鬼滅短編
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「そうだ、キャンプをしよう」
一緒に見ていたテレビでキャンプ飯なんかを紹介していて、うっかり「美味しそー」なんて言ったのがいけなかったのか。影響されやすい、私に甘い、そんでもって無駄に行動力がある善逸は、あっという間に決意を固めてしまったらしい。これはきっと早ければ今日中にキャンプが開催されてしまう。たいへんだ。めんどくさい。心ゆくまでインドア派の私は、キャンプをするより家で映画を観ていたいのだ。だから善逸からのキャンプしない?という誘いはのらりくらりと躱していた、のだけれど。
「なんで私キャンプに連れてこられてるの??」
「えー?いいじゃんバーベキュー楽しいでしょ?」
「映画観に行くって!言ったのに!」
「ほらお肉焼けたよぉ」
「美味しい!」
いつの間に買ったのか道具はしっかり揃ってて、キャンプ飯を調理する手際も完璧。あの時美味しそーなんて言ってしまった元凶の料理も作ってくれて、ダッチオーブンでパンまで焼いてくれた。ソロキャンプ系ユーチューバーの動画を見て勉強したらしい。楽しくないといえば嘘になるけど、映画を観に行こうと騙して連れてこられたのは納得できない。映画観たかった。お肉美味しい。悔しい。
「そろそろ暗くなってきたねぇ。テント入ろ?」
火を焚いていてあまり気づかなかったけど、いつの間にか辺りは暗くなっていた。楽しくてあっという間に時間が過ぎていたらしい。ますます悔しい。
善逸に促されて入ったテントは、想像していたよりもずっと快適そうな空間になっていた。ふわふわのマットレス、柔らかいクッション。可愛い柄のブランケット。ランタンの明かりに照らされてとても、良い。何から何まで、私を思って準備してくれたのだろうと思う。それがわかるから、わかったから。素直に喜んであげてないのが悪いなと思った。
「善逸……今日、ありがと。連れてきてくれて」
「んふふ、俺がナオちゃんとキャンプしたかっただけ」
善逸はなんてことないように言ってのけ、また私を甘やかす。
「それに、本番はここからだよ?」
「え?」
私が疑問の声をあげるのと、ランタンの明かりが消えるのは同時。暗闇に目が慣れる前に、入れ替わり別の光がテント内を照らした。
それは、テントの壁に映し出された光の映像。
「すご、なに?プロジェクター?」
「ふふん、キネマ善逸へようこそ!映画観るって言ったの、嘘じゃないんだぜ?」
得意げに語るその顔と、キネマ善逸とかいう絶妙に古臭いネーミングに笑ってしまう。こんなのずるい。心ゆくまでインドア派の私でも、こんなキャンプなら好きになっちゃうじゃない。
一緒に見ていたテレビでキャンプ飯なんかを紹介していて、うっかり「美味しそー」なんて言ったのがいけなかったのか。影響されやすい、私に甘い、そんでもって無駄に行動力がある善逸は、あっという間に決意を固めてしまったらしい。これはきっと早ければ今日中にキャンプが開催されてしまう。たいへんだ。めんどくさい。心ゆくまでインドア派の私は、キャンプをするより家で映画を観ていたいのだ。だから善逸からのキャンプしない?という誘いはのらりくらりと躱していた、のだけれど。
「なんで私キャンプに連れてこられてるの??」
「えー?いいじゃんバーベキュー楽しいでしょ?」
「映画観に行くって!言ったのに!」
「ほらお肉焼けたよぉ」
「美味しい!」
いつの間に買ったのか道具はしっかり揃ってて、キャンプ飯を調理する手際も完璧。あの時美味しそーなんて言ってしまった元凶の料理も作ってくれて、ダッチオーブンでパンまで焼いてくれた。ソロキャンプ系ユーチューバーの動画を見て勉強したらしい。楽しくないといえば嘘になるけど、映画を観に行こうと騙して連れてこられたのは納得できない。映画観たかった。お肉美味しい。悔しい。
「そろそろ暗くなってきたねぇ。テント入ろ?」
火を焚いていてあまり気づかなかったけど、いつの間にか辺りは暗くなっていた。楽しくてあっという間に時間が過ぎていたらしい。ますます悔しい。
善逸に促されて入ったテントは、想像していたよりもずっと快適そうな空間になっていた。ふわふわのマットレス、柔らかいクッション。可愛い柄のブランケット。ランタンの明かりに照らされてとても、良い。何から何まで、私を思って準備してくれたのだろうと思う。それがわかるから、わかったから。素直に喜んであげてないのが悪いなと思った。
「善逸……今日、ありがと。連れてきてくれて」
「んふふ、俺がナオちゃんとキャンプしたかっただけ」
善逸はなんてことないように言ってのけ、また私を甘やかす。
「それに、本番はここからだよ?」
「え?」
私が疑問の声をあげるのと、ランタンの明かりが消えるのは同時。暗闇に目が慣れる前に、入れ替わり別の光がテント内を照らした。
それは、テントの壁に映し出された光の映像。
「すご、なに?プロジェクター?」
「ふふん、キネマ善逸へようこそ!映画観るって言ったの、嘘じゃないんだぜ?」
得意げに語るその顔と、キネマ善逸とかいう絶妙に古臭いネーミングに笑ってしまう。こんなのずるい。心ゆくまでインドア派の私でも、こんなキャンプなら好きになっちゃうじゃない。
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