第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は早く起きて用意をしよう、そう思って昨夜寝たはず。そう、早く起きようと思っていたのだが。やはり朝に弱い柳弥は今日も相澤に起こされていた。いつもの通り、布団をはぎ取られて。
「……おはよう」
うう、と小さく唸りながら柳弥が起き上がった。目は殆ど開いておらず、まだどこか寝ぼけているのは相澤にもわかっていた。だが、珍しく素直に起きてきたな、と感心していたのもまた事実。
「おはよう」
そう声を掛けながら、部屋を後にした相澤の背中を柳弥は眺めていた。
朝食を食べ終わると相澤が家を出ようとしているのが見えたので柳弥は声を掛けた。
「…消太、」
その言葉は一緒に行きたい、と示すもので。相澤も理解しているのだろう、それに対して口を開いた。
「制服じゃないのか、お前は」
柳弥は何も言わなかった。正確には、何も言えなかった。確かにその通りで。学校で着替えようとも思っていたのだが流石に許されなかった。生徒と先生が並んで歩くというだけでは問題ないように思えるが、一応柳弥は女子だった。
どこか悲しげにしている柳弥に相澤が言葉を続ける。
「………冗談だ。さっさと準備してこい、待っててやるから」
合理的に事を進める相澤がそう言うとは思っていなかったのか柳弥は一瞬反応が遅れた。だが、その直後すぐに部屋へと戻っていった。
そんな様子を見ていた相澤は、どこか嬉しそうだった。
学校に着くまでの会話は大したものでもなかった。大丈夫か、と相澤は心配していたが柳弥は大丈夫だと答えていた。確かに、これからどうなるかという事に不安はあった。それ以上に自分が馴染めるかという事。けれど、緑谷もいる。誰も知り合いがいないというわけじゃない。
そう思っていた柳弥は、大丈夫だと言えたのだ。
職員室に着くと相澤と別れる。だがまだ教室に行くには時間がありすぎる。
「消太…仮眠室の鍵頂戴…」
欠伸をしながら柳弥が相澤にそう言うと相澤はため息を一つつきながら答えてくれた。
「学校では先生を付けろ、仮眠室を使うのはいいが…きちんと起きろよ」
そう言うと職員室から仮眠室の鍵を持ってきて柳弥に手渡す。受け取った柳弥は善処する、と言って仮眠室の方向へと歩き出した。
仮眠室は昔からよく利用していた場所でもあり、慣れている場所だった。鞄を置くとブレザーを脱いでネクタイを緩める。アラームを開始10分前にセットしたのを確認すると横になった。
寝つきはいい方ですぐさま眠りについた。
………開始5分前、仮眠室にはマイクが来ていた。相澤から話を聞いて、起きていないようだったら起こせ、と言われていた。案の定、未だに夢の中の柳弥が仮眠室に居た。
息を吸い込んで、大声でマイクが喋る。
「Good morning!朝だぜ柳弥!!!」
その声は柳弥が過去に何度も起こされた声だった。
「う”…っるさ…っ」
バッ、と起き上がると涙目になりながら耳を抑えて柳弥がマイクを睨みつけていた。この光景も、相澤からしたらいつもの光景だろう。
「イレイザーが起こせって言ってたからな!でも、目は覚めただろ~?」
アラームの時間より5分過ぎている事を確認すると、ネクタイを直し始めた。マイクはその間、櫛を取り出して柳弥の乱れた髪を直していた。変な髪型にはしないで、と柳弥が伝えながらよれたシャツを直す。
終わったぜとマイクが笑顔で伝えると、柳弥は後で鏡で確認しようと考えていた。持ち歩いている、なんてことはなかった。むしろなぜマイクは櫛を持ち歩いているのだろうなんてことを考えている。
「ほらよ」
そう言ってブレザーを投げて渡されるともぞもぞとそれを羽織る。ボタンを締めているとマイクが襟を正してくれていた。子供の容易じゃあるまいし、と内心思っていたが時間がないという事も理解していたので何も言わなかった。
「鍵は貰っとくからよ~、ほれ!さっさと行ってこい!!」
バシ、と音がするほどに背中を叩かれ(押され)て教室のほうへと早歩きで向かった。その際に、マイクに対してお礼を忘れずに伝えて。
自分で用意するよりかは合理的だったな、なんて考えているとつくづく合理的思想になってきたなと笑って。
教室に着くと、入口近くで緑谷と少女が話しているのが見えた。少女は試験の時に緑谷が助けた子だと気付いた、その時丁度予鈴のチャイムが鳴り響いた。
