呪術短編
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最近忙しすぎて無理。無理オブ無理。季節はそろそろ春を過ぎて夏へと向かうころ、常であれば呪霊もオフシーズンになるだろうに、私たち呪術師は今日も今日とて忙しい。
「僕たちが忙しいのは、よろしくないね」
「まったくもってその通り」
連日任務へと駆り出されているのは傑だって同じはずなのに、どこか涼しい顔をしているのは彼が最強のひとりだからだろうか。ずるい。私も最強になりたい。でも最強になるよりなにより、今は。
「……休みたい」
「そうだね」
「遊びに行きたい」
「任務が暇になったらね」
「いつ暇になるの」
「この調子だと、夏になるかな」
夏。夏っていつ。まだ結構先だと思うけれど、目標が出来れば気合いを入れやすい。夏になれば忙しくなくなる。
「ねー傑。忙しいのが終わったらさ、私を甘やかしてよ」
「……随分とお疲れだね」
「そう、疲れてるの。癒して。甘やかして」
「私は今からでもいいよ」
ほら。傑はそう言って両腕を広げ私を招く。そのお誘いは非常に魅力的だけれど、今甘えてしまったらもう頑張れる気がしない。だから、この呪霊シーズンが終わるまでは甘えない。最強ではないけれど、自分の足で立って自分の術式で戦う。頑張る。
「傑に甘えるのは、ご褒美にするから。今は甘えない」
「はは、了解。……私も、君に甘えるのはお預けになるのかな」
その言葉に、びっくりした。びっくりして瞬きを忘れて目が乾いた。疲れた目にはダメージが大きい。痛い。ぱちぱちと瞬いてやり過ごす。
「……傑も、お疲れなの?」
「そりゃあ、私だって疲れるさ」
「ふぅん。じゃあひと段落したら、ハグしていいよ」
「それはいいね。でもきっと真夏になるけどいいのかい?」
「なにが?」
「ナオは暑いの嫌いだろ」
「いいよ。傑こそ、暑いからやだとか無しだからね」
「うん。心得たよ」
なんだかおかしくなってくすくす笑う。つられたのか傑も笑った。笑顔を見て、笑いあって。ちょっと元気出てきた。目標もできた、ご褒美もある。私はまだ頑張れる。季節は初夏、陽射しが強く明るく、痛みを帯びてきていた。
「僕たちが忙しいのは、よろしくないね」
「まったくもってその通り」
連日任務へと駆り出されているのは傑だって同じはずなのに、どこか涼しい顔をしているのは彼が最強のひとりだからだろうか。ずるい。私も最強になりたい。でも最強になるよりなにより、今は。
「……休みたい」
「そうだね」
「遊びに行きたい」
「任務が暇になったらね」
「いつ暇になるの」
「この調子だと、夏になるかな」
夏。夏っていつ。まだ結構先だと思うけれど、目標が出来れば気合いを入れやすい。夏になれば忙しくなくなる。
「ねー傑。忙しいのが終わったらさ、私を甘やかしてよ」
「……随分とお疲れだね」
「そう、疲れてるの。癒して。甘やかして」
「私は今からでもいいよ」
ほら。傑はそう言って両腕を広げ私を招く。そのお誘いは非常に魅力的だけれど、今甘えてしまったらもう頑張れる気がしない。だから、この呪霊シーズンが終わるまでは甘えない。最強ではないけれど、自分の足で立って自分の術式で戦う。頑張る。
「傑に甘えるのは、ご褒美にするから。今は甘えない」
「はは、了解。……私も、君に甘えるのはお預けになるのかな」
その言葉に、びっくりした。びっくりして瞬きを忘れて目が乾いた。疲れた目にはダメージが大きい。痛い。ぱちぱちと瞬いてやり過ごす。
「……傑も、お疲れなの?」
「そりゃあ、私だって疲れるさ」
「ふぅん。じゃあひと段落したら、ハグしていいよ」
「それはいいね。でもきっと真夏になるけどいいのかい?」
「なにが?」
「ナオは暑いの嫌いだろ」
「いいよ。傑こそ、暑いからやだとか無しだからね」
「うん。心得たよ」
なんだかおかしくなってくすくす笑う。つられたのか傑も笑った。笑顔を見て、笑いあって。ちょっと元気出てきた。目標もできた、ご褒美もある。私はまだ頑張れる。季節は初夏、陽射しが強く明るく、痛みを帯びてきていた。