満月の夜に。
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橋の上に来て、
改めて空を見上げた。
少し雲が見えるが、変わらず満月が顔を出している。
京楽「いやあ、美人と月。
たまにゃ散歩するといいことがあるね」
そう言ってどこからか酒瓶とお猪口を出して、
春風に1つ渡す。
春風「……ありがとうございます」
京楽が春風に酒を注ぎ、
続けて自分のにも酒を注ぐ。
2人は橋の欄干に腰掛けた。
京楽「はい、乾杯。」
カチンと杯を合わせる。
春風「………(どんな味なんだろ)……
コクッ………苦!!」
驚いて思わず声を上げた。
後から来る酒の風味に体を竦める。
京楽「何だい?お酒飲めなかったの?
ボクが気を遣わせちゃったのかな?
ごめんよ、大丈夫かい?」
京楽も驚いて、春風の顔を覗き込む。
春風「………わっ……」
至近距離の京楽の顔に動揺し、少し酒を溢した。
その様子を見て京楽は、
満足そうにククッと喉を鳴らして笑う。
春風「…ごめんなさい。
お酒初めてだったから、
少し驚いてしまって…。」
しゅんと小さくなる。
京楽は、"はじめて"と聞き嬉しそうに、
自分の杯に酒を注ぐ。
京楽「そうだったのかい。悪いことしたね。
無理に飲まなくていいよ。
付き合ってくれてありがとうね」
春風「…ごちそうさまでした」
申し訳なさそうに、杯を返す。
お酒ってこんな感じなんだ。
体はポワポワ温かいけど、酔っ払ってはないかも…
と春風は思った。
京楽「君はさ、
何であんなところにいたの?
散歩って言ってたけどさ」
春風「散歩ですよ。
気づいたらあそこにいたの。
貴方はいつもあそこに来てるの?
…あ、来てるんですか?」
お酒のせいか少し口調が崩れる。
京楽「いんや、たまたまだよ。
美味しいお酒が手に入ってね、
友達に声かけたけど捕まらなくて、
1人寂しく飲もうとしてたんだ。
君に会えてよかったよ〜」
"君に会えてよかった"
誰でもよかったとしても、
今は京楽の言葉がすごく嬉しかった。
春風「…………くしゅん」
夜風が吹いて体が冷えてきた。
葬儀の後なので、
服装は、真っ黒の着物のみ、
季節は冬に移りかけているのか、
夜は少し肌寒くなってきた。