第一章
夢小説設定
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___雄英のシステムは、良くも悪くも”変わっている”。そのうちの一つが、この”個性把握テスト”である。
正確に言えば、相澤の独断で決行されているが……それが許されるのも、”変わっている”と称した所にあった。
「「個性把握テストォ!?」」
生徒全員がグラウンドに集まったのを確認して相澤が目的を口にした。誰もが予想できなかったその内容に生徒の大多数が声を揃えて驚いていた。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
この質問もここにいる生徒の多くが思っていた事であろう。そんな質問を受けても尚相澤は態度を変えることなく告げていく。
「ヒーローになるならそんな悠長な時間ないよ」
ヒーロー候補生と言えど、まだ学生。ましてやこの間中学を卒業したばかりな卵たちにこの言葉を言えるのは相澤が合理主義であるという事が関係していた。
「雄英は”自由”な校風が売り文句。そしてそれは”先生側”もまた然り」
そう言いながら一つの端末を操作して全員に見えるように見せる。
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈…中学の頃からやってきただろ?”個性”禁止の体力テスト。」
「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ。」
…合理的じゃない、その言葉を聞いて柳弥は思わず苦笑いを浮かべていた。確かに、合理的じゃないことを国はずっと続けているな、と密かに想いながら。
言葉より行動だ、と言わんばかりに相澤がボールを一つ手に取った。
「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった。」
「67m」
「じゃあ”個性”を使ってやってみろ。
円から出なきゃ何をしてもいい。早よ。」
そう言って相澤はボールを投げて爆豪に渡す。柳弥が今いる位置だと殆ど見えない(ことはないが、一応念のために)前の方へ移動して爆豪の個性を確認することにした。
「思いっ切りな。」
その言葉を聞いて爆豪が構える。
「んじゃまぁ…」
「死ねぇ!!!」
おいおい、少年それはないだろ。柳弥は呆れてその言葉を聞いていた。大方、この言葉に皆疑問を抱えたんじゃないか?
仮にもヒーロー志望、言動がきつ過ぎるのはこれからに影響を及ぼす。実力がある分、尚更。
「まず自分の「最大限」を知る。
それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段。」
端末に記録されていたのは”705.2m”という数字。言葉こそアレだったが、爆豪はすさまじい威力でその記録をたたき出していた。
「なんだこれ!すげー面白そう!!」
「705mってマジかよ」
「”個性”思いっ切り使えるんだ!さすがヒーロー科!!」
生徒たちが口々に騒ぎ出すと柳弥も相澤も同じことを感じていた。
「「面白そう……か」」
思わず口にしていたが、どうやら聞こえていなかったようで柳弥を見た生徒は一人もいなかった。
同じタイミングで言った、相澤の言葉に皆耳を傾けていたからだ。
「ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
「よし。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し……」
「除籍処分としよう」
その言葉で先程までの空気が一転した。理不尽なその言葉に皆不満を口にする。そりゃそうだろう、入ったばかりなのにいきなり除籍なんて。冗談でも聞きたくない言葉だ。
「生徒の如何 は先生 の自由」
前髪を掻き上げながら言葉を続けた。
「ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
これが虚偽になるのか、はたまた本当に実行されるのかというのは生徒自身に掛かっている。相澤は見込みがあると判断すれば発言を撤回する事がある。実際、柳弥も過去に除籍処分されかけていた事があった。
乗り切れよ、少年少女。これはまだ最初の試練に過ぎない。
正確に言えば、相澤の独断で決行されているが……それが許されるのも、”変わっている”と称した所にあった。
「「個性把握テストォ!?」」
生徒全員がグラウンドに集まったのを確認して相澤が目的を口にした。誰もが予想できなかったその内容に生徒の大多数が声を揃えて驚いていた。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
この質問もここにいる生徒の多くが思っていた事であろう。そんな質問を受けても尚相澤は態度を変えることなく告げていく。
「ヒーローになるならそんな悠長な時間ないよ」
ヒーロー候補生と言えど、まだ学生。ましてやこの間中学を卒業したばかりな卵たちにこの言葉を言えるのは相澤が合理主義であるという事が関係していた。
「雄英は”自由”な校風が売り文句。そしてそれは”先生側”もまた然り」
そう言いながら一つの端末を操作して全員に見えるように見せる。
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈…中学の頃からやってきただろ?”個性”禁止の体力テスト。」
「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ。」
…合理的じゃない、その言葉を聞いて柳弥は思わず苦笑いを浮かべていた。確かに、合理的じゃないことを国はずっと続けているな、と密かに想いながら。
言葉より行動だ、と言わんばかりに相澤がボールを一つ手に取った。
「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった。」
「67m」
「じゃあ”個性”を使ってやってみろ。
円から出なきゃ何をしてもいい。早よ。」
そう言って相澤はボールを投げて爆豪に渡す。柳弥が今いる位置だと殆ど見えない(ことはないが、一応念のために)前の方へ移動して爆豪の個性を確認することにした。
「思いっ切りな。」
その言葉を聞いて爆豪が構える。
「んじゃまぁ…」
「死ねぇ!!!」
おいおい、少年それはないだろ。柳弥は呆れてその言葉を聞いていた。大方、この言葉に皆疑問を抱えたんじゃないか?
仮にもヒーロー志望、言動がきつ過ぎるのはこれからに影響を及ぼす。実力がある分、尚更。
「まず自分の「最大限」を知る。
それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段。」
端末に記録されていたのは”705.2m”という数字。言葉こそアレだったが、爆豪はすさまじい威力でその記録をたたき出していた。
「なんだこれ!すげー面白そう!!」
「705mってマジかよ」
「”個性”思いっ切り使えるんだ!さすがヒーロー科!!」
生徒たちが口々に騒ぎ出すと柳弥も相澤も同じことを感じていた。
「「面白そう……か」」
思わず口にしていたが、どうやら聞こえていなかったようで柳弥を見た生徒は一人もいなかった。
同じタイミングで言った、相澤の言葉に皆耳を傾けていたからだ。
「ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
「よし。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し……」
「除籍処分としよう」
その言葉で先程までの空気が一転した。理不尽なその言葉に皆不満を口にする。そりゃそうだろう、入ったばかりなのにいきなり除籍なんて。冗談でも聞きたくない言葉だ。
「生徒の
前髪を掻き上げながら言葉を続けた。
「ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
これが虚偽になるのか、はたまた本当に実行されるのかというのは生徒自身に掛かっている。相澤は見込みがあると判断すれば発言を撤回する事がある。実際、柳弥も過去に除籍処分されかけていた事があった。
乗り切れよ、少年少女。これはまだ最初の試練に過ぎない。