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するりと長い指が滑るように煙管を持ち上げ、ゆっくりと優雅にそれを口元へと運ぶ。いつみても綺麗だ。それはまるで秘め事のようで、どきどきして、見てはいけないものを見てしまったかのような後ろめたさ、背徳感に包まれる。
「どうなさったんです、そんなに見つめて」
やんわりと微笑んで僅かに首を傾げる。綺麗に流された前髪が、首が傾いた分だけ僅かに、ほんの僅かとろりと流れた。
「シャイロックは綺麗だなと思って」
「おや、そんなにストレートに褒められると照れますね」
褒められ慣れた様子で言う。ちっとも照れてなんていないくせに。むしろその綺麗な笑顔にこっちが照れてしまって、鼓動を速めるだけじゃなくて顔まで熱くなってしまった。そんな私を見て、シャイロックの目がきゅうと細くなる。その奥で瞳が煌めいている。きっと、彼は楽しんでる。いたたまれなくて目を伏せた。
すい、と伸びた指先が優しく柔らかく私の頬に触れた。それはさっき煙管を優雅に扱った時のようでいて、それよりも繊細に。壊れ物に触れるかのように、なんて言葉があるけれど、これはもはやアレだ。壊れ物が触れてくるかのような感覚。私が動いたら、向こうが壊れてしまいそう。それくらい綺麗な指。魔法を使われたわけじゃないのに、もう動けない。
「……困ったな」
ぽつり、シャイロックの唇から音が零れた。いつもの丁寧で優しい声音より低く、小さく。動けなくて困っているのは私の方なのに。何事か、と伏せた視線を恐る恐る上げると、先程の笑みをすとんと落としたシャイロックと目が合う、合ってしまった。ゆっくりと消されていく距離と、頬を捉えている綺麗な指と、逸らせなくなってしまった視線。
「っシャイロック、まっ……」
なんとか絞り出した声は、待ってください、そう言いたかったのに。塞がれてもいない口は、何かを期待したようにぴたりと止まり動かない。
「……かわいらしいひと」
「どうなさったんです、そんなに見つめて」
やんわりと微笑んで僅かに首を傾げる。綺麗に流された前髪が、首が傾いた分だけ僅かに、ほんの僅かとろりと流れた。
「シャイロックは綺麗だなと思って」
「おや、そんなにストレートに褒められると照れますね」
褒められ慣れた様子で言う。ちっとも照れてなんていないくせに。むしろその綺麗な笑顔にこっちが照れてしまって、鼓動を速めるだけじゃなくて顔まで熱くなってしまった。そんな私を見て、シャイロックの目がきゅうと細くなる。その奥で瞳が煌めいている。きっと、彼は楽しんでる。いたたまれなくて目を伏せた。
すい、と伸びた指先が優しく柔らかく私の頬に触れた。それはさっき煙管を優雅に扱った時のようでいて、それよりも繊細に。壊れ物に触れるかのように、なんて言葉があるけれど、これはもはやアレだ。壊れ物が触れてくるかのような感覚。私が動いたら、向こうが壊れてしまいそう。それくらい綺麗な指。魔法を使われたわけじゃないのに、もう動けない。
「……困ったな」
ぽつり、シャイロックの唇から音が零れた。いつもの丁寧で優しい声音より低く、小さく。動けなくて困っているのは私の方なのに。何事か、と伏せた視線を恐る恐る上げると、先程の笑みをすとんと落としたシャイロックと目が合う、合ってしまった。ゆっくりと消されていく距離と、頬を捉えている綺麗な指と、逸らせなくなってしまった視線。
「っシャイロック、まっ……」
なんとか絞り出した声は、待ってください、そう言いたかったのに。塞がれてもいない口は、何かを期待したようにぴたりと止まり動かない。
「……かわいらしいひと」
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