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「え、ちょ、何それどういう状況?」
見慣れたルームメイト氏の肩に、見慣れない生き物……いや生き物?動いてるからには生きてるんだろうけど、どっちかというとキャラグッズ的なフォルムのナニカ。ぬいとかもちとかそんな感じのアレ。そもそも見慣れないとか思ったけれど、そいつは見れば見るほど既視感があった。色といい特徴といい、たまーに覗く鏡の中に現れる顔色の悪い僕に、めちゃくちゃ不本意だけど……似てる。
「なんか急に現れて懐かれたから乗せてる」
「いやいや危機感持ちなされ危ないものだったらどうするの」
そのナニカを払いのけようと手を伸ばしたらパシッと逆に払いのけられた。ルームメイト氏にじゃなくて、そのナニカに。じとりと睨んでやると、青い炎のような髪をきらめかせて笑うように揺れた。イラ。
「うーわ腹立つ……」
「そう?イデアに似てない?」
いや拙者あんな煽りスキルないもん。似てないもん。……うそ、似てる。似てるけど、似てるからこそ目の前でルームメイト氏に擦り寄って嬉しそうにしてるナニカが腹が立つやら恥ずかしいやら、羨ましいやら。
「拙者に似てるか似てないかで言えばまあ確かに似てますけど?でも腹立つのも得体がしれないのも事実だし何かあってからじゃ遅いし早急に処分した方が良いかと思われ」
そうまくし立てると、ルームメイト氏はええーと不満げな声を上げながら肩に乗るナニカに手を伸ばす。まるでちいさな猫ちゃんにするように喉のあたりを指の背で擽ると、ナニカはその指にじゃれてる。拙者は何を見せられてるんだ。
「でも私に懐いてるし、面倒見るよ」
「面倒見るってなに、まさか飼うつもり?」
「うん」
「まじ?」
勘弁して欲しい。ルームメイト氏が飼うってことは僕と一緒の部屋で飼うわけで、そんなのマジで御免被りたい。安全かどうか、そもそも生き物なのかも分からないのに。ていうかどうせ飼うなら猫ちゃんがいい。
「そいつ捨てて飼うのは猫ちゃんにしない?」
「とりあえず学園長に許可取ってくる」
「無視きっつ」
早速学園長の元に向かうのだろう、歩きだしたルームメイト氏の肩には相変わらず拙者に似たナニカ。身を捩ってこっちを振り返ったと思ったら、拙者と同じ色した目をきゅっと細めて、多分笑った。勝ち誇ってやがる。イラ。
「ねえええルームメイト氏やっぱそいつ捨てるべきですわ拙者煽られましたぞ!?めちゃくちゃ性格悪い!」
「あは、やっぱりイデアに似てるじゃん」
そう言って笑うルームメイト氏の肩ではナニカが相変わらず僕を見下してるし、ルームメイト氏の頬に擦り寄ってみたりしてて、ああ。イラつく。自分が何にイラついてるのかもわかんなくなってきたけど、とりあえず。
「……絶対隙を見て処分してやる」
自分によく似たナニカを睨みつつ呟いた声は、自分でもビックリするくらい低かった。
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