鬼滅短編
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「あれ?もう六月?」
後ろからかけられた声に、そうだよーと適当に返してカレンダーをめくる。本当は昨日か一昨日にめくるべきだった五月が、べりべりと音を立てて剥がれていった。
月めくりのカレンダーをめくる本日は六月二日。そう、二日だ。めくるのを忘れてた私もだけど、もう六月?なんて言ってる善逸も大概日付の感覚が鈍い。
「ついこないだ正月だった気がする」
「それは流石に前すぎじゃない?」
「じゃあバレンタイン」
「その節は美味しいチョコをありがとうねぇ……ってバレンタインも前すぎだからね!?」
「えー」
どうにも、イベント事でもないと日付の感覚が鈍くなってしまうみたいだ。六月、なにかあったかなぁ。特に季節のイベントがある訳でもないし、梅雨は日付とは関係ないし。善逸と二人暮しだから、父の日も関係ないか。
「六月もなんかイベントがあればいいと思わない?」
日にちをちゃんと覚えていられるようなそんなイベントが。祝日ならなお良し。お休みバンザイ。そんな私の冗談みたいな希望に、善逸は「じゃあさ、」と身を乗り出した。私もそれに合わせて、耳を傾けるように少し善逸に体を寄せる。
そうして近づいた私の耳に、内緒話の様に善逸も口を近づけた。
「結婚でも、する?」
なんでもない事のように告げられたプロポーズ、その後に「六月だし」と続けた善逸の顔を見ると、思いのほか真剣な瞳と視線が絡んだ。軽い言葉のノリとは裏腹に、緊張している雰囲気が伝わってくる。これはもしかして、もしかしなくても本気で言っているみたいだ。
「……結婚しても、祝日にはならないね」
「記念日には、なるよ」
「結婚記念日かぁ」
未だ緊張している善逸は、私がどう返事をするか不安なんだろうか。そんなの心配しなくてもいいのに。
私は返事の代わりに、ペンを持って真新しい六月のカレンダーに向き直る。
「何日にしよっか」
その意味を正しく理解した善逸が私をぎゅうぎゅうに抱きしめるまで、あと数秒。
後ろからかけられた声に、そうだよーと適当に返してカレンダーをめくる。本当は昨日か一昨日にめくるべきだった五月が、べりべりと音を立てて剥がれていった。
月めくりのカレンダーをめくる本日は六月二日。そう、二日だ。めくるのを忘れてた私もだけど、もう六月?なんて言ってる善逸も大概日付の感覚が鈍い。
「ついこないだ正月だった気がする」
「それは流石に前すぎじゃない?」
「じゃあバレンタイン」
「その節は美味しいチョコをありがとうねぇ……ってバレンタインも前すぎだからね!?」
「えー」
どうにも、イベント事でもないと日付の感覚が鈍くなってしまうみたいだ。六月、なにかあったかなぁ。特に季節のイベントがある訳でもないし、梅雨は日付とは関係ないし。善逸と二人暮しだから、父の日も関係ないか。
「六月もなんかイベントがあればいいと思わない?」
日にちをちゃんと覚えていられるようなそんなイベントが。祝日ならなお良し。お休みバンザイ。そんな私の冗談みたいな希望に、善逸は「じゃあさ、」と身を乗り出した。私もそれに合わせて、耳を傾けるように少し善逸に体を寄せる。
そうして近づいた私の耳に、内緒話の様に善逸も口を近づけた。
「結婚でも、する?」
なんでもない事のように告げられたプロポーズ、その後に「六月だし」と続けた善逸の顔を見ると、思いのほか真剣な瞳と視線が絡んだ。軽い言葉のノリとは裏腹に、緊張している雰囲気が伝わってくる。これはもしかして、もしかしなくても本気で言っているみたいだ。
「……結婚しても、祝日にはならないね」
「記念日には、なるよ」
「結婚記念日かぁ」
未だ緊張している善逸は、私がどう返事をするか不安なんだろうか。そんなの心配しなくてもいいのに。
私は返事の代わりに、ペンを持って真新しい六月のカレンダーに向き直る。
「何日にしよっか」
その意味を正しく理解した善逸が私をぎゅうぎゅうに抱きしめるまで、あと数秒。
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