本能と本心
この物語を振り回す者は……
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長義来ちゃった…ずっとみたかった軽装姿をこんなタイミングで見たくなかったなぁ
[ちょ、長義…]
長義「・・・・・」
「[!!?]」
えぇぇえええぇぇぇぇぇ!!?
長義ちゃん泣いちゃったんだけど!!?
軽装姿で静かに泣いて…絵になるなぁ
山姥切「ほっ、本歌…!?」
まぁこれには流石のまんばも正常に戻るわな…
私も今の状況での感情が吹き飛んだわ
長義「…どうして・・お前は…」
山姥切「本歌…?」
自分の上からよけて長義の元へ近寄り恐る恐る手を伸ばしたまんばの手をパシンッ!と長義は勢いよく払い除けた
そうされたことに驚いてるまんばの横を通り過ぎ私の元へ歩み寄る
[長義?]
長義「・・・」
長義は何も言わず私の両頬を手で添えて何処か切そうな顔で見つめる…
これってまさか・・
[…目の色、変わってるの?]
長義「・・・・」
自分の問いかけに僅かに瞼を動かした事で肯定を示す
燭台切「・・主に軽装姿を見せに来たんだけど」
何かあったのかな?
と静かにやってきたみっちゃんの姿を見た私の目を見て彼は目を見開くけどすぐに「なるほどね…」と状況を把握したみたい
燭台切「何か力になることはあるかい?」
[この2人はいいからとりあえず鶴丸探して一発ビンタしてきて]
燭台切「鶴さんに?」
首を傾げるみっちゃんに[遠からずこの空気にさせた1人でもあるから]って言うと「OK」と答えて部屋から出ていった
そして再び3人だけになるこの部屋
[…まんば]
山姥切「・・・」
名前を呼ばれたまんばは俯いて動かない長義をチラリと見た後みっちゃんとは別方向へ出ていく…
[・・長義]
長義「・・・」
私の呼びかけに長義は何も言わずに腕を掴む
その掴んできた手は小刻みに震えていた
[長義はこの目の色が嫌い?]
長義「…違う」
うん、違うよね。何となくだけど分かった
長義が今何で頭が一杯になってるのか…
[自分の目の色じゃないのが嫌なんだよね?]
長義「…だとしたら、君は俺を軽蔑するか?」
偽物くんに散々言っておきながら人の事を言えないような感情に蝕まれた俺を…
ゆっくりと顔を上げ私を見る長義はまんばが出て行く前と表情が変わらず、悲しそうな顔をしていた
[そんな事しないよ?]
長義「だが俺は[長義]っ!」
[私は私だよ?]
目の色が変わろうと自分じゃなくなる事はない
ちゃんと、長義を見てるから…
動揺してる長義を優しく呼びかけ、宥めるように言い聞かせる
長義「っ、こむぎ…」
[うん]
長義「こむぎ…っ!」
[うん、私はここにいるよ?]
大丈夫♪
と背中に手を回してポンポン叩くと自分に身を委ねるようにゆっくり寄り添ってきた
[それに、たったこれだけの事で長義の事を軽蔑するようだったら自分は最初から審神者になんてなろうと思わないよ?]
長義達がいて、私がいて…お互いがお互いを信頼出来る関係…現実世界じゃなかなか叶わないような空間が存在してくれる場所
そこへやっとこれたのに簡単に手放すなんて出来ないししたくない…
[だから安心して?]
長義「…なら」
[ん?]
長義「俺のわがままを聞いてくれるか?」
[なに?]
長義は顔を上げて絞ったような声で私にいった
長義「俺と、口づけを交わしてくれ」
・・・弱々しいね
そんなに怖がらなくても自分が長義を拒むなんて事しないのに…
[いいよ?]
長義「・・・・」
頷いた私の言葉を聞いて顎元にそっと手を添えた長義がゆっくりと顔を近づけ…
チュ…
と小さなリップ音と共に口づけを交わす
まんばとは違ってとても優しくて暖かいそれに私は心地良さを覚える…
[…長義は優しいね、もう少し荒くても私は壊れないよ?]
長義「そんな手荒な真似はしたくない」
どれだけゆっくりであろうと、君に触れているという事実と時間は同じなのだから…
そう呟いてまたキスをする
まるで恋愛映画の緩やかなキスシーンみたいに…
長義「やめたくなったらいつでも言ってくれ」
[ならないよw]
長義とのキス、気持ちよくて好きだし♪
と言って今度は自分からしてみると長義は大きく目を見開いたあとフワリと笑みを浮かべながら一筋の涙を流す
[やっと笑ってくれたね♪]
長義「こむぎの言葉が嬉しくて…」
[これくらいならいくらでも伝えるよ?]
言葉でも、仕草でも…♪
そう笑いかけて言った言葉に長義は「ありがとう」と微笑みながら素直に礼を言った
