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蝋で固めた鳥の羽で空を飛び、太陽に近づきすぎて蝋がとけて落ち死んだ話。ギリシャ神話だったかな。蝋で固めた羽なんかで飛べるのかしらと思った記憶がある。
「賢者様考え事?何を考えてる?」
「っ、ムル……いつのまに」
目の前に逆さに現れた顔に驚きはしたものの、彼は魔法使いで彼はムルだ。不思議なことは何も無い。
「何を考えてたのか教えて欲しいな」
「……話すほどの事じゃないですよ」
考え事の説明をするならギリシャ神話から説明しなければいけない。ムルの事だから途中で違うことに興味を持ってしまって説明が終わらない気がする。いや、逆に興味を持ちすぎて話が逸れるかも。それなら最初から説明しなければ楽だ。それに、ムルと話すなら私の話をするよりムルの話を聞きたい。
「そんなことより、ムルは?どうしてここに?何してたんです?」
「賢者様は知りたいことがいっぱいだね!」
ムルの話を聞くのは好きだ。会話にならない事も多いけど、聞いてるだけで楽しいし、それに。
「ムルの話が聞きたいんです」
私はムルが好きだから。
「いいよ!賢者様の考え事、明日か明後日かその次か、いつか俺にも教えてね!」
いつから好きになったかなんて覚えてない。初めはただ、無邪気なようでいて全てを知っているかのようなムルの話が楽しかっただけだ。好奇心だったと思う。それが好意に変わったと気づいても言う気にはならなかった。だってライバルが強大すぎる。月に敵う気なんてしない。
好奇心という蝋で固め隠した恋心。月に焦がれて今にも飛び立ちそうな彼に近づこうとする。いつか蝋が溶けて、恋心が地に落ちて死ぬとしても。
私は、きっと飛んでしまう。
「賢者様考え事?何を考えてる?」
「っ、ムル……いつのまに」
目の前に逆さに現れた顔に驚きはしたものの、彼は魔法使いで彼はムルだ。不思議なことは何も無い。
「何を考えてたのか教えて欲しいな」
「……話すほどの事じゃないですよ」
考え事の説明をするならギリシャ神話から説明しなければいけない。ムルの事だから途中で違うことに興味を持ってしまって説明が終わらない気がする。いや、逆に興味を持ちすぎて話が逸れるかも。それなら最初から説明しなければ楽だ。それに、ムルと話すなら私の話をするよりムルの話を聞きたい。
「そんなことより、ムルは?どうしてここに?何してたんです?」
「賢者様は知りたいことがいっぱいだね!」
ムルの話を聞くのは好きだ。会話にならない事も多いけど、聞いてるだけで楽しいし、それに。
「ムルの話が聞きたいんです」
私はムルが好きだから。
「いいよ!賢者様の考え事、明日か明後日かその次か、いつか俺にも教えてね!」
いつから好きになったかなんて覚えてない。初めはただ、無邪気なようでいて全てを知っているかのようなムルの話が楽しかっただけだ。好奇心だったと思う。それが好意に変わったと気づいても言う気にはならなかった。だってライバルが強大すぎる。月に敵う気なんてしない。
好奇心という蝋で固め隠した恋心。月に焦がれて今にも飛び立ちそうな彼に近づこうとする。いつか蝋が溶けて、恋心が地に落ちて死ぬとしても。
私は、きっと飛んでしまう。