鬼滅短編
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私は同級生の竈門くんが大好きだ。
いちどこうと決めたら一直線タイプの私は、好きだと思ったその日に竈門くんに告白した。
「竈門くん!好き!付き合ってください!」
「うーん、俺は君のことをよく知らないんだが……以前に会ったことがあるだろうか?」
「初対面です!好きです!」
「そ、そうか……」
太陽みたいに笑う笑顔をすこし引き攣らせて、まずはお互いを良く知ろうと提案してくれた竈門くんは優しい。好き。
「おはよう竈門くん、今日もかっこいいね!」
「今日も爽やかだねー笑顔が眩しくて好き」
「かまどベーカリーのパンも好きだけど一番好きなのは竈門くんーあっ制服からパンの匂いがする!好き!いい匂い!」
「体育の授業かっこよかった!足速いねーずっと見てた!」
「一緒に帰ろ!好きだから少しでも一緒にいたいの」
毎日好きだと伝え続けて、それに竈門くんが太陽みたいな笑顔を向けてくれる。告白の返事も貰ってないのに隣に居続けて、私がその居心地の良さに満足していたある日。いつものように一緒に帰ろうと誘って隣を歩いていた彼が、急にぴたりと足を止めた。
春とはいえまだ日が落ちるのが早くて、まだまだ夕暮れ時は風も冷たい。傾いた太陽は竈門くんの背中にあって彼の顔に影を作った。
「竈門くん?どうしたの?」
首を傾げて問いかけるけど、影になった顔は表情が見えず、立ち止まった竈門くんは何も言わずにこちらを見ている。
ふいに伸ばされた手が、夕方の冷たい風に冷えた私の手に重なった。竈門くんの手は暖かい。
「ひえ……なに、ほんとにどうしたの?う、嬉しいけど……」
一気に全速力を始めた心臓は全身の血を巡らせたようで、顔が急に熱くなるし冷たかった手も暖かくなってくる。せっかく竈門くんと初めて繋いだ手の温度がわからなくなる。その繋いだ手を軽く引かれ、抗う選択肢のない私は一歩、竈門くんに近づいた。
私の顔に影が差し、夕焼けを背負う竈門くんの顔が重なった。唇に触れる、柔らかくて温かくて、すこしカサついた感触。
すぐに離れた竈門くんの顔は逆光で見えにくいけれど、いつもの太陽みたいな明るい笑顔じゃなくて、この夕日みたいにとろりと溶けた笑みを浮かべていた。
「いつも、好きだと言ってくれてありがとう。……俺もナオが好きだ」
大好きな声はいつもより低く甘くて、大好きな笑顔はいつもより柔らかくてとろけていて、初めて告げられた彼からの「好き」は隕石のように私の心に強く深く刺さった。
全速力だと思った心臓はさらに上があったようで、もうやぶれてしまうんじゃないかと思う。
あ、だめだ限界。
私は繋がれた手を振り払って駆け出した。
「なっ、……待ってくれ!!」
大好きな声で制止を求められ、いつもならすぐに止まるだろうけど私は止まれなくて、そのまま走って逃げた。無理だあんなの。あんな顔、あんな声、あんな……キス。ああ思い出しただけで爆発しそう。
後ろから腕を掴まれて強制的にブレーキがかかる。振り返れば、少し息を乱した竈門くん。私のトップスピードは容易く追いつかれてしまった。
「俺を、こんなにさせたのに。今更逃げられると思うな」
荒い息を吐いて、熱くて強い視線を向けながら。それでも口元は笑みの形で、覚悟してくれと竈門くんが言った。
やっぱり、無理だこんなの。爆発しそう。
いちどこうと決めたら一直線タイプの私は、好きだと思ったその日に竈門くんに告白した。
「竈門くん!好き!付き合ってください!」
「うーん、俺は君のことをよく知らないんだが……以前に会ったことがあるだろうか?」
「初対面です!好きです!」
「そ、そうか……」
太陽みたいに笑う笑顔をすこし引き攣らせて、まずはお互いを良く知ろうと提案してくれた竈門くんは優しい。好き。
「おはよう竈門くん、今日もかっこいいね!」
「今日も爽やかだねー笑顔が眩しくて好き」
「かまどベーカリーのパンも好きだけど一番好きなのは竈門くんーあっ制服からパンの匂いがする!好き!いい匂い!」
「体育の授業かっこよかった!足速いねーずっと見てた!」
「一緒に帰ろ!好きだから少しでも一緒にいたいの」
毎日好きだと伝え続けて、それに竈門くんが太陽みたいな笑顔を向けてくれる。告白の返事も貰ってないのに隣に居続けて、私がその居心地の良さに満足していたある日。いつものように一緒に帰ろうと誘って隣を歩いていた彼が、急にぴたりと足を止めた。
春とはいえまだ日が落ちるのが早くて、まだまだ夕暮れ時は風も冷たい。傾いた太陽は竈門くんの背中にあって彼の顔に影を作った。
「竈門くん?どうしたの?」
首を傾げて問いかけるけど、影になった顔は表情が見えず、立ち止まった竈門くんは何も言わずにこちらを見ている。
ふいに伸ばされた手が、夕方の冷たい風に冷えた私の手に重なった。竈門くんの手は暖かい。
「ひえ……なに、ほんとにどうしたの?う、嬉しいけど……」
一気に全速力を始めた心臓は全身の血を巡らせたようで、顔が急に熱くなるし冷たかった手も暖かくなってくる。せっかく竈門くんと初めて繋いだ手の温度がわからなくなる。その繋いだ手を軽く引かれ、抗う選択肢のない私は一歩、竈門くんに近づいた。
私の顔に影が差し、夕焼けを背負う竈門くんの顔が重なった。唇に触れる、柔らかくて温かくて、すこしカサついた感触。
すぐに離れた竈門くんの顔は逆光で見えにくいけれど、いつもの太陽みたいな明るい笑顔じゃなくて、この夕日みたいにとろりと溶けた笑みを浮かべていた。
「いつも、好きだと言ってくれてありがとう。……俺もナオが好きだ」
大好きな声はいつもより低く甘くて、大好きな笑顔はいつもより柔らかくてとろけていて、初めて告げられた彼からの「好き」は隕石のように私の心に強く深く刺さった。
全速力だと思った心臓はさらに上があったようで、もうやぶれてしまうんじゃないかと思う。
あ、だめだ限界。
私は繋がれた手を振り払って駆け出した。
「なっ、……待ってくれ!!」
大好きな声で制止を求められ、いつもならすぐに止まるだろうけど私は止まれなくて、そのまま走って逃げた。無理だあんなの。あんな顔、あんな声、あんな……キス。ああ思い出しただけで爆発しそう。
後ろから腕を掴まれて強制的にブレーキがかかる。振り返れば、少し息を乱した竈門くん。私のトップスピードは容易く追いつかれてしまった。
「俺を、こんなにさせたのに。今更逃げられると思うな」
荒い息を吐いて、熱くて強い視線を向けながら。それでも口元は笑みの形で、覚悟してくれと竈門くんが言った。
やっぱり、無理だこんなの。爆発しそう。
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