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「キィニチらしい部屋だね」
ナオは床にぺたりと座ってそう言った。それはきっと片付いているとか掃除されてることに対しての好意的な反応だったのだろう。だが、その姿に目眩がした。無いよりはマシ程度の安い無地のカーテン。暗い色の木目が晒されている硬い床。その床に直に座るナオ。……だめだ。ここは監獄か?こんな所は彼女が居ていい場所じゃない。
今すぐ外に連れ出したいが、せっかく遊びに来てくれた恋人を直ぐに返す訳にもいかない。それに、自分の部屋に好きな子がいる。それは純粋に嬉しかった。
「何か飲むか?と言ってもお茶しか無いんだが」
「飲む!」
誤魔化すように飲み物を勧めれば直ぐに笑って頷いた。いそいそとグラスを準備しながらはたと気づく。これ、何処に置くんだ?
「……お待たせ」
「ありがとー」
俺からグラスを受け取った彼女は、ひとくち口をつけたそれをそのまま手に持っている。それはそうだ、この部屋にはテーブルすらない。床に置く訳にもいかなくてずっと持っているんだ。俺は今日何度目かな目眩を感じていた。
決して快適な部屋じゃないだろうに、にこにことしながら他愛もない話をする彼女。それに相槌を打ちながら、俺は考えた。
クッションを買おう。柔らかくて、ナオが身を預けられるくらい大きい物を。ラグもあった方がいい。冷たくて暗い色の床に座らせてしまったのは失態だった。テーブルも必要だ。今まで料理はしてもキッチンで立ったまま食べていたから必要性を感じなかったが、テーブルは客が来た時に必要なものだったんだな。味気ないカーテンも替えなくちゃならない。やることが山積みだ。
「キィニチ、また遊びに来てもいい?」
「もちろん。何時でも来てくれ」
すぐに全部準備する。あんたが何時来てもいいように、いっそここに住めるくらいに、全部。
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