2人
3人が眠りにつけるよう黙って見ていると、視界の端がゆらゆらと揺れる。横を見ると厳しい目で三人を見るウジヒョンは立っているのもしんどそうだ。
mh「ヒョン、大丈夫?」
wz「あぁ、ごめん…」
睡眠不足度で言ったら1、2を争うほどで、ヒョンは疲弊し切っていた。
電車の揺れに影響されて足元の覚束無いヒョンの背中に手を回して支えると3人から目を離さないまま、ヒョンは申し訳なさそうに礼を口にした。
するとその時、一層強い揺れが起き俺まで立っていられずによろめいた。
そして…
wz「いない…」
揺れに気を取られたその一瞬、
ほんの0コンマ何秒の間。
ジョンハニヒョンも、ジュニも、ハンソラも、
3人は忽然と、その姿を消した。
mh「じゃあ、ほんとに…」
これでほぼ、誘拐でもなんでもなく、皆が異世界に巻き込まれてしまったことが確定してしまった。震える手でメッセージを打つ。
mh『3人が消えた』
mh『とりあえず誘拐じゃなかった』
それが幸か不幸かは、まだ分からない。
wz「スニョア…」
空いた席を眺めていたウジヒョンはぽつりと呟いて、その席へ腰を下ろした。自分もその隣に座ると、向かいの窓をぼんやり眺めるウジヒョンはぽすん、と僕の肩に頭を預けた。
mh「ヒョン、少し寝てください。駅に着いたら起こしますから…」
wz「ごめん、ありがとう」
そう言ってイヤホンを耳に挿し、腕を組んだウジヒョンは目を瞑った。
ガタガタと電車に揺られるうちに完全に寝入ったらしいウジヒョンの頭をそっと撫でて、3人からの連絡を待ち構えていた。
jn『着いたみたい』
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