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びっくりした。びっくりしすぎて声も出なくて原因であるルームメイトを見守ってしまった。何があったかって、同じ部屋の中で互いに干渉せず各々ゲームやなんかをしてたルームメイト氏が、急に棚を漁り始めたんだ。僕の、棚を。
「あ、あのー……ルームメイト氏?」
「んー?なにイデア」
まさか拙者の影が薄すぎて気づいていない?と思ったけど返事を聞く限り僕のことは認識していたらしい。居るの分かってて、拙者の棚を漁っている、と。
「え、なにはこっちのセリフですけど?何してんの?そこ誰のゾーンかわかってらっしゃる?」
そう聞く間も棚を漁る手は止まらず、僕の物が保管された場所をガサゴソと探っている。ルームメイト氏が僕の物を盗むとは思わないし、盗るにしたってこんな堂々としないだろうし……というか返事がない。しかしただのしかばねにしては手癖が悪い。
「聞いてます〜?ちょっとルームメイト氏〜?ナオさ〜ん?」
「聞いてる聞いてる」
「なら返事してよ……何探してんの、っていうか勝手に人の棚漁るとか昔のRPGの勇者にしか許されない蛮行ですが」
「じゃあ私今勇者ってことで」
「そのメンタルは勇者ですわ……」
結局一通り探り終えたらしいルームメイト氏が手を止め、ようやくこちらを向く。
「探し物は見つかった?」
「無かった……」
「はぁ……何探してたの」
漁ってた棚はゲームのソフト類を置いてるところだから、多分やりたいゲームがあって「イデアなら持ってるんじゃね?」と探し始めたんだろう。けどさ、一声かけてくれればどこにあるか教えるのに。そもそも僕が持ってなかったらとか考えないわけ?全てのゲームを持ってるだろうっていう熱い信頼〜?照れますなぁ。
「パソコン用のさ」
「うん」
「⑱シール貼ってるやつ」
「それはソフ倫ッッ!!」
思わず勢いよく仰け反った。質の良いゲーミングチェアはしっかりと背もたれのスプリングが効いててすぐに跳ね返された。
「なっなな、何言ってんの!?そんなのある訳無いでしょ!?」
「えっそうなの?イデアでも持ってないゲームがあるの?」
PCソフトの⑱シール。つまり、エロゲ。
「拙者たちの年齢を考えてくだされ……」
まだ対象年齢に達してないのになんで持ってると信じて疑わないんだこのひと。まして寮生活なわけだし、見られちゃマズイ。法律違反だ。
「そっか、残念」
「はいはい乙乙〜」
「イデアの性癖を調査しようと思ったのに」
「それきみになんの得があるの!?やめろください!!」
なんだか恐ろしいことを言うルームメイト氏にゾッとする。幸い今回は見られて困るものは無かったけれど、ちょっと収納やセキュリティを見直さないといけないかもしれない。
持ってないとは、言ってない。
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