第一章
夢小説設定
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言われた通り緑谷がいる会場に着くと、何か揉めている(様に見え)た緑谷と眼鏡君がいた。よくよく見ると眼鏡君は先程説明の時に質問していた少年だった。
周りの受験生たちはひそひそとそんな様子の二人(正確には緑谷)に対して何かを言っていた。柳弥はこういった雰囲気が得意じゃない。居心地の悪い雰囲気を直そうと二人に近づいた。
二人共気が付いて柳弥を見る。緑谷はほっとした表情で、対照的に眼鏡君はほぼ変わらずの表情だった。そんな状況に口を開いたのは、眼鏡君だった。
「君は彼の知り合いかい?随分と親しげにしていたようだが…」
そう言われるとは思っていなかったのか少し拍子抜けした(他人から見たら親しげに見えるのか、と)。実際は普通に話していただけなのだが。
「今日が初対面…なんだけど、」
ちら、っと緑谷の方に目をやれば出会った当初のようにおろおろとしていた。そんな様子をみてまたため息をついた。
ため息をつくと幸せが逃げる、なんていうがそんなことは気にしていない。逃げた分の幸せは誰かの幸せになってるだろう、なんて自論があったからだ。
眼鏡君が何か次の言葉を言おうとしていたタイミングで、マイクの声が聞こえてきた。柳弥にとってそれは嬉しい知らせでもある。この気まずい空気からの脱出と、この場所からの移動が同時にできる始まりを表す声だったからだ。
皆が動き出す前に柳弥は一人足を進める。眼鏡君はそれを見て止めようと手を伸ばそうとしていた。大方、話はまだ終わっていない、とでも言いたいのだろう。けれど。
「…実戦じゃカウントは存在しないよ、少年少女」
聞こえるか聞こえないかわからない声の大きさ、だが確かに柳弥が伝えた内容はその後マイクによって同じことが言われた。(正確には少し違うが、内容に差はなかった)
一足先に…と言っても、ほんの一、二分前に出ただけなのだが。これが実践では1分1秒を争っている。出遅れているようでは話にならない。歩きながら適当に出てきた1Pを倒そう、なんて思っていると早速現われてくれた…1P。
これはチャンス、そう思って巻き付けてもらった捕縛武器の先端を手に持つ。相手は1P…だが、動きが早い為油断はしていられない。その代わり脆いのが特徴だ。
可動部を壊してしまえば動けなくなる。突出した頭(のようなもの)から体に続く接合部、その付近を狙って捕縛武器を巻き付ける。
流石にこの重さのものを持ち上げるなんて芸当はできない、が。
捕縛武器をしっかりと持ち、ぐい、と勢いよく下に引っ張る。流石に完全に頭を地面に…とまではいかないが流石にバランスを崩した。そうしたら、右脚と次に左脚で地面を蹴り上げる。要するに上から蹴りつけてしまおうという魂胆だ。
空中で体を捻り、右脚で1Pの接合部…一番脆くなっているであろう場所を狙う。首にあたる部分の、中心部。
…見事、狙い通りに蹴りが決まり1Pは崩れていった。普通なら足を痛めているところだが、柳弥の靴には特殊な加工がしてあった。普段、あまり使うことがない靴だが…コスチュームの一部でもある。簡単に説明すると、蹴りの威力が上がる加工(それと足に負担にならないようになっている。その代わり少し重い為機動力に欠ける。試験の為に持ってきた。)
行動不能にすることが条件なので、これで得点になる。
無事に倒せたことに安堵しつつ、これから入学するであろう生徒たちの様子も見に行くために集まっている場所を”千里眼”を使って探し出す。
意外とすぐ近くの道路に集まっていることがわかり、そっちに向けて足を進める。
その際、出てきた1Pやら2Pやらを倒しながら。
20Pぐらいになっただろうか、まあこれぐらいあれば違和感ないだろうと柳弥は考えていた。
後5分といったところで人が集まっていた場所に到着した。
おおよそそろそろだろう。”ギミック”が動き出す時間は。
そう思っていたら、ちょうどその時だったようで。
大きな音を立て、”ギミック”が目の前に現れた。いや、正確には目の前ではないが。
その大きさから目の前に出た、そう思われてもおかしくないと感じていた。あの説明だけじゃ、ここまで大きい”ギミック”とは思われていないだろう。
柳弥が入試したときも思わなかった。
流石にこのギミックには手を出さないでおこう、と思っていたが。逃げ出す少年少女を見て、緑谷君を見つけた。逃げようとしていた。つい先ほどまで
けれど。
一人の少女が怪我をして転んでいた。このままでは危ないだろう、と柳弥が動くより先に。
緑谷の体が空高く浮いていた。正確には、蹴り上がっていた、と称するべきか。
___圧倒的脅威を見たときの人間の行動は正直だ。特に、0Pは一切メリットがない。だからこそ。
色濃く、浮かび上がることがある___と。
”ヒーローの大前提”……自己犠牲の精神。
残り、1分と5秒。目の前でぺしゃんこになった0Pを見て流石の柳弥もおお、と声を発する。一人の少女を助ける為だけに、自らがボロボロになりながらも成し遂げたのだ。
