「〜〜っ！ごめん！ほらティッシュ！」

慌てたようにヘッドボードのティッシュを取り名前ちゃんの口元へ運ぶレノ。
名前ちゃんはその気遣いにレノの自分へ対する深い愛情を感じ、心が満たされていくのを感じた。

「えへ、飲んじゃったから大丈夫だよ」
「飲んだって…お前…！」

口の中が空だという事を伝えるために口を大きく開いて見せる。唖然とするレノ。

「…はぁ〜……じゃ、次は俺の番だぞ、と」

そう言うとレノは名前ちゃんの後頭部と腰をぐっと寄せ、逃げ場のない深いキスをする。

「…ん、…」

器用にレノの舌先が名前ちゃんの口内を犯していく。
歯列をなぞり上顎を舐め、お互いの舌を絡ませあった後に更に呼吸さえも奪われていくような少し息苦しいような激しく深いキス。
それと同時に腰に回されていた手で、腰の少し上辺りを指先で撫でるように触れられ、そのくすぐったい刺激が快感となり背筋を走る。

呼吸が苦しくなる頃に少し強めにレノの体を押し返す。

「はぁ…っ、レノ、本当にキス上手だよね。普通あんなにゾクゾクするようなキス出来ないよ」

悪戯に笑う名前ちゃんの瞳は少し潤んで熱を帯び、息苦しさから頬は紅潮していた。

「こんなキスしたいと思うのは名前ちゃんだけだぞ、と」

レノは名前ちゃんが頭を打たないよう支えながらベッドに優しく横たわらせる。ごく自然に、けれど深い愛情を感じさせるレノの気遣いが名前ちゃんの心を満たしていく。
言葉少なく名前ちゃんを見下ろす瞳。ぱさりと肩にかかる真っ赤な髪。少し薄めの色気のある唇。その全てが愛おしく、そして煽情的だった。

「レノ、大好き。愛してる」
「ん、俺も」

レノの首へ両腕を回しながら名前ちゃんが言うと、レノもそれに短く応えながら名前ちゃんの頬へキスをする。