第一章
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「最下位除籍って…!入学初日ですよ!?いや、初日じゃなくても…理不尽すぎる!!」
確かにね。彼女が言うことも一理あるのかもしれない。けれど、相澤にも考えがあったからこその発言と判断だというのは理解してほしい。…まあ、初対面でいきなりこれだと印象最悪だろうなと柳弥は感じていた。
「自然災害…大事故…身勝手な、敵 たち…
いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれてる。」
「そういう理不尽 を覆していくのがヒーロー」
これは、相澤なりの優しさでもある。中途半端に夢を追いかけていくことが、一番辛いことだということを。だから、ここで意識を変えさせているのだ。この意図を完全に理解できなくても構わない。今はただ、目の前のことに全力で。
「放課後マックで談笑したかったならお生憎。
これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」
「”Plus Ultra ”さ。全力で乗り越えて来い」
さっきまでとは空気が変わった気がした。皆腹を括ったのだろう。柳弥も頑張らなけらばならないと感じていた。手を抜こうものなら、後で絶対大変なことになるだろう。
「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ。」
第一種目が始まる_______
柳弥は出席番号21で、皆の個性を一目見る時間が生まれる。この点に関しては有難かった。個性を使わずにやろうと考えていたのだが、相澤が使えと言わんばかりに睨んできていたのでそうもいかなかったのだ。
…50m走の結果を見るに、一番早いのは飯田だと判断。3秒04という記録を出していた。見たところ発動型。なら…柳弥はトレースができる。そう思って話しかけに行くことにした。
「む?君は…」
傍まで行くと声を掛けるより先に話しかけられてしまった。だが、柳弥にとっては好都合でもある。
「僕は闇谷柳弥、50m走早かったから…ちょっと気になって」
「僕は飯田天哉だ、俺は別に構わないが…闇谷くんはまだだろう?用意をしなくても大丈夫なのか?」
「あー…まあ、ね。一番最後だから……あと柳弥でいいよ、その方が僕的には嬉しいかな…」
そんな会話をしながら飯田の隣に立つ。さて、どうしようか。
「そうだったのか!それはすまない事をした、では遠慮なく柳弥くんと呼ばせて貰おう」
そうこうしてるうちに出番が近くなってきていた。他の個性も見ておきたいという気持ちもあって単刀直入に聞くことに。
「飯田君の個性って何?」
「ぼ…俺の個性は”エンジン”だ。そういう柳弥くんの個性はどうなんだ?」
エンジン。なるほど、だからあんなに早く走ることができたのか。
「んー…二つあってね。片方はこれじゃ役に立たない奴…」
ごまかしながら伝える。詳しく伝えても構わなかったが、なんとなくだ。
「どんなものかは教えてくれないのか?」
「…まあ、隠しても仕方ないかな。”千里眼”と”トレース”、飯田くんの”エンジン”はもっと速く走れたりするの?」
時間がない。そう思って話を早々に切り替える。柳弥の個性を詳しく聞かれる前に。
「そうだな。だが50m走じゃ3速までしか出すことができなかった。もっと長い距離ならスピードが出せるんだが…」
…成程、簡単だが理解が出来た。要するに、足のエンジンはある程度切り替えができるという事。それこそ、自転車についているギアのように。50mじゃ3速…つまり、先ほどの数値が限度。
同じ個性なら、同じ結果になる。
「…そっか、ありがとう。一つだけお願いがあるんだけど…」
そう言って手を出す。握手の意だ。相手の個性を使うためには触れなければならないから。
「握手、して欲しいんだけど…ダメか?」
そう言ってちらり、と50m走の進み具合を見る。八百万が走る準備をしているのを確認すると、ダメだった場合は普通に走ることになるな、と感じていた。
「もちろんいいとも!!これからよろしく頼む!」
ぶんぶん、と握手をされた手を上下に振られれば、多少驚きつつもこちらこそ、と言葉を交わす。その隙に、トレースを発動させて。
見た目に変化があるとすれば、多少目の色が変わるぐらいか。といっても、両目が青(黒より)になる程度だった。注意してみたらわかる程度の変化。
「じゃあ…僕も走ってくるよ。」
そう言って手を放してもらえばトレースできてるか確認をする前にズボンの裾をある程度まくっておく。飯田の格好を見るにジャージだと入らなさそうだったからだ。
「ああ!俺も柳弥くんの個性がどんなものかを見させてもらうとする!!」
そう言われれば柳弥は小さく、けれど聞こえるように一言だけ告げた。
「きっと驚くよ、僕の個性」
そう言って指定の位置まで歩いていく。丁度着いたころには八百万達が終わっていた。
「…じゃ、次。柳弥と…いや、一人だったな。」
「…わかってるくせに」
