満月の夜に。
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浮竹「待ってくれ。
今日は、珍しく体調が良くて散歩してたんだ。
もしよかったら庭を案内しようか?」
浮竹の後ろには、
色とりどりと花が咲いた花壇や、実をつけた木等、
沢山の植物が続いていた。
春風(み、見たい)
しばしの沈黙
浮竹「急にすまん。それを熱心に見てたから、
花が好きかと思ったんだよ
ゆっくり見ていってくれ」
気まずく感じて頭を掻く。
春風「…じゃ、じゃあ案内お願いできますか?」
小さな声でボソッと伝える。
それから15分程度、
庭にある岩、木、花を一通り案内してもらい、
一つの建物の前にたどり着いた。
浮竹「…情けないことに、俺は体が弱くてな。
普段はこの雨乾堂で寝込んでいることが多いんだ」
やれやれ、という様子で縁側に腰掛ける。
春風(体の弱い隊長さんもいるんだ…)
春風「案内ありがとうございました。
とても楽しかったです」
ぺこっと頭を下げる。
浮竹「ちょっと待っててくれ
……おーい!誰かお茶二つ頼めるかー!」
建物の奥に向かって、大きな声を上げる。
そのあとすぐお茶が二つ、縁側に届いた。
浮竹「…昨日仲良いやつから、菓子をもらったんだ。
良かったら食べていきなさい。」
あみ籠をもって来てくれた。
春風「わあ、ありがとうございます。」
春風の好みである、
和菓子がたくさんカゴに入っていて、
思わず頬が緩む。
植物の話をひとしきりしたあと、
春風は「ごちそうさまでした」とお礼を述べる。
もう辺りは真っ暗となっており、
京楽との時間まで1時間程度…
春風「…わたしそろそ「浮竹ぇー!!!」…?!」
どこからか声が聞こえた。
?「匿ってくれ!!今日いつもより熱心に七緒ちゃんが追いかけてくるんだよ!!」
浮竹「京楽〜!おまえまたか!!
毎度毎度、伊勢君を困らせるなよ。
とっとと仕事に戻れ」
そこにいたのは、彼だった。
いつもよりも余裕のなさそうで、
表情も異なって見える。
春風「?!」
彼から見えないように、
死角になる浮竹の背中側へ隠れ、俯く。
普段と違う彼の様子に、
戸惑いが隠せない。
京楽「…だってさ〜!今日は満月なんだよ??
仕事なんて置いて、さっさと帰って呑みたいよ。
君だってそうだろう?…あれお客さんかい?」
浮竹の背後に誰かがいるのに気がついた。
浮竹「…満月だろうが、お前には関係ないだろ。
昼から飲んでたんだろう?
彼女は花屋さんの新人さんだ。
今日は体調が良かったから、
お茶に付き合ってもらったんだ。」
京楽「そうだったのかい。
(体調が良かったのは)何よりだよ。
彼女〜こっち向いてよ。
浮竹なんかより今度ボクとデートしようよ」
俯いてた顔を、恐る恐る顔をあげる。
春風「…あー……こんばんは…?」
どことなく居心地の悪く、
浮竹の影から、首だけひょっこり出して挨拶をする。
京楽「……………春風ちゃん?…
どうしてこんなとこにいるのさ?」
目を見開いて、驚く。
春風「……いえ!なんでもありません。
失礼します!!」
なんとなく邪魔してしまったような気がして、
彼の期待に応えられなかったようで、
さっと立ち上がり、帰路に急ぐ。
浮竹「橘さん、
気をつけて帰るんだぞ〜」
遠くから浮竹の声が聞こえる
とにかく走って門を出た。