…そう、ボロボロになりながら。そして支えを失った体は落下していく。助けるべきか、とも思ったがどうやら少女が助けに行っているようで出る幕はなかった。
地面に降りてくるまでの間に柳弥は考えを整理し始めた___
周りの受験生たちはひそひそとそんな様子の二人(正確には緑谷)に対して何かを言っていた。柳弥はこういった雰囲気が得意じゃない。居心地の悪い雰囲気を直そうと二人に近づいた。
二人共気が付いて柳弥を見る。緑谷はほっとした表情で、対照的に眼鏡君はほぼ変わらずの表情だった。そんな状況に口を開いたのは、眼鏡君だった。
「君は彼の知り合いかい?随分と親しげにしていたようだが…」
そう言われるとは思っていなかったのか少し拍子抜けした(他人から見たら親しげに見えるのか、と)。実際は普通に話していただけなのだが。
「今日が初対面…なんだけど、」
ちら、っと緑谷の方に目をやれば出会った当初のようにおろおろとしていた。そんな様子をみてまたため息をついた。
ため息をつくと幸せが逃げる、なんていうがそんなことは気にしていない。逃げた分の幸せは誰かの幸せになってるだろう、なんて自論があったからだ。
眼鏡君が何か次の言葉を言おうとしていたタイミングで、マイクの声が聞こえてきた。柳弥にとってそれは嬉しい知らせでもある。この気まずい空気からの脱出と、この場所からの移動が同時にできる始まりを表す声だったからだ。
皆が動き出す前に柳弥は一人足を進める。眼鏡君はそれを見て止めようと手を伸ばそうとしていた。大方、話はまだ終わっていない、とでも言いたいのだろう。けれど。
「…実戦じゃカウントは存在しないよ、少年少女」
聞こえるか聞こえないかわからない声の大きさ、だが確かに柳弥が伝えた内容はその後マイクによって同じことが言われた。(正確には少し違うが、内容に差はなかった)
一足先に…と言っても、ほんの一、二分前に出ただけなのだが。これが実践では1分1秒を争っている。出遅れているようでは話にならない。歩きながら適当に出てきた1Pを倒そう、なんて思っていると早速現われてくれた…1P。
これはチャンス、そう思って巻き付けてもらった捕縛武器の先端を手に持つ。相手は1P…だが、動きが早い為油断はしていられない。その代わり脆いのが特徴だ。
可動部を壊してしまえば動けなくなる。突出した頭(のようなもの)から体に続く接合部、その付近を狙って捕縛武器を巻き付ける。
流石にこの重さのものを持ち上げるなんて芸当はできない、が。
捕縛武器をしっかりと持ち、ぐい、と勢いよく下に引っ張る。流石に完全に頭を地面に…とまではいかないが流石にバランスを崩した。そうしたら、右脚と次に左脚で地面を蹴り上げる。要するに上から蹴りつけてしまおうという魂胆だ。
空中で体を捻り、右脚で1Pの接合部…一番脆くなっているであろう場所を狙う。首にあたる部分の、中心部。
…見事、狙い通りに蹴りが決まり1Pは崩れていった。普通なら足を痛めているところだが、柳弥の靴には特殊な加工がしてあった。普段、あまり使うことがない靴だが…コスチュームの一部でもある。簡単に説明すると、蹴りの威力が上がる加工(それと足に負担にならないようになっている。その代わり少し重い為機動力に欠ける。試験の為に持ってきた。)
行動不能にすることが条件なので、これで得点になる。
無事に倒せたことに安堵しつつ、これから入学するであろう生徒たちの様子も見に行くために集まっている場所を”千里眼”を使って探し出す。
意外とすぐ近くの道路に集まっていることがわかり、そっちに向けて足を進める。
その際、出てきた1Pやら2Pやらを倒しながら。
20Pぐらいになっただろうか、まあこれぐらいあれば違和感ないだろうと柳弥は考えていた。
後5分といったところで人が集まっていた場所に到着した。
おおよそそろそろだろう。”ギミック”が動き出す時間は。
そう思っていたら、ちょうどその時だったようで。
大きな音を立て、”ギミック”が目の前に現れた。いや、正確には目の前ではないが。
その大きさから目の前に出た、そう思われてもおかしくないと感じていた。あの説明だけじゃ、ここまで大きい”ギミック”とは思われていないだろう。
柳弥が入試したときも思わなかった。
流石にこのギミックには手を出さないでおこう、と思っていたが。逃げ出す少年少女を見て、緑谷君を見つけた。逃げようとしていた。つい先ほどまで
けれど。
一人の少女が怪我をして転んでいた。このままでは危ないだろう、と柳弥が動くより先に。
緑谷の体が空高く浮いていた。正確には、蹴り上がっていた、と称するべきか。
___圧倒的脅威を見たときの人間の行動は正直だ。特に、0Pは一切メリットがない。だからこそ。
色濃く、浮かび上がることがある___と。
”ヒーローの大前提”……自己犠牲の精神。
残り、1分と5秒。目の前でぺしゃんこになった0Pを見て流石の柳弥もおお、と声を発する。一人の少女を助ける為だけに、自らがボロボロになりながらも成し遂げたのだ。
…そう、ボロボロになりながら。そして支えを失った体は落下していく。助けるべきか、とも思ったがどうやら少女が助けに行っているようで出る幕はなかった。
地面に降りてくるまでの間に柳弥は考えを整理し始めた___