生徒に聞こえない様に小さく返事をすると軽く体を動かして背筋を伸ばす。猫背だと速度が出ない恐れがあったというのもあるが、急に動かすことで何か支障が出てもいけない。
「………んじゃ、使うか。」
スタートと同時に”エンジン”を発動させる。脚にエンジンが増えるというのは感覚として妙な感じだったが、それもすぐに終わる。元々、個性を使わなくても柳弥は足が速かった。今測れば素だけでも4秒台に乗れるだろう。
……エンジンを使用した速度は、飯田と同じく”3秒04”を記録していた。ゴール地点で”エンジン”の発動を終えると裾を直す。折角他の個性を見て、使える機会があるのに使わない手はなかった。
借りた個性を記憶から消す。正確には”トレース”した個性をまた触れないといけない状態に戻すといったほうが正しいのかもしれない。方法は指パッチン。昔は中々できなくて苦労したものだ。
ゴール地点で柳弥を待っていた(多分)八百万がとても驚いた表情で立っていた。というか。
「あれは柳弥さん本来の個性ですの!?それとも…!!」
___怒涛の質問攻め。
「僕の個性の片方が、”トレース”って言って…簡単に言うと他人の個性を使える……だから、さっき飯田君の所に行ってたんだけど…」
そう言って八百万に説明を始める。といっても簡単に、だが。本格的に説明をしようと思うと長くなってしまう。
「成程…!それで私が走る前に居なかったんですのね!納得しましたわ!とても便利な個性ですわね…!」
「と言っても…反動が持ち主の1.5倍重たいっていうデメリットがあるから…あんまり多用はできない、かな。」
そんな説明をしながら次の種目へと移る。
ちなみに。二人で組む測定は人数の都合上どうしても一人になってしまうという(例をあげると上体起こし等手助けが必要な物)………合理的に考えた結果、相澤と組むことになっている。生徒に頼むほうがいいのだろうが、柳弥はあまり他人に触れられるのが好きではないためこの判断に至った。
飯田の元へと行きたかったのだが、八百万が放してくれそうもないので断念して次の測定へと進むことにした。
第二種目、握力。八百万の個性を借りようとも思ったが、流石に連続でやるには疲れが生じる。その為素の身体能力で挑むことに。
記録としては35キロと女子にしては中々な記録が出た事に安堵。
八百万はというと、最初こそ個性を使ってほしそうに見ていたが詳しく個性の話を聞いて柳弥は自分じゃ扱いきれないものだと判断して断っていた。まずエネルギーが必要だという時点で無理だった。(小食が故に。)
ここからは特に面白いこともなかったので結果だけ。
第三種目、立ち幅跳びは2m50cm。
第四種目、反復横跳びは55回。
第五種目、ボール投げ。
_____事件はここで起きる。
確かにね。彼女が言うことも一理あるのかもしれない。けれど、相澤にも考えがあったからこその発言と判断だというのは理解してほしい。…まあ、初対面でいきなりこれだと印象最悪だろうなと柳弥は感じていた。
「自然災害…大事故…身勝手な、
いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれてる。」
「そういう
これは、相澤なりの優しさでもある。中途半端に夢を追いかけていくことが、一番辛いことだということを。だから、ここで意識を変えさせているのだ。この意図を完全に理解できなくても構わない。今はただ、目の前のことに全力で。
「放課後マックで談笑したかったならお生憎。
これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」
「”
さっきまでとは空気が変わった気がした。皆腹を括ったのだろう。柳弥も頑張らなけらばならないと感じていた。手を抜こうものなら、後で絶対大変なことになるだろう。
「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ。」
第一種目が始まる_______
柳弥は出席番号21で、皆の個性を一目見る時間が生まれる。この点に関しては有難かった。個性を使わずにやろうと考えていたのだが、相澤が使えと言わんばかりに睨んできていたのでそうもいかなかったのだ。
…50m走の結果を見るに、一番早いのは飯田だと判断。3秒04という記録を出していた。見たところ発動型。なら…柳弥はトレースができる。そう思って話しかけに行くことにした。
「む?君は…」
傍まで行くと声を掛けるより先に話しかけられてしまった。だが、柳弥にとっては好都合でもある。
「僕は闇谷柳弥、50m走早かったから…ちょっと気になって」
「僕は飯田天哉だ、俺は別に構わないが…闇谷くんはまだだろう?用意をしなくても大丈夫なのか?」
「あー…まあ、ね。一番最後だから……あと柳弥でいいよ、その方が僕的には嬉しいかな…」
そんな会話をしながら飯田の隣に立つ。さて、どうしようか。
「そうだったのか!それはすまない事をした、では遠慮なく柳弥くんと呼ばせて貰おう」
そうこうしてるうちに出番が近くなってきていた。他の個性も見ておきたいという気持ちもあって単刀直入に聞くことに。
