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1人




暫く行くと自分の進むその先から何か着信音のような音が聞こえた。こんな時間に、こんな山奥で。


hs「誰かいるんですか」


もし人がいるのなら、助けてもらえたら運がいい。
とにかく行ってみないと始まらない、恐怖に震える足に鞭打って進むと目の前にあったのは...


hs「トンネル...?」


トンネルには迂闊に入らない方がいいといつの日か見たホラー映画を思い出す。こういうところには霊気だか妖気だかが溜まり渦巻くのが相場だと不思議な格好をした主人公が言っていたのだ。
そこまで考えてハッと気が付いた。



トンネルなんて通ったっけ?



自分がイヤホンをしていた時点でトンネルを通ったら気が付かない方が変な話なのだ。「異世界」認めたくなかった事実が現実だと突き付けられていくようだった。


hs「ジフナッ...」


震える手でカトクを開いてなんとかメッセージを打ち込む。


hs『怖いよ』

wz『何があった』
sc『無事か?』

hs『トンネルがあるんだ』
hs『こんなの通ってないよ』

mg『線路は一本だけなんですか?』

hs『一本しかなかったよ』
hs『トンネルの名前も分からない』
hs『たすけて、怖いよ』

wn『落ち着けスニョン』

hs『ハニヒョンがいる』

sc『は?』


トンネルの奥に見慣れた金髪が見えて思わず手を振った。


hs「ヒョン!迎えに来てくれたんです...ね...」
??「....ぃ..」
hs「ヒョン...?」




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