「・・・もしかしてお前、坊ちゃん？」

「俺んちお金持ちだよ。」

「やっぱり・・・。

ちょっと待てよ。
何で坊ちゃんが寮で生活してんだよ。」

「お父さんが、１人で生活する経験もするもんだって。」

「１人じゃねぇけど。」

「・・・そうだね(笑)」

「そうだねじゃねぇよ。」

「よかったぁ、政がいて。

俺１人だったらマジで死んでたなぁ～。」

「ほんとだよ。」

「いやぁ政でよかった。

家事出来ない奴だったら終わってたよ。」

「ほんとだよ。」

「・・・政の声っていいよねぇ。」

「はぁ？
急に何を言い出す？」

「いや、いい声してるなぁっと思って。

七崎 蜜絵(ﾅﾅｻｷ ﾐﾂｴ)って知ってる？」

「知らね。」

「１年半くらい前に急に姿を消した歌手でね、
みんな正体をしらないんだって。

ＣＤとかの録音とかの時も仮面を被ってて顔が見えなかったとか・・・。

だけど、マネージャーさんだけ知ってたみたいだけどね。

俺、その子の大ファンでね♪

いっつも聞いてるんだ(笑)」

「いつもヘッドホンして聞いてる曲って
全部その子の曲？」