「……」
柳弥に気付いていないのかそのまま話を続ける二人に対して何か声を掛けようと思った時に後ろから声が掛かった。
「……おはよう」
うう、と小さく唸りながら柳弥が起き上がった。目は殆ど開いておらず、まだどこか寝ぼけているのは相澤にもわかっていた。だが、珍しく素直に起きてきたな、と感心していたのもまた事実。
「おはよう」
そう声を掛けながら、部屋を後にした相澤の背中を柳弥は眺めていた。
朝食を食べ終わると相澤が家を出ようとしているのが見えたので柳弥は声を掛けた。
「…消太、」
その言葉は一緒に行きたい、と示すもので。相澤も理解しているのだろう、それに対して口を開いた。
「制服じゃないのか、お前は」
柳弥は何も言わなかった。正確には、何も言えなかった。確かにその通りで。学校で着替えようとも思っていたのだが流石に許されなかった。生徒と先生が並んで歩くというだけでは問題ないように思えるが、一応柳弥は女子だった。
どこか悲しげにしている柳弥に相澤が言葉を続ける。
「………冗談だ。さっさと準備してこい、待っててやるから」
合理的に事を進める相澤がそう言うとは思っていなかったのか柳弥は一瞬反応が遅れた。だが、その直後すぐに部屋へと戻っていった。
そんな様子を見ていた相澤は、どこか嬉しそうだった。
学校に着くまでの会話は大したものでもなかった。大丈夫か、と相澤は心配していたが柳弥は大丈夫だと答えていた。確かに、これからどうなるかという事に不安はあった。それ以上に自分が馴染めるかという事。けれど、緑谷もいる。誰も知り合いがいないというわけじゃない。
そう思っていた柳弥は、大丈夫だと言えたのだ。
職員室に着くと相澤と別れる。だがまだ教室に行くには時間がありすぎる。
「消太…仮眠室の鍵頂戴…」
欠伸をしながら柳弥が相澤にそう言うと相澤はため息を一つつきながら答えてくれた。
「学校では先生を付けろ、仮眠室を使うのはいいが…きちんと起きろよ」
そう言うと職員室から仮眠室の鍵を持ってきて柳弥に手渡す。受け取った柳弥は善処する、と言って仮眠室の方向へと歩き出した。
仮眠室は昔からよく利用していた場所でもあり、慣れている場所だった。鞄を置くとブレザーを脱いでネクタイを緩める。アラームを開始10分前にセットしたのを確認すると横になった。
寝つきはいい方ですぐさま眠りについた。
………開始5分前、仮眠室にはマイクが来ていた。相澤から話を聞いて、起きていないようだったら起こせ、と言われていた。案の定、未だに夢の中の柳弥が仮眠室に居た。
息を吸い込んで、大声でマイクが喋る。
「Good morning!朝だぜ柳弥!!!」
その声は柳弥が過去に何度も起こされた声だった。
「う”…っるさ…っ」
バッ、と起き上がると涙目になりながら耳を抑えて柳弥がマイクを睨みつけていた。この光景も、相澤からしたらいつもの光景だろう。
「イレイザーが起こせって言ってたからな!でも、目は覚めただろ~?」
アラームの時間より5分過ぎている事を確認すると、ネクタイを直し始めた。マイクはその間、櫛を取り出して柳弥の乱れた髪を直していた。変な髪型にはしないで、と柳弥が伝えながらよれたシャツを直す。
終わったぜとマイクが笑顔で伝えると、柳弥は後で鏡で確認しようと考えていた。持ち歩いている、なんてことはなかった。むしろなぜマイクは櫛を持ち歩いているのだろうなんてことを考えている。
「ほらよ」
そう言ってブレザーを投げて渡されるともぞもぞとそれを羽織る。ボタンを締めているとマイクが襟を正してくれていた。子供の容易じゃあるまいし、と内心思っていたが時間がないという事も理解していたので何も言わなかった。
「鍵は貰っとくからよ~、ほれ!さっさと行ってこい!!」
バシ、と音がするほどに背中を叩かれ(押され)て教室のほうへと早歩きで向かった。その際に、マイクに対してお礼を忘れずに伝えて。
自分で用意するよりかは合理的だったな、なんて考えているとつくづく合理的思想になってきたなと笑って。
教室に着くと、入口近くで緑谷と少女が話しているのが見えた。少女は試験の時に緑谷が助けた子だと気付いた、その時丁度予鈴のチャイムが鳴り響いた。
「……」
柳弥に気付いていないのかそのまま話を続ける二人に対して何か声を掛けようと思った時に後ろから声が掛かった。