鬼滅短編
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「あーーー!!彼女欲しい!!」
「うるさ」
黄色い頭の幼馴染は不定期に、でも頻繁にそう叫ぶ。女の子が大好きと公言するこの幼馴染、善逸は、顔は悪くないというかどちらかと言えば整ってるし、煩いのがたまにキズだけれど性格だって優しい。それなのになぜ彼女が出来ないんだろう。
「はぁぁぁぁ……このままひとり寂しく死んでいく運命なのか俺は……ぼっち老人になるのか……うわああ嫌だ辛すぎるぅぅ!!」
「話が飛躍しすぎじゃない?」
まだ学生なのに老後の心配をしているなんて。何十年先のことを考えて嘆く善逸にため息をつくと、仕方ないので金色の髪をかき混ぜ撫でた。昔から善逸が落ち込んだり悲しんだりした時は、こうして私が慰めるのが常だった。
「ほら、泣かないの。鼻かんで」
「ゔっうぇっ……な゙い゙でな゙い゙……」
ティッシュを渡すと、ふん!と勢いよく鼻をかんでいる。そんな勢いよくかんで耳にきたりしないだろうか。私はあれが苦手だ。
けれど、恋人かあ。最近仲の良い友達にも彼氏ができて、一緒に遊びに行ったりする時間が減って少し寂しい。だからこうして善逸の相手をしているわけなんだけれど。
「……私も彼氏作ろうかなぁ」
「…………は?」
は?ってなんだ、は?って。善逸はまだ涙の残る目をまんまるにして私を見てる。
「私も高校生らしく青春しようかなと思って」
頭に思い描くのは、彼氏の隣で楽しそうに嬉しそうに、すこし恥ずかしそうに笑っている友達の姿。とても可愛かった。恋が彼女を可愛くしたのかもしれない。噂によると、恋のトキメキが綺麗になる秘訣とかなんとか。
私にもそんな恋が出来たらいいなぁ、それには彼氏が必要かなぁ、そんなわけで。
「彼氏が欲しいな」
「じゃあ、じゃあさ!」
鼻をかんだティッシュをぽいと放り投げ、善逸は両手で私の手をがっしり掴む。幼い頃以来そう触れることも無くなった手は、いつの間にかだいぶ大きく男らしくなっていて、私の手はすっぽり包み込まれてしまった。
「俺を彼氏にしてよ」
じわじわと顔を赤く染めながら、それでも目はそらさずに言った。一瞬どきりとしたけれど、それは告白とかに慣れていないからだ、うん。
「……誰でもいいなら、他を当たって、どうぞ」
なるべく落ち着いた声音を心がけて発した声は、少しいつも通りとはいかなかったかもしれない。目がそらせなくて見つめ続けてしまう善逸の顔は、予想に反して真剣だった。
「誰でもいいわけじゃない、お前がいいんだ」
「だ、だって、ずっと彼女が欲しいって」
「そんなのナオにしか言ってないんだよ、ずっと」
どくんどくんと鳴り始めた心臓はもはや誤魔化しきれなくて、目の前で赤く染る顔と一緒に私の顔もきっと赤い。
「だから、俺の彼女になって?」
トキメキというにはうるさすぎる心臓に急かされて、声にするにはまだ恥ずかしくて。私は小さく小さく、頷いた。
「うるさ」
黄色い頭の幼馴染は不定期に、でも頻繁にそう叫ぶ。女の子が大好きと公言するこの幼馴染、善逸は、顔は悪くないというかどちらかと言えば整ってるし、煩いのがたまにキズだけれど性格だって優しい。それなのになぜ彼女が出来ないんだろう。
「はぁぁぁぁ……このままひとり寂しく死んでいく運命なのか俺は……ぼっち老人になるのか……うわああ嫌だ辛すぎるぅぅ!!」
「話が飛躍しすぎじゃない?」
まだ学生なのに老後の心配をしているなんて。何十年先のことを考えて嘆く善逸にため息をつくと、仕方ないので金色の髪をかき混ぜ撫でた。昔から善逸が落ち込んだり悲しんだりした時は、こうして私が慰めるのが常だった。
「ほら、泣かないの。鼻かんで」
「ゔっうぇっ……な゙い゙でな゙い゙……」
ティッシュを渡すと、ふん!と勢いよく鼻をかんでいる。そんな勢いよくかんで耳にきたりしないだろうか。私はあれが苦手だ。
けれど、恋人かあ。最近仲の良い友達にも彼氏ができて、一緒に遊びに行ったりする時間が減って少し寂しい。だからこうして善逸の相手をしているわけなんだけれど。
「……私も彼氏作ろうかなぁ」
「…………は?」
は?ってなんだ、は?って。善逸はまだ涙の残る目をまんまるにして私を見てる。
「私も高校生らしく青春しようかなと思って」
頭に思い描くのは、彼氏の隣で楽しそうに嬉しそうに、すこし恥ずかしそうに笑っている友達の姿。とても可愛かった。恋が彼女を可愛くしたのかもしれない。噂によると、恋のトキメキが綺麗になる秘訣とかなんとか。
私にもそんな恋が出来たらいいなぁ、それには彼氏が必要かなぁ、そんなわけで。
「彼氏が欲しいな」
「じゃあ、じゃあさ!」
鼻をかんだティッシュをぽいと放り投げ、善逸は両手で私の手をがっしり掴む。幼い頃以来そう触れることも無くなった手は、いつの間にかだいぶ大きく男らしくなっていて、私の手はすっぽり包み込まれてしまった。
「俺を彼氏にしてよ」
じわじわと顔を赤く染めながら、それでも目はそらさずに言った。一瞬どきりとしたけれど、それは告白とかに慣れていないからだ、うん。
「……誰でもいいなら、他を当たって、どうぞ」
なるべく落ち着いた声音を心がけて発した声は、少しいつも通りとはいかなかったかもしれない。目がそらせなくて見つめ続けてしまう善逸の顔は、予想に反して真剣だった。
「誰でもいいわけじゃない、お前がいいんだ」
「だ、だって、ずっと彼女が欲しいって」
「そんなのナオにしか言ってないんだよ、ずっと」
どくんどくんと鳴り始めた心臓はもはや誤魔化しきれなくて、目の前で赤く染る顔と一緒に私の顔もきっと赤い。
「だから、俺の彼女になって?」
トキメキというにはうるさすぎる心臓に急かされて、声にするにはまだ恥ずかしくて。私は小さく小さく、頷いた。
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