1人
再び気まずい沈黙が流れ始めた時、途切れていたスニョイヒョンからのメッセージが届いた。皆が一斉にグループチャットを開く。
hs『たすかった』
その一言を読んで、誰かが深く息を吐いた。
sk『ヒョン!無事だったんですね』
jn『何かあったの?』
hs『俺の名前って、スニョンだよな』
jn『そうだよ』
jn『どうしてそんなこと聞くの?』
mg『何かあったんですか』
wz『助かったのか?』
sc『何があったのか教えてくれ』
hs『ハニヒョンみたいな人、転んだ隙に逃げてきた』
hs『親切な人が車で送ってくれるって』
sk『ヒョン、その車本当に乗って大丈夫なんですか?』
sk『危ない人とかじゃ...』
hs『大丈夫だよ』
hs『だってジフニも乗ってるし』
wz『何言ってんだよ』
wz『俺ホテルにいるけど』
mg『本当にその車大丈夫なの?』
hs『大丈夫だよ』
jn『僕降りたほうがいいと思う』
mg『俺もそう思います。そこに本当にジフニヒョンがいるなら今すぐ降りたほうが...』
wn『今お前はまともな判断を下せている状態じゃない』
wn『一旦落ち着いて考え直してみろ』
wn『そいつら本当に人間か?』
wn『もし人間ならそれに越したことはないから』
sc『その人に場所聞けるか?』
sc『それで分かれば迎えに行ける』
hs『言えないって』
wz『スニョン、今すぐ降ろしてもらえ』
mg『窓割ってでもいいから...!!』
jn『また一人で外は不安だと思うけど』
jn『スニョンが帰ってこられなくなっちゃうかも』
wz『おい、返事しろよ』
wz『なぁスニョン』
wz『降りれたのか?』
wz『スニョン』
hs『あ』
hs『でんちきれる』
鈍い音を立ててミンギュの持っていたスマホが床に落ちた。
その音に肩を震わせたチャニをミョンホが抱きしめている。
wz「ぁ...」
カラカラに乾いた喉から掠れた声が零れ落ちて、それ以上喋ることのなくなったトーク画面がぼんやり滲んでいく。
js「他に連絡手段は?」
wn「今のところ無いです」
js「そう...」
wn「これで完全にあいつの後は追えなくなった」
パソコンから目を離したウォヌがゆらりと立ち上がる。
wn「泣くなよジフナ、まだ追えなくなっただけだから」
ガシガシと俺の頭を雑に撫でるとミンギュを引っ張って部屋を出て行ってしまった。
その日、いくら待ってもスニョンから再び連絡が来ることはなかった。