれた工藤有希子と連絡を取り、幼なじみの工藤新一と再会を果たした。
 新一は、あれやこれやと世話を焼いてくれる兄的な存在。
 花梨にとってもまた、苦しい過去を知る大切な存在だった。

 一方で、進学先の高校では、黒髪の鬘(かつら)と眼鏡で見た目を偽り、クラスメイトの黒羽快斗や中森青子らと仲良くなった。

 高校二年生の春。ある日、花梨は夜の散歩中、ビルの屋上で白い彼と出会った。
 彼の名は「怪盗キッド」――そして、その正体はクラスメイトの黒羽快斗。
 初めて素の花梨を見た快斗は、彼女に一瞬で心を奪われた。

 その日を境に、彼は白い髪の彼女を探し始める。
 出逢ったビルに連日通ってみたが、偶然の出逢いはそう容易く訪れるはずもない。
 何度目かの夜を越え、諦めかけた、そのとき。

 快斗はようやく彼女を見つけ出した。
 彼女は男たちに追われていた。

 そこに怪盗キッドが現れ、助けられた花梨。

 別れ際に花梨は、快斗だけにわかる質問をし、快斗は彼女がクラスメイトの花梨だと知る。
 その翌日から快斗の口説き落としが始まり、やがて花梨は陥落。快斗と恋人関係に発展した。

 だが、花梨には時間があまりなかった。

 母が亡くなる前日、未来視の力を持つ母はこう告げた。


『花梨の未来は十六歳で止まってる。その年の六月以降は真っ黒で見えない。ごめんね』


 花梨の母はよく当たる占い師で、米花町で人気だった。外れたことがない。

 だから花梨は、自分は六月に死ぬのだと思っていた。
 そして、十六歳の六月までは決して死ぬことはないのだと確信していた。

 東京に帰ってから、やっと苦しみから解放され、穏やかな日々を過ごす花梨。
 彼女は常に「十六歳の六月」を意識し、暮らしてきた。

 自分の最期はどんな最期なのだろう……。

 予想外にできた最愛の彼氏、黒羽快斗。
 もっと一緒にいたい――そう願うほど、迫り来る六月は近づいていた。

 快斗を置き去りにして、彼女は避けられない運命と向き合うため、自ら闇の中へ……。

 ――そして迎える、運命の十六歳の六月。
 彼女の身に一体何が起こったのか。

 闇の向こう側で動き出す、新たな運命の歯車。
 物語は、激動の第二巻へ――。



キャラクター紹介



葵 花梨(あおい かりん)※夢主

江古田高校二年生。白い髪と金色の瞳を持つ美少女。「人の過去と未来を覗く力」や、他の異能を持つ。
高校では黒髪の鬘と眼鏡で素顔を隠していた。快斗と恋人同士になり、限られた時間の中で幸せな日々を過ごしていたが、「十六歳の六月」という運命のタイムリミットを迎え――。



黒羽 快斗(くろば かいと) / 怪盗キッド

花梨のクラスメイトであり、最愛の恋人。その正体は世間を騒がせる「怪盗キッド」。
キッドとして逃走中、素顔の花梨と出逢い一目惚れ。のちに男たちに追われていた彼女を助けたことがきっかけで、彼女がクラスメイトの花梨であることに気がつき、猛アタックの末に恋人同士となった。



工藤 新一(くどう しんいち)

米花町に住む、花梨の幼なじみの高校生探偵。花梨にとっては、かつて辛い時期に手を差し伸べてくれた、あれこれと世話を焼いてくれる頼れるお兄ちゃんのような存在。ピノキオでいうジミニ―みたいな……。



江戸川 コナン(えどがわ こなん)

新一が飲まされた毒薬により、小さくなった姿。花梨が快斗と付き合いだしてから、自分も花梨を好きだったと気づき、諦められずにいる。



降谷 零(ふるや れい)

花梨とは四年前に知り合った仲。警察学校組で花梨に一番懐かれている人物。
警護契約をしたのは降谷だが、花梨は勝手に解除してしまった。その事実を、現在潜入捜査中で連絡が取れない降谷は知らない。



松田 陣平(まつだ じんぺい)

花梨とは四年前に知り合った仲。三年前、花梨の異能によって爆発から免れた。現在は、警視庁刑事部捜査第一課・特殊犯捜査係に所属している。どんな爆弾も確実に処理するため、爆処の神と呼ばれている。花梨を大事に思っており、いなくなった彼女の行方を秘密裏に捜している。



諸伏 景光(もろふし ひろみつ)

花梨とは四年前に知り合った仲。二年前、潜入捜査中に起こった出来事により、一部の記憶を失っている。しばらく入院していたが、現在はリハビリかたわら、花梨の警護を自主的に行っており、自分を「女神に仕える天使」だと自称している。警察学校組で快斗の正体を唯一知っている人物。




※物語の進行に合わせて、キャラクターの設定や関係性は随時更新されていきます。





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