1人
金髪頭はじわじわとこちらに近づいてくるけれど、何か様子がおかしい。足を引きづるような、不自然な動きが見える。
hs「ヒッ......」
あれだけ戻りたくないと思っていた自分の後ろに、戻らなければいけないと感じた。怖い、逃げないと、混乱した頭はそれだけしか判断できなかった。
sc『スニョン、それはハニじゃない』
sc『ハニなら一緒にいる』
jn『スニョン無事なの?』
mg『逃げたほうがいいんじゃ...』
??「...ょ...すn...あ"っ」
hs「く、来るな...!!」
どんどん近づいてくる金髪頭はトンネルの途中で転んで、それを見た俺は出せる一番のスピードで来た道を引き返した。どうにか逃げないと、そう思ってホームまで戻ってきた俺は壊れかかったフェンスの隙間から駅の外へと抜け出した。
あのトンネルから離れたい。
hs「あれ...」
wz『おいスニョン』
wz『返事しろ』
wz『おい』
あれから既読のつかなくなったカトクにジフニヒョンはずっとメッセージを送り続けていた。指先が白くなるほど握りしめた手をスングァンがそっと包んだ。
sk「大丈夫...?顔色悪いよ、部屋戻る?」
vn「ううん、大丈夫」
首を横に振ると不安そうに眉を下げたスングァンは背中を擦ってくれた。
jh「そこにいるのが本当に俺だったらいいのに」
ぐず、と涙声でそう言ったジョンハニヒョンに視線が集まる。
jh「俺が代わってあげれたら」
js「ジョンハン、やめな」
jh「怖い思い、してるよね」
sc「ジョンハン」
諭されるように頭を撫でられたヒョンはぎゅう、とキツく皺の付く程スンチョリヒョンの服の裾を握ってその背中に隠れてしまった。