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小噺やネタもどき

或る人の独白

2018/03/13 20:14
アダム

この世界の本質は酷く陳腐だ。
誂えたような記録通りに神々は世界を統治する。
糸に繋がれた操り人形のような人間は、神々に愛でられるまま躍り続ける。磨耗し、糸が途切れた人形は、台本を無視する危険分子。
神々は破綻を許さない。完璧でないものを愛さない。人形を原型を留めなくなるほど壊し、それを核にして再び舞台を作り上げる。その人形の役名は『アダム』若しくは『イヴ』
世界を追われた人間の名前。
そんな人間を愛した神様。
諦念溢れる世界から掬い上げられた俺を見て、愛おしそうに笑う姿。心 臓すら染め上げるような絶対的な色彩。全てを許容する色彩だけで、地獄すら歩いていけた。
けれど、神々の舞台はそんな神を赦さなかった。世界を愛す神を、世界は赦さなかった。
だから、俺は。
「ごめん、父さん」
あげたかったものは一つだけなのに。



きっと私の話で一番ヤバいのは聖職者です。

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