夕陽には背を向けて
ある日、施設の備品がなくなった。犯人は告発により、すぐに判明した。
「かずがやったんだよ」
「そうなの?」
「……」
「黙っていないで何とか言いなさい」
「……」
「分かりました。認めるのね」
「……」
「悪い子は罰としてお仕置き部屋に行ってもらうことになるけど、それでいいのね?」
職員の言葉に周りからクスクスと笑いが起こる。かずの目がその中でも特に楽しそうに笑う少女の目と合った。彼女は一瞬、表情をこわばらせて視線をそらしたが、空を見るふりでごまかし、再び残酷な目に戻った。
(あの子、まさきのことが好きな子だ)
「かず!聞いてるの?」
職員の目が吊り上がった時、電話が鳴った。数回鳴り続けているが、誰かが取る気配はない。どうやら電話付近に誰もいないようだ。
「…ちょっと待っていなさい」
職員がドアを開けて出ていき、子供達もそれに合わせてばらばらと散っていく。さっきの少女がかずの近くに寄ってきて、
「いい気味ね」
と楽しそうに笑った。
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