残業の罠
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「じゃあ俺チェックインしてくるから」
「はい!」
レノの荷物を預かり、エレベーター前で素直に待つ。
チェックインを済ませたレノがカギを受け取り踵を返すのを見計らい、エレベーターを待たせておく。
「お、サンキュ。今日は最上階らしいから行くぞ、と」
「はい!」
そして目的の階へと到着すると、部屋の扉とおぼしきものは一つしかない。
「……って、えぇ!?!?!?」
「わり、ミスって一部屋しか取れてなかった」
「もしかしてレノ先輩と相部屋ですか!?」
「どうせ数時間寝るだけだし良いだろ」
相部屋であることをさして気にも留めない様子のレノを尻目に名前ちゃんはエレベーターの下ボタンを連打し、最上階にレノを残したままでフロントへと急いだ。
「すみません!今日一部屋空いてませんか!?」
「大変申し訳ございません、あいにく本日は満室でして…」
「あの!じゃあロビーで寝かせてください!!」
「はい!?ろ、ロビーで、でございますか?…えっと…」
「…いや、無理ですよね……なんでもないです…」
すごすごと最上階へ戻る名前ちゃんを戸惑いの表情で見送る従業員だった。
「…はぁ…」
残業からの初めての出張で身も心も疲れ切っていた名前ちゃんは、余暇は一人でダラダラ過ごしリフレッシュしたかったが、それも叶わなくなり重い足取りでレノを置き去りにしてきた最上階の部屋へと戻るのだった。
最上階へと戻るとレノの姿はそこには無く、一足先に部屋へ入っているようだった。
観念し、ガチャリと重厚感ある扉を開くと目の前に広がる…
「…大きなベッドデスネ…」
「だーかーらー、数時間寝るだけなんだから良いだろ別に!」
苦笑いしながらスルスルとネクタイを緩めるレノに不覚にも心拍数が上がってしまう。
「…そうですね。前もって宿の予約忘れてた私が悪いですもんね。…そういえば先輩がネクタイしてるの珍しいですね〜」
心なしか紅潮した顔を隠すように名前ちゃんはレノに背を向け、何気ない会話をしながら荷物をクローゼット周辺へと下ろす。
「んーまぁ今日は先方のお偉方とも話す場面があるかもだからってツォンさんに釘刺されてたんだよ」
あー窮屈だった!とネクタイをソファの背もたれに投げ捨て、そのままソファへと座り、鞄からPCを取り出す。
「名前ちゃんはシャワーでも浴びれば?俺、本部に進捗のメールしとかないといけないし」
「あ、じゃあお先にいただきますね」
おう、とこちらを一瞥もせずPCへ向かうレノを確認し名前ちゃんはバスルームへ向かった。