「飯田君の個性って何?」
「ぼ…俺の個性は”エンジン”だ。そういう柳弥くんの個性はどうなんだ?」
エンジン。なるほど、だからあんなに早く走ることができたのか。
「んー…二つあってね。片方はこれじゃ役に立たない奴…」
ごまかしながら伝える。詳しく伝えても構わなかったが、なんとなくだ。
「どんなものかは教えてくれないのか?」
「…まあ、隠しても仕方ないかな。”千里眼”と”トレース”、飯田くんの”エンジン”はもっと速く走れたりするの?」
時間がない。そう思って話を早々に切り替える。柳弥の個性を詳しく聞かれる前に。
「そうだな。だが50m走じゃ3速までしか出すことができなかった。もっと長い距離ならスピードが出せるんだが…」
…成程、簡単だが理解が出来た。要するに、足のエンジンはある程度切り替えができるという事。それこそ、自転車についているギアのように。50mじゃ3速…つまり、先ほどの数値が限度。
同じ個性なら、同じ結果になる。
「…そっか、ありがとう。一つだけお願いがあるんだけど…」
そう言って手を出す。握手の意だ。相手の個性を使うためには触れなければならないから。
「握手、して欲しいんだけど…ダメか?」
そう言ってちらり、と50m走の進み具合を見る。八百万が走る準備をしているのを確認すると、ダメだった場合は普通に走ることになるな、と感じていた。
「もちろんいいとも!!これからよろしく頼む!」
ぶんぶん、と握手をされた手を上下に振られれば、多少驚きつつもこちらこそ、と言葉を交わす。その隙に、トレースを発動させて。
見た目に変化があるとすれば、多少目の色が変わるぐらいか。といっても、両目が青(黒より)になる程度だった。注意してみたらわかる程度の変化。
「じゃあ…僕も走ってくるよ。」
そう言って手を放してもらえばトレースできてるか確認をする前にズボンの裾をある程度まくっておく。飯田の格好を見るにジャージだと入らなさそうだったからだ。
「ああ!俺も柳弥くんの個性がどんなものかを見させてもらうとする!!」
そう言われれば柳弥は小さく、けれど聞こえるように一言だけ告げた。
「きっと驚くよ、僕の個性」
そう言って指定の位置まで歩いていく。丁度着いたころには八百万達が終わっていた。
「…じゃ、次。柳弥と…いや、一人だったな。」
「…わかってるくせに」
生徒に聞こえない様に小さく返事をすると軽く体を動かして背筋を伸ばす。猫背だと速度が出ない恐れがあったというのもあるが、急に動かすことで何か支障が出てもいけない。
「………んじゃ、使うか。」
スタートと同時に”エンジン”を発動させる。脚にエンジンが増えるというのは感覚として妙な感じだったが、それもすぐに終わる。元々、個性を使わなくても柳弥は足が速かった。今測れば素だけでも4秒台に乗れるだろう。
……エンジンを使用した速度は、飯田と同じく”3秒04”を記録していた。ゴール地点で”エンジン”の発動を終えると裾を直す。折角他の個性を見て、使える機会があるのに使わない手はなかった。
借りた個性を記憶から消す。正確には”トレース”した個性をまた触れないといけない状態に戻すといったほうが正しいのかもしれない。方法は指パッチン。昔は中々できなくて苦労したものだ。
ゴール地点で柳弥を待っていた(多分)八百万がとても驚いた表情で立っていた。というか。
「あれは柳弥さん本来の個性ですの!?それとも…!!」
___怒涛の質問攻め。
「僕の個性の片方が、”トレース”って言って…簡単に言うと他人の個性を使える……だから、さっき飯田君の所に行ってたんだけど…」
そう言って八百万に説明を始める。といっても簡単に、だが。本格的に説明をしようと思うと長くなってしまう。
「成程…!それで私が走る前に居なかったんですのね!納得しましたわ!とても便利な個性ですわね…!」
「と言っても…反動が持ち主の1.5倍重たいっていうデメリットがあるから…あんまり多用はできない、かな。」
そんな説明をしながら次の種目へと移る。
ちなみに。二人で組む測定は人数の都合上どうしても一人になってしまうという(例をあげると上体起こし等手助けが必要な物)………合理的に考えた結果、相澤と組むことになっている。生徒に頼むほうがいいのだろうが、柳弥はあまり他人に触れられるのが好きではないためこの判断に至った。
飯田の元へと行きたかったのだが、八百万が放してくれそうもないので断念して次の測定へと進むことにした。
第二種目、握力。八百万の個性を借りようとも思ったが、流石に連続でやるには疲れが生じる。その為素の身体能力で挑むことに。
記録としては35キロと女子にしては中々な記録が出た事に安堵。
八百万はというと、最初こそ個性を使ってほしそうに見ていたが詳しく個性の話を聞いて柳弥は自分じゃ扱いきれないものだと判断して断っていた。まずエネルギーが必要だという時点で無理だった。(小食が故に。)
ここからは特に面白いこともなかったので結果だけ。
第三種目、立ち幅跳びは2m50cm。
第四種目、反復横跳びは55回。
第五種目、ボール投げ。
_____事件はここで